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暗殺教室 in Hero

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緑谷出久の暗殺教室31 竹林の時間

遂に二学期が始まり、始業式のために本校舎の体育館に集合していた。のんびり雑談しておると五英傑の4人がこちらを見て笑った。

瀬尾「久しぶりだな、E組ども。ま、お前らは二学期も大変だと思うがよ」
 
小山「メゲずにやってくれ!ギシシシシ!」


不破「出ばながら五英傑かぁ...まあどうでもいいや。ねえ、なんかみんなのこと下の名前で呼んでなかった?」

出久「あっ、うん...呼んだほうがいい?」

不破「うん...」

奥田「...あのぉ...」

出久「優月さん...と...愛美さん」

不破→優月「いいねなんか...///」
奥田→愛美「は、はい///」

中村「おやおや、選ばなくてはいけないのにハーレムを楽しんではいないかい〜?私をほっといて〜」

おちょくってくる中村を見た出久は、ならばと思い

出久「今学期もよろしくね、莉桜さん」

中村→莉桜「っ///!!そういうところだよ...///」

出久も女子慣れしてきたと思うだろうが...



出久(めっちゃはずぅぅぅ!!!)

こんな心情である。

-----

榊原「やあ久しぶりだね」

有希子「...失礼します」

榊原「」

荒木「いやもう諦めろよ...」

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始業式が終わりになろうとしていた時...

荒木『さて。式の終わりに皆さんにお知らせがあります。今日から…3年A組に2人…仲間が加わります。まずは1人目…...彼は編入試験で好成績を取り、A組に入ることができました!










轟焦凍君です!!!』

ステージに出てきたのは、紅白の頭髪に、左目の周りには火傷の跡、そして超イケメンの男子だった...黄色い声援が体育館に響いた。

勿論E組からは上がっていないが。

轟『轟焦凍です......よろしくお願いします』

荒木『...えっと挨拶を...』

轟『...』

荒木『あ、あはは......ゴホンッ!......なんと、彼はあのNo2ヒーロー、エンデヴァーのご子息だそうです!!』

出久(あのエンデヴァーの!?)

轟「...!」

千葉「っ!...おい、今気づいたか」

寺坂「...殺気出してたな...」


出久(エンデヴァーの言葉に反応していた...?)

荒木『それでは、もう1人もご紹介しましょう!もう1人の彼は昨日までE組にいました』
 
E組「!!?」
 
 
荒木『しかし、たゆまぬ努力の末に好成績を取り、本校舎に戻ることを許可されました。では彼に喜びの言葉を聞いてみましょう!
 


 
竹林孝太郎君です!!』

E組「なっ!?」

出久「どうして...!?」

竹林『僕は、4ヶ月余りをE組で過ごしました。その環境を一言で言うなら...


地獄でした。

やる気のない生徒達。先生方にもサジを投げられ、怠けた自分の代償を思い知りました。もう一度本校舎に戻りたい...その一心で、死ぬ気で勉強しました。生活態度も改めました。こうして戻ってこられた事を心底嬉しく思うとともに、二度とE組に堕ちることのないよう頑張ります............以上です』
 
浅野「おかえり。竹林君」
 
浅野は大きく拍手をした。それに釣られて本校舎の生徒たちも、体育館内は大喝采である。
 
 
竹林が昨日までとは別人に見えたのだった...

-----

クラスでは竹林のことで空気が重苦しくなっていた...

前原「なんなんだよあいつ...百億のチャンス捨ててまで脱けるとか信じらんねー!」
 
木村「しかもここの事地獄とか言いやがった!」
 
岡野「言わされたにしたって、あれは無いよね」
 
片岡「竹林君の成績が急上昇したのは確かだけど、それはE組で殺せんせーに教えられてこそだと思う。それさえ忘れちゃったのなら...私は彼を軽蔑するな」
 
前原「とにかく!ああまで言われちゃ黙ってらんねー!放課後一言言いに行くぞ!」


出久「...」

桃花「...どう思う?」

出久「...まるで別人のようだった...何か大きな理由があるのかも...逆らえない何かがあるとか」



放課後、帰っている竹林を待ちぶせしていた。

前原「おい竹林!
 
磯貝「説明してもらおうか。なんで一言の相談も無いんだ?」
 
愛美「なにか事情があるんですよね?!夏休み旅行でも竹林君いてくれて凄く助かったし、普段も一緒に楽しく過ごしていたじゃないですか!」

そういう愛美の思い出の9割はメイド関係のことばかりだった...

カルマ「賞金百億。殺りようによっちゃもっと上乗せされるらしいよ?分け前いらないんだ竹林。無欲だね」
 
竹林「せいぜい10億円」
 
出久「?」
 
竹林「僕単独で百億ゲットは絶対無理だ。上手いこと集団で殺す手伝いが出来たとして、僕の力で担える役割じゃ、分け前は10億がいい所だね。
 
僕の家はね。代々病院を経営してる。

兄2人も揃って東大医学部。10億って金は、うちの家族には働いて稼げる額なんだ。

”出来て当たり前“の家なんだ。

出来ない僕は家族して扱われない。
 
僕が10億手にしたとして、家族が僕を認めるなんてありえないね。“よかったな。家一番の出来損ないがラッキーで人生救われて(笑)”......それで終わりさ」
 
一同「...」
 
竹林「昨日初めて親に成績の報告が出来たよ。トップクラスの成績を取って…E組から脱けれること。“頑張ったじゃないか。首の皮一枚繋がったな”...その一言をもらうために、どれだけ血を吐く思いで勉強したか...!

僕にとっては、地球の終わりよりも、100億よりも、家族に認められる方が大事なんだ。

裏切りも恩知らずも分かってる。君たちの暗殺が上手くいくことを祈ってるよ」

竹林は後ろを振り向き、この場から去っていく。
 
渚「ま、待ってよ竹ば…」
 
神崎「...やめてあげて渚君」
 
渚「...神崎さん」
 
竹林を追おうとする渚を神崎が引き止めた。
 
神崎「親の鎖って、凄く痛い場所に巻きついてきて離れないの。だから、無理に引っ張るのはやめてあげて」

何人かには、呪いがかけられてる。竹林君が、その呪いに殺されていくように感じた。呪いの解き方を…学校の授業は教えてくれない...

出久「...」

-----

出久は一人で竹林を追いかけた。

出久「竹林君!」

竹林「...緑谷。まだ何か用事...?」

出久「...えっと、A組に少しいたから分かるんだけどさ...本当にE組とは違う」

竹林「僕が追いつけていけないとでも?」

出久「ううん。...逆だと思う」

竹林「…?」

出久「竹林君。僕らはクラスが変わっちゃった。けど困ったことがあったら連絡でもなんでもしてね?僕が言いたかったのはこれだけ!じゃあね!」

竹林「待ってくれ、どうしてそういう風に」


出久「...友達だからかな?」

出久は帰って行った。竹林は出久の言葉が頭に響く...

竹林「本当にお人好しだ...」

そして次の日、竹林は出久の言っていたことを理解するのであった...

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竹林はA組にきてから最初の授業で周りから頑張れなどの言葉をもらっていた。

そして授業が始まった。

「おいみろよ...早速竹林手が止まってるぞ」ボソッ
「E組とはまるでペースが違うもん」ボソッ
「やばっ、もう消し始めてる!」
「A組にいる間は仲間だけど、俺らが堕ちちゃったら意味にねえよ...」


竹林(これがA組の授業...!?E組じゃ一学期でやったとこだぞ...!?しかもやたらと非効率的だ。早口で黒板に書いては消して、生徒の都合は一切無視。着いてこれない奴をふるい落とすための授業じゃないか)

今日一日中がこのような授業で。放課後に...普段は暗殺やメイドカフェに行っていた。A組のクラスメイトに何処か行かないかと誘ったが、ほとんどの者が塾に行ってしまった。

竹林(...なるほど、緑谷が言っていたのはこういう事か...A組にいたからこそ、E組の良さをよく分かっていたんだな...)



下駄箱から出て、横の草のところに何かいた...


E組のメンバーと殺せんせーである。竹林のことが心配で見にきたのだった...

頭に植物を巻き付けてカモフラージュしているが...E組と本校舎で植物が違うから余計に怪しい。

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出久「あれバレてるよね...」

その通りである。

-----

竹林「...(僕はなんのためにここに...)」

「おい、何道のど真ん中で止まってる」

後ろから声をかけてきたのは轟だった。

轟「...お前は...前にE組にいたやつか...」

竹林「ああ、轟か。えっと...君って頭がいいんだね。授業中に指されても平然と答えていた」

気まずくなり、つい質問をしてしまった竹林。

轟「別に...あれぐらい普通だろ。俺はヒーロー目指してるんだ。そんなくだらないことで足止めは喰らわねえ」

竹林「君もヒーローを目指しているのか...E組にもいたよ」




轟「ヒーロー目指してるのに、落ちこぼれのクラスにいるなんて...どうせなれるわけねえだろ。無駄な妄言だ」

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ひなた「何あいつ感じ悪!!!」

メグ「エンデヴァーの息子だかなんだか知らないけど、友達いないタイプね」

有希子「私あの人嫌いかも...」

凛香「...さて」

千葉「待て待て...!」

他の出久ガールズも顔が笑っていない。凛香は対先生用であるが、銃を取り出そうとしているため、千葉に抑えられていた...

その他(女子怖え!!!)

しかしそんな轟に反対したのは

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竹林「訂正してくれないかな」

竹林である。

轟「なんだと...」

竹林「悪いけど、彼はね他人のためにどこまでもお人好しで、命を賭けるくらいの覚悟を持っている。夢を諦めずにひたすら努力しているのを僕らは見てきた。

正直に言うけど、君より彼の方が強いと思う」

その竹林の言葉に出久は感動していた。そして出久ガールズも“よく言ったぁ!!”という感じで拍手していた。他の一同も同じである。

すると竹林は冷気を感じた......轟の右側からである。轟が竹林を睨んでいる。

竹林(個性!?)


まずいと思ったその時

「何をしてるんだ。ここでは個性は使ってはいけない」

竹林「浅野君...」

轟「ちっ!!!」

轟は早足で帰っていった...

浅野「何があったかは聞かないよ。理事長がお呼びだ」

竹林「僕を...?」

竹林は浅野についていくのであった...

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帰り道を暗い顔をしながら歩いている竹林...

理事長から明日ある創立記念日の集会でスピーチをしてほしいと頼まれた。

しかし、その内容は嘘しかなく、E組を監視して再教育するという内容だった。

E組管理委員会を作るという...
 
弱者から強者になれる。そう考えたが、本当にいいのだろうかと、ずっと悩んでいる。

そして気づいた...
 
竹林「警察呼びますよ、殺せんせー」
 
殺せんせー「にゅやッ!?な、なぜ闇に紛れた先生を!?」
 
曲がり角からガッツリ見ている殺せんせーを見つけた...
 
竹林「何の用ですか?殺しとはもう無縁な僕に」
 
そう答えた、次の瞬間...眼鏡を奪われて何故か髪型を整えられて化粧を施された。
 
殺せんせー「ビジュアル系メイクです。君の個性のオタクキャラを殺してみました」

竹林「こんなの僕じゃないよ...」
 
微塵も元の要素がないと引いていると、すぐに殺せんせーが元に戻した。
 
殺せんせー「竹林君、先生を殺さないのは君の自由です。でもね、“殺す”とは日常に溢れる行為ですよ。現に家族に認められるためだけに、君は自由な自分を殺そうとしている」

竹林「...」
 
殺せんせー「でも君ならいつか、君の中の呪縛された君を殺せる日が必ず来ます。それだけの力が君にはある。焦らずじっくり殺すチャンスを狙ってください。相談があれば闇に紛れていつでも来ます」
 
そうして殺せんせーは立ち去っていった。

竹林は自分のしたいことを考えた...


次の日の朝会...

壇上に竹林が上がった。
 
狭間「はぁ…?」
 
莉桜「また竹林がスピーチ…?」
 
千葉「胸騒ぎがする」
 
杉野「えっ?」
 
千葉「竹林から…殺気を感じるんだ。大事なものをめちゃくちゃに壊してしまいそうな...」


出久(竹林君...!?)


竹林『僕のやりたい事を聞いてください...僕のいたE組は、弱い人達の集まりです。学力という強さが無かったために、本校舎の皆さんから差別待遇を受けています。
 




 
でも。僕はそんなE組が、メイド喫茶の次くらいに居心地良いです』

この言葉に學峯と浅野...そして全校生徒が固まった。

竹林『僕は嘘をついていました。強くなりたくて...認められたくて...でも、E組の中で役立たずの上裏切ったの僕のことを、クラスメイト達は気にかけ、様子を見に来てくれた。

先生は、僕のような要領の悪い生徒でもわかるよう、手を替え品を替え工夫し、教えてくれた。

家族や皆さんが認めなかった僕のことをE組の皆は同じ目線で接してくれた。

それに僕のことを友達だとはっきり言ってくれるお人好しもいます』

出久「っ!!」

竹林『世間が認める明確な強者を目指す皆さんを、正しいと思うし、尊敬します。でも、僕はもうしばらく弱者でいい。弱い事に耐え、弱い事を楽しみながら、強い者の首を狙う生活に戻ります』

竹林はスピーチ原稿の下から、學峯が取った表彰の盾を取り出した。

竹林『理事長室からくすねてきました。私立学校のベスト経営者を表彰する盾みたいです。理事長は本当に強い人です。全ての行動が合理的だ』


竹林は懐から木製のナイフを取り出し、盾に向かって振り下ろし、盾はバラバラに砕け散った...
 

竹林『浅野君の言うには、過去これと似たようなことをした生徒がいたとか。前例から合理的に考えれば......




E組行きですね。僕も』
 
 
竹林はそう言って、退場しようとした。
 
浅野「待てよ...!救えないな君は...!強者になる折角のチャンスを与えてやったのに」
 
竹林「強者?怖がってるだけの人に見えたけどね。君も、みんなも」

浅野「っぅ...!!!!」

-----

朝会が終わり、体育館から出始める。

出久「竹林君戻ってくるね!」

渚「うん...!」

茅野「ねえねえ、あのお人好しって緑谷君でしょ!」

出久「えっ、どうして...」

杉野「いやいや、みんな分かったよ」

前原「さっすがヒーロー志望だな!」




轟「そうかお前がか...」

E組に近づいてくる轟...出久は一歩前に出た。

出久「僕は緑谷出久...よろしく」

轟「......お前には負けねえ...」

そう言って轟は行ってしまった。

陽菜乃「本当に感じ悪いね〜...」


出久「...(轟君からは怒りが目に見えていた......けど...苦しんでる...?)」

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烏間「二学期からは、新しい要素を暗殺に組み込む。そのひとつが火薬だ」
 
前原「か、火薬!?」
 
烏間「そのパワーは暗殺の上で大きな魅力だが、寺坂君達がやったような危険な使用は絶対禁止だ」
 
寺坂「うっ...」
 
烏間「そのためには、火薬の安全な取り扱いを1名に完璧に覚えてもらう」
 
そう言うと烏間先生は、参考書ほどのページ数がある本3冊と、分厚い本1冊を取り出した。
 
烏間「俺の許可と、その1名の監督が火薬を使う時の条件だ。さぁ誰か覚えてくれる者は?」

出久でも苦笑いするぐらいだ。全員が嫌がる。そんな中1人、烏間から本を受け取った。


「勉強の役に立たない知識ですが、まぁこれもどこかで役に立つかもね」
 


烏間「暗記できるか?...竹林君」
 
竹林「ええ。二期OPの替え歌にすればすぐですよ」


出久(お帰り竹林君!!!)


こうして二学期の暗殺教室が始まった。


 
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