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仮面ライダー電王 約束の場所

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第四十六章

「何、姉さん」
「クリーニング屋さんあったわよね」
「菊池屋さん?」
「そう、悪いけれどあそこに行ってきて」
 こう言うのであった。
「エプロンクリーニングに出してるのよ」
「あそこだね」
「いいかしら」
「うん、いいよ」
 穏やかに笑って姉の言葉に頷く。
「最近あそこにもよく行くしね」
「あとハカランダとかアギトにも行っているわよね」
 そのこと自体は知っているが何故なのかという理由は知らない愛理だった。
「花にポレポレにも」
「味の研究にね」
 こう姉に言い繕う。
「だからなんだよ」
「そう。じゃあそのついでに時間があったらそのお店にも行ってきて」
「いいの?」
「ここはお姉さんに任せてもいいわ」
 また笑って述べてみせる。
「だからよ」
「うん、それじゃあ」
「ゆっくりね」
 こうして話を終える。それを受けて店を出ると。早速デンライナーが出て来たのであった。
「えっ!?」
「おい良太郎!」
 扉が開いてそこからモモタロスが出て来た。
「すぐに乗れ!大至急だ!」
「すぐにってまさか」
「そうだよ、出て来やがったんだ!」
「新しい敵よ!」
 モモタロスの横からハナも出て来て良太郎に言ってきた。
「早く乗って。もう出て来たのよ」
「三日しか経っていないんだけれど」
「馬鹿野郎、三日も休めれば充分だろうが!」
 モモタロスはかなり強引にそういうことにしてきた。
「俺なんか年中無休なんだぞ!」
「そうだったんだ」
「イマジンでいることに休みはねえんだよ!」
「先輩、それを言ったら人間だって同じじゃない」
 モモタロスの後ろからウラタロスが出て来て突っ込みを入れる。
「違う?それで」
「んっ!?そういやそうか」
「そうだよ。だからここはちょっと言い替えないと」
「とにかくはよ乗ることや」
 キンタロスも出て来た。
「敵は待ってはくれんからな」
「キンタロス・・・・・・」
「泣いてる子供もようさんおるで!」
「そうそう、今度の敵も強いみたいだよ」
 リュウタロスはモモタロスの右脇のところから良太郎に顔を出してきた。
「だからさ、良太郎と一緒にやっつけに行かないといけないんだよ」
「そういうことだ」
 ジークはすくっと一行の後ろに立っていた。顔がはっきりと見える。
「で、あるから良太郎よ」
「乗れってことだね」
「左様」
「答えはもう聞かなくていいよね」
「うん」
 良太郎はウラタロスの今の言葉に答えた。
「それはもう」
「じゃあ早く乗って!」
 コハナはモモタロスの左脇のところからであった。
「早くしないと皆が大変なことになるわよ!」
「そうだね。それじゃあ」
 コハナの言葉に頷きデンライナーに乗ろうとすると。その横にゼロライナーが来た。電車の後ろから桜井とデネブが出て来て良太郎に声をかける。
「野上、先に行っている!」
「遅れるなよ!」
「二人共もう行くんだ」
「ああ、戦いは待っちゃくれないからな」
「まずは俺達が先に行っている」
 桜井もデネブも走る列車の後ろから良太郎に声をかけていた。
「早く来いよ!」
「待ってるぞ~~~~~」
 二人はこう言い残して姿を消した。後に残ったのは良太郎であった。しかしその彼も。
「皆、行こう」
「当たり前だろ!」
「良太郎がいないとはじまらないんだし」
「ほなはよ乗れ!」
「また戦いのはじまりだよ」
「参るとしよう」
 まずイマジン達がまた彼に声をかけた。
「うん、それじゃあ」
 良太郎がデンライナーに入ると。今度はハナとコハナが彼に声をかけるのだった。
「今度の敵だけれどね」
「知りたい?」
「うん」
 乗ってから二人に対して頷く。
「何なの?今度は」
「ファンガイアよ」
「ファンガイア」
「時空は移動しないみたいだけれどかなり凶暴なのよ」
「人に変身できるし人のエナジーを吸い取って消してしまうのよ」
「消してしまうって」
 それを聞いた良太郎の顔が一気に曇った。
「そんな、それじゃあ」
「だから一刻も早く倒さないといけないのよ」
「わかったわね」
「わかったよ。それじゃあ」
 ハナとコハナのその言葉に頷く。そして。
「行こう」
 あらためて一同に告げた。
「皆を守る為に」
「よし、そうこなくっちゃな!」
「良太郎君、また御願いね」
 モモタロスが声をあげたその時にナオミも姿を現わして良太郎に声をかけてきた。
「これからもね」
「はい、御願いします」
 ナオミのその言葉に頷きつついつもの車両の中に入るとそこにはもうオーナーがいて。
「それでは発進です」
「はい、御願いします」 
 微笑んでオーナーに対して答えた。デンライナーは再び動きだした。戦いがまたはじまろうとしていた。しかし良太郎と仲間たちの顔は華やかだった。あらたなる戦いを前にしても。


仮面ライダー電王 約束の場所   完



                         2008・5・27
 
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