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ドリトル先生の落語

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第十幕その十二

「余計に思うよ」
「その河豚だって食べられるしね」
「いいよね」
「鉄砲っていう呼び名もあって」
「面白さもあってね」
「心から思うよ、じゃあ今夜は」
 先生は皆に笑顔で言いました。
「河豚を楽しもうね」
「お酒はどうしますか?」
 トミーが聞いてきました。
「そちらは」
「白ワインにしようかな」
「日本酒じゃないんですか」
「日本のお鍋だと日本酒だよね」
「その組み合わせがオーソドックスですが」
「最近よく飲んでるからね」
 日本酒をというのです。
「それでなんだ」
「今夜はですか」
「うん、白ワインにして」
 そしてというのです。
「楽しもうかなとね」
「そうお考えですか」
「日本酒もいいけれど」
 それでもという先生でした。
「和食には日本酒もあるからね」
「今夜はそちらですね」
「あるよね、白ワインも」
「はい、ボトルで二本」
 トミーは笑顔で答えました。
「あります」
「じゃあそれを頂くよ」
「わかりました」
「お酒はないとね」
 先生にとってはです。
「寂しいよ」
「先生お好きですからね」
「うん、煙草は吸わないけれど」
「お酒は大好きですね」
「どんなものでもね、ただね」
「ただ?」
「朝から飲むことはなくなったね」
 これはというのです。
「僕も」
「それはそうですね」
 トミーも頷きます。
「イギリスにおられた時は朝起きて」
「飲むこともあったね」
「はい、食欲がない時とかは」
「ドイツ風にね」
 トミーに笑ってお話します。
「生卵を入れて」
「飲むこともありましたね」
「そうだったけれど」
 それがというのです。
「今はね」
「飲まれないですね」
「夜にならないと」
 さもないと、というのです。
「お酒はね」
「飲まれないですね」
「まあブランデーをね」
 このお酒をというのです。
「紅茶に入れて」
「飲まれることはありますね」
「けれどね」
「夜ですね」
「その時にね」
「お酒を飲まれる様になりましたね」
「朝からは」 
 それはというのです。
「本当にね」
「なくなりましたね」
「日本では朝寝朝酒朝風呂はね」 
 これはというのです。
「物凄くね」
「駄目なことですね」
「そうされていて」 
 そしてというのです。
「それでね」
「普通はしないですね」
「だからね」
 それでというのです。
「僕が飲まないこともね」
「いいことですね」
「夜お仕事をしていないなら」
 それならというのです。
「朝寝朝酒朝風呂はね」
「しないことですね」
「そうだよ、だから僕も今では」
「夜ですね」
「この時にね」
 こう言うのでした。
「飲んでいるよ」
「そうされていますね」
「楽しくね、ではね」
「今夜はですね」
「皆で河豚を食べて」
 そうしてというのでした。
「日本酒をね」
「楽しみますね」
「そうしようね、日本にいたら」 
 そうだというと、というのです。
「本当にね」
「そうしたものも楽しめますね」
「そうだよ、河豚も日本酒も最高だよ」
 先生は笑顔でこうも言いました。
「どちらもね」
「そうですね、じゃあ」
「うん、一緒にね」
「皆で、ですね」
「楽しもうね」 
 こうお話してでした。
 王子が来たところで皆で河豚とお酒を楽しみました、そして先生はその中でいつもの笑顔を見せたのでした。 
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