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ドリトル先生の落語

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第四幕その七

「延々とね」
「騙して惨いやり方でやっていくからね」
「薪背負ってる時に後ろから火を点けて」
「あれは酷いね」
「その後で火傷の後に芥子とか混ぜたのを入れてね」
「さらに苦しめて」
「挙句はだよ」
 最後はというのだ。
「やっぱり騙してね」
「泥舟に乗せて溺れさせて」
「助けるふりをして楷で何度も叩いてね」
「溺れ殺すね」
「ここまでするのはおかしいね」
「世界の童話でもちょっとないよね」
「日本は残酷な話がかなり少ない国だけれど」
 それでもというのです。
「このお話はね」
「かなり残酷だよね」
「これは本当にね」
「兎が憎しみに心を支配されているからだね」
「復讐鬼になっているからだよ」
「つまり憎むと」
「最悪あの兎みたいになるよ」
 先生は苦いお顔でお話しました。
「だからね」
「憎むことはだね」
「とてもよくないことだよ」
「そうだね」
「けれど憎む方がね」
 例えかちかち山の兎の様になってもというのです。
「自分を哀れむよりはね」
「いいんだね」
「そうなったら」
 自分を哀れむ様になると、というのです。
「そこから先は地獄も地獄」
「最悪の地獄だね」
「無間地獄だってね」
「漫画であったんだ」
「そうだよ、だから自分をネタにしても」
 お笑いのです。
「そこは注意しないとね」
「自分を蔑まないことだね」
「これがお笑い、笑わせるならね」
「自分をネタにだね」
「して笑わせる」
「そういうことだね」
「自分をそうするので蔑んだり貶めない」
 時分自身をというのです。
「そしてそこからね」
「自分を哀れんだりしないことだね」
「本当に自分を哀れんだら終わりだから」
「復讐鬼になるより」
「またかちかち山の兎のお話をするけれど」
 先生歯こう前置きして言いました。
「あの兎はいい結末を迎えるかな」
「いい死に方をするか」
「どうかな」
「まずないね」
 王子は紅茶、ミルクティーを飲みつつ言いました。
「あんなことしたら」
「そうだね」
「因果って巡るからね」
「自分の行いはね」
「そうなるからね」
 だからだというのです。
「まずね」
「結末はいいものじゃないね」
「いい死に方しないよ」
「復讐鬼は憎しみに心を支配されていてね」
 そうなっていてというのです。
「それで最後はその憎しみに自分もね」
「飲み込まれて」
「心はどんどんおかしくなって」
「いい結末を迎えないんだね」
「そうなるよ」
「憎んでもそうなるから」
「本当に自分を哀れむことはね」
 これはというのです。 
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