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暗殺教室 in Hero

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緑谷出久の暗殺教室3 カルマの時間

今日から本格的に暗殺の訓練をすることに。体育の先生は烏間さん...烏間先生だ。

最初は殺せんせーがしていたんだけど...異次元なことしかしないため、クビとなった...今は泣きながら校庭の砂場で石を積んでいる...

烏間「八方向から正しくナイフが振れるように!」

ナイフの振り方の練習中だが、僕はもので特訓したことなど一回もない。せいぜい小さい時に木の棒を振っていたぐらいだろう。


前原「いっち、にー、さーん、しー……しっかし烏間先生。こんな訓練意味あるんッスか? 当のターゲットがいる前で」

烏間「勉強も暗殺も同じことだ。基礎は身につけるほど役に立つ」


それを実践するためか、烏間先生が磯貝君と前原君を指名して、自分にナイフを当ててみろと。最初は2人とも控えめだったが。

前原「くそっ!」
磯貝「っ!!」

流石は防衛省にいる人だ、個性がなくとも余裕で捌いている。

烏間「このように多少の心得があれば、素人2人のナイフくらいは俺でも捌ける。俺に当たらないようでは、マッハ20の奴に当たる確率の低さがわかるだろう。それに奴は今の間だけで、砂場に大阪城を作り、着替えて茶まで飲んでいる!!」

「「「腹立つな!!!」」」

みんなが声を合わせてそう言った...殺せんせーは相変わらず余裕そうだね...

烏間「そして、俺たちのほとんどは無個性だ。個性持ち...自分達にない力に対しても必要になる時もある。緑谷君、個性を使ってかかってくるんだ」

出久「うぇ!?ぼ、僕!?」

烏間「奴から聞いたが、短期間で個性の使い方を学んだようだからな。実践で試すほうがいいだろう」

出久「は、はい...!」

僕はナイフを右手に一歩前に出る。そして深呼吸をして力を...!!

出久(ワン・フォー・オール...フルカウル...2%!!!)

渚「緑色の電気が身体に...!」

出久「行きます...!!はぁ!!!」

僕は地面を蹴って一気に烏間先生に近づき、ナイフを振るった。

烏間(早い!だが...!)

右腕を掴まれ、僕は地面に投げられそうになる。

動きが単調すぎた!!腕は動かない!なら足しかない!!空気を蹴って風圧で体勢を整える!

出久「ふんっ!!......!!」

烏間「風圧で体勢を...!しかしそれも甘い!」

出久「ぐっ!?」

僕は首を掴まれてそのまま地面に押さえられた。

出久「はぁ...はぁ...参りました」

烏間「ああ...(昨日一昨日でここまで動けるようになるとは...)今後は俺が体育で暗殺の基礎を教える。今日はこれで授業は終わりだ」

「「「ありがとうございました!!」」」

出久「ありがとうございました。......」

さっき蹴りに移行した時、意外にスピードとパワーが出せたな...足の方が手より長い...だから靴にナイフを細工すれば...

後でノートにまとめておこう。

倉橋「ねえねえ、ぼーっとしてるけどだいじょーぶ?」

出久「えっ、あ、新しい戦い方の発見ができて、それについて考えてたから...つい」

倉橋「緑谷君ってさ、本当に元A組って感じしないよね」

出久「A組って言っても、ほんの一瞬だし...それに僕は差別されてた側だから、差別とか嫌いなんだよ」

倉橋「緑谷君が差別されてた...?」

出久「ま、まあ...ん?渚君と話してるの誰だ...?」

渚君の方を見ると、赤い髪の男子と話している...仲良さそうだけど...クラスメートかな?

「あれが例の殺せんせー? すっげ。ほんとにタコみたいだ」


「……赤羽業くんですね。今日が停学明けと聞いていました。初日から遅刻はいけませんねぇ」
 
 
 皮膚の色を紫にして×マークを顔に出している殺せんせーに、反省の色を浮かべている...赤羽君か...
 
カルマ「あはは。生活リズム戻らなくて。下の名前で気安く呼んでよ。とりあえずよろしく、先生」

殺せんせー「こちらこそ。楽しい1年にしていきましょう」
 
 
赤羽君から差し出された手を触手でギュッと握り返し.........殺せんせーの触手が2本ともドロリと溶解した!?
 
 
殺せんせー「!?」
 
 
 驚愕に目を見張る殺せんせー。
そんな彼が一息つく暇もなく、赤羽君は袖口に仕込んでいたナイフをせんせーに刺そうとした...!!

殺せんせーに攻撃を当てたのは初めてじゃないか!?殺せんせーはあんなに離れて...焦っている...!?


カルマ「へー。ほんとに速いし、ほんとに効くんだ。この対先生用ナイフ。細かく切って貼っつけてみたんだけど...」

出久「なるほど...!」

こんな時でも僕はその作戦に感心してしまった。


カルマ「殺せないから“殺せんせー”って聞いてたけど...あっれぇ?せんせーひょっとしてチョロいひと?」

赤羽君は嘲笑うかのようにで顔をわざとらしく覗き込んだ...殺せんせーの顔が赤く...
 
カエデ「ねえねえ渚。私E組に来て日が浅いから知らないんだけど、彼どんな人なの?」

茅野さんも僕の少し前に編入してきたらしい。僕も気になるので聞くことにした。

渚「1年2年と同じクラスだったんだけど、2年の時に続けざまに暴力沙汰で停学喰らって……このE組にはそういう生徒も落とされるんだ... でも今この場じゃ優等生かもしれない。凶器とか騙し討ちの基礎なら、たぶんカルマくんが群を抜いてる...」



あんな出来事があったが6時間目の小テスト...集中したいんだけど...

“ブニョン”

“ブニョン”

“ブニョン”

弱点4.パンチがヤワい

先ほどのことがよっぽど悔しかったのか、壁パン...?をしている。だけど音が...

岡野「もううるさい!小テスト中でしょ!!!」

殺せんせー「こ、これは失礼しました!!」

それで横では

寺坂「よォ、カルマァ。あのバケモン怒らせてどうなっても知らねーぞー」

カルマ「殺されかけたら怒るのは当たり前じゃん、寺坂。しくじってちびっちゃった誰かの時と違ってさ」

寺坂「なっ、ちびってねーよ! テメェ喧嘩売ってんのか!!」

あー、確か聞いたけど僕が来る前に渚君を利用した暗殺をして、やり方が非人道的だから怒られたとか...本気で切れたんだなせんせーは...

やっぱりいい先生なんだな...

殺せんせー「こらそこ!テスト中ですよ!!」

((((お前の触手の方がうるさいよ!))))

という心の声がき、聞こえたような...

カルマ「ごめんごめん殺せんせー。俺もう終わったからさ。ジェラート喰って静かにしてるわ」

ジェラート!?なんて高そうなのを...

殺せんせー「駄目ですよ!授業中にそんなもの!まったく、どこで買って来て...そ、それは昨日先生がイタリア行って買ったやつ!!」

せんせーの!?イタリアで買ったんだ...

カルマ「あ、ごめーん。職員室で冷やしてあったからさ」

殺せんせー「ごめんじゃ済みません!溶けないように苦労して寒い成層圏を飛んで来たのに!!」

カルマ「へー……で、どうすんの?殴る?」

殺せんせー「殴りません!!残りを先生が舐めるだけです!!」

舐めるの!?意外と意地汚い...?

そう言って近づく先生に赤羽君は銃を構える。全員中に意識が向いていた。


だけど弾が放たれる前に先生の触手が解けた...!?

地面にbb弾!?うまい...確かに渚君が言うようにここでは最強かも...


でも...

「何度でもこういう手使うよ。授業の邪魔とか関係ないし。それが嫌なら、俺でも他の誰かでも殺せばいい。でもその瞬間から、もう誰もアンタを先生とは見てくれない。ただの人殺しのモンスターさ。アンタという先生は、俺に殺されたことになる」

”先生“という存在を嫌っている気がする。


そう言って出ていっちゃった...

-----

今日は少し居残りをして、森の中で特訓をしていた。もっと個性を使いこなさなければ、暗殺は不可能...足技に挑戦しているんだけど、これが結構使い勝手がいい...!


としていたら割と遅くなってしまった...

早く帰らないと...



NoSide

転校はしたものの、家は以前の場所から引っ越していない。最後の方は1人になるのだ。

いつもより遅めでゆっくり帰っていると、帰り道にある猫カフェから、同じクラスである速水凛香が出てきた。


その顔は出久がいつも見ているクール顔ではなく、デレデレの顔で店の外から名残惜しそうに猫を見ていた。

速水「〜♪.........!?!?」

出久「あっ、どうも」

まさに、見られた!と言うような表情となり、そして強張った顔で出久に近づいてきた。

速水からしたらガラスに反射して自身の顔を知っていたため顔を赤くもしていた。

速水「い、今の顔見た...」

出久「えっと...まあ。猫好きなんだね」

速水「さっきの顔になっていたことは内緒に...というかここに来てたこと他のみんなには内緒にしてくれない...?恥ずかしいからさ...」

出久「うん、分かった。でも猫はすごい可愛いから、表情が砕けちゃうのは分かるなぁ」

速水「そう...。それにE組なのにこんなことしてたらダメだから。勉強も暗殺をしなくちゃいけないし...」


出久「それでも誰にだって休みたい時、好きなことだけをしたい時だってあるよ。僕の場合はヒーローの観察、考察をノートに書いとくとかね」

速水「...緑谷は勉強とかに余裕があるからできることだと思うけど...」

出久「別に余裕あるわけじゃ...僕が勉強を頑張ってたのは、お母さんを泣かせたくなかったからなんだ」

速水「...何かあったの?」


出久「椚ヶ丘に来る前は毎日虐められててね。お母さんに無個性で産んでごめんねって言われたこともあった。そんなお母さんを安心させるためにがむしゃらにやってたんだ。みんな僕を元A組って言うけど、僕はエリートでもなんでもない。目の前にあるものにしか集中できなかったんだ」

速水からしたら差別を一切しなく、E組を助けるために堕ちた出久の性格を考えれば、虐められていたというのは想像できない。確かに無個性は色々と言われるものだ。しかし虐められるというのは見たことがなかった。

それに何故出久はあんまり話してもない自分に自身の辛い過去を普通に話せるのだろうか。


色々考えたが、出久は天才ではなく、努力家であると速水は思った。


速水「...私の場合は頼まれたら断れなくて、色々してたらE組に...あれも一種の虐めだったのかもね...」

出久「あー...僕もしたことある。しなかったら殴られたもんなぁ」

速水「なぐっ...!?」

出久「あはは...僕のところは厳しくて......速水さんだけじゃないよ、僕も断りづらい気持ちはわかる気がする。でもここにはそういう人がいない...みんないい人だ...こんな温かいクラスは生まれて初めてだよ。だから別に寄り道して怒る人なんていないよ」


速水「...えっと...緑谷が初めてかも。昔のこと少しでも言ったの。まあ、改めてよろしく」

出久「うん!」


殺せんせー「なにやら青春してますねぇ」

出久速水「「っ!?!?」」

今の殺せんせーは肌を変えて付け鼻をして、巨大な大男に見えるようにしていた。


殺せんせー「デートですか!どちらから誘ったんですか!?」

出久「い、いや、偶然あっただけで!」

殺せんせー「でもとても仲が良さそうに話してたじゃないですか!せんせー気を使って遠くから見守ってたんですよ?でも我慢できなくなっちゃいました」

出久「えぇ...」

殺せんせー「いや〜先生として不純異性交遊はしてはいけません!とか言いたいじゃないですか」

出久「なに変なこと言ってるんですかぁ!!僕に彼女ができるわけないです!!それに速水さんみたいな綺麗な女子が僕なんかと付き合うわけないでしょ!!」

速水「.........・・・っ!?」

殺せんせー「今速水さんに今の思ってる印象を言っちゃいましたねぇ?実際本当にどう思ってるんですか?ねえ?ねえ?」





出久「うがぁぁぁぁぁ///!!!!!!!」

出久はキレた

殺せんせー「にゅやぁぁぁ!?!?個性を外で使うのはダメですよ!!!」

出久「ぬぅぅんん!!!」

出久は蹴りで突風を起こした

殺せんせー「やめてぇ!顔が怖いですよ!?修羅ですよ!?謝ります!すいません調子に乗りましたぁぁ!!!」

そう言った殺せんせーはどこに飛んでいってしまった。出久は初めて殺せんせーに対して明確な殺意を持ったのであった...

出久「ふー...ふー...ご、ごめんね?僕のせいで色々言われて」


速水「...バカ」

出久「えっ...す、すすすすいません!!なにか!なにかお詫びをします!」





速水「...じゃあ今度からあの先生に聞けない時とかに勉強を教えてよ」

出久「はい!!」


フラグ① 速水凛香



No Side


次の日の教室...教壇には本物のナイフが刺さったタコが...カルマの仕業だ。心から弱らせようとしているのだろう。

だけどここまでだった。


殺せんせーは軍隊から奪ったミサイルの炎でたこ焼きをマッハで作り宣言した。

殺せんせー「君を手入れする」

と...

そこからは殺せんせーのターン。黒板に書いている殺せんせーを撃とうとしても、一瞬で銃を奪われるだけでなく、爪にメイクされる。

家庭科の時間では、作った料理をぶちまけている間に刺そうとしたが、可愛いエプロン着させられ、ぶちまけた料理は空中でスポイトで回収される始末。

警戒モードの殺せんせーは無敵であった...

-----

校舎の外、崖があるため近づかないようにしている場所にカルマ、渚、出久がいた。出久は2人が気になりついてきてしまい、それがバレてここにいる。

渚「個人マークしている殺せんせーには勝てないよ...みんなで協力しようよ」

カルマ「やだね。それで...ストーカーは良くないんじゃない?緑谷...だっけ?」

出久「ご、ごめん...気になってつい...」

カルマ「まあいいよ。聞いたよ。E組助けてここに落とされたって...俺と同じだ...」ボソッ

出久「ん?」

カルマ「なんでもないよ〜。ねえ緑谷...聞きたいけど...先生のことどう思う?」

出久「...暗殺しようとしている赤羽君には悪いけど、今までで一番いい先生だよ。前の先生は成績しか見ていない感じだったから...」

カルマ「...分かるの?」

出久「うん...椚ヶ丘に来る前の先生の目を覚えていたから。僕を見てないって」

カルマ「...そっか。お前は分かってたんだ...俺は分かってなかった...」

赤羽業は以前成績が良く問題を起こしても本校舎の先生に味方だだと言われていた。

しかし出久と同様に去年のE組の先輩をA組の先輩から助けたことで、信じていた先生が今までの行動がただ成績目当てだったと。カルマ自身を見ていなかったと知った。

カルマの中の先生が死んだ...

その時からカルマの心が歪んだ。


殺せんせー「緑谷君!まだ数日しか経ってないのに信用してくれるとは。せんせーは嬉しいですよ!...さて、カルマ君」

カルマ「……確認したいんだけど、殺せんせーって先生だよね?」
 

殺せんせー「?はい」

カルマ「先生ってさ。命をかけて生徒を守ってくれる人?」

殺せんせー「もちろん。先生ですから」


カルマ「そっかなら確実に...殺せる...」

銃を構えたカルマは、崖から飛び降りた。


渚「っ!?」

出久「赤羽君!!」

殺せんせーがカルマを助けに行けば、救出する間に殺せんせーが撃たれて死ぬ。カルマを見殺しにすれば、先生としての殺せんせーが死ぬ。

銃を構えながら落ちていくカルマは走馬灯を見ていたが、目の前の光景に現実に戻される。





緑色の電気を見にまとう出久が手を伸ばしているのだ。

カルマ「はぁ!?何してるの!?」

出久「それはこっちのセリフだ!!!!何馬鹿なことしてるんだ!!こんなやり方で誰が喜ぶ!!!」

そう言って手を掴んだ。会って間もないにも関わらず出久の真剣な顔に唖然とする。

その瞬間、2人の体がネバネバしたものがくっついた。

殺せんせー「音速で助ければカルマ君と緑谷君の肉体は耐えられない。かといってゆっくり助ければその間に撃たれる。ということで先生、ちょっとネバネバしてみました」

カルマ「なんでもありかよ...!!」

ネバネバした触手を蜘蛛の巣のように地面ぎりぎりも場所に作ったのだ。


殺せんせー「……ああ、ちなみに見捨てるという選択肢は先生には無い。いつでも信じて飛び降りてください」


カルマ「...ははっ(こりゃダメだ。死なないし殺せない。少なくとも、先生としては...)」

カルマは憑き物が取れたような笑顔を浮かべた...

殺せんせー「それと緑谷君。ずいぶん無茶をしましたね。でもクラスメイトを思う君の想いは満点ですよ」

出久「あ、あはは...」






崖から上がった時には、さわやかな殺意を持っていたカルマは、もう手入れの必要がないと判断された。

殺せんせー「カルマ君にも信用できる友達が増えましたねぇ」

カルマ「だね。よろしくねってことでこの財布で何か3人で食べに行かない?」

殺せんせー「にゅや!?先生の財布!?返してください!!」

カルマ「いいよ〜」

しかし返された財布にはお金がなかった。

カルマ「あっ、ごめーん。端金しかなかったから募金したんだった〜」

殺せんせー「のぉぉぉぉぉぉ!!!!」


出久「給料で過ごしてるんだ...」

渚「ねえ緑谷君。さっき今までの先生のことで昔何かあったのは知ったんだけど...緑谷君みたいな人が何かされるって予想できないな...頭がいいから期待とかされてると思ってた」


出久「そうなの...?

普通に僕が何かされてても無視してるか、


笑ってるか...

偶に晒し者にしてくるか...

期待なんてされたことない......

疫病神みたいに扱われてたし.........あっ......」


ベラベラと嫌な思い出、空気を悪くするような話をしてしまった出久は申し訳なさそうに一言。

出久「今のなしで」

殺渚「「できるわけないでしょぉ!?!?」」

出久「さあ帰らないと!」

殺せんせー「せんせー心配ですよ!?今度面談しましょう!?ね!?」

渚「なんか聞いてごめん!悪気はなかったんだよ!!」



カルマ(先生関係で俺より拗れてたんだ...)

そんな過去があっても前向きに頑張ろうとする出久に、素直にすごいと思ったカルマ...




だが出久自身がどう思っているかは誰も分からない...


 
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