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風俗の二十代

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第二章

「言うしかない人だったよ」
「本当に風俗あるあるだね」
「昔はよくあって」
 中村は苦笑いで話した。
「しょっちゅうだったらしいよ」
「それで今もだね」
「昔よりはかなり減ったにしても」
「君はよく行くからね」
「それでその分ね」
 多く行くだけあってというのだ。
「そうした人にね」
「会ってきているね」
「参ったよ」
 心から言うのだった。
「本当にね」
「そうだね、ただ」
「ただ?」
「いや、本当に」
 中村は真剣な顔で言った。
「こうしたことがあるのもだよ」
「風俗かい?」
「いいと思った娘が」
 その実はというのだ。
「今回みたいだったり外れかなと思ったら」
「よかったり」
「そんなことがあるのもね」
 これもというのだ。
「風俗だよ」
「そうだっていうんだ」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「これもまたね」
「だからいいんだ」
「勿論遊ぶこと自体も」
 遊ぶその内容は言うまでもなかった。
「いいしね」
「そうした当たり外れもなんだ」
「いいんだよ、だからこれからも」
「風俗行くんだ」
「結婚するつもりもないし」
 それは考えていないというのだ。
「だからこれからも」
「それも人生かな、ただね」 
 羽生田は中村に話した。
「風俗はやっぱり」
「性病だね」
「それには気を付けることだよ」
「わかってるさ、怖いからね性病」
 中村もこのことはわかっていて真剣な顔で応えた。
「医者だけにね」
「感染したらお話にならないよ」
「そうだしね、本当に罹ったら」 
 性病、それにというのだ。
「命にも関わったりするよ」
「梅毒とか」
「怖いから」
 このことがよくわかっているからだというのだ。
「注意していくよ」
「そこはね」
「うん、ちゃんとしていくよ」
 羽生田にこう返した、そうして風俗を楽しんでいった。その中で当たりも外れもあったがそれもよしだった。


風俗の二十代   完


                    2023・10・18 
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