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神々の塔

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第二十話 蛇の神々その十一

「中国のそれはな」
「道教やと言うてええな」
「三皇五帝から来ててな」 
 芥川にそこから話した、中国の古の帝王達であり彼等が中国という国の土台を築いたとされている。
「それでこの人達もな」
「神格化されていて」
「道教の中にあるしな」
「そうやな」
「道教が形成させたのは漢代より後やが」
 後漢末期に太平道や五斗米道が出来てそういったものが混ざっていきそこに神仙思想や陰陽五行思想が入って形成されていった宗教である。
「始皇帝の頃にもな」
「そうした考えがあったな」
「老荘思想なりがな」
「老子さんが道教の祖やな」
「そうやしな」
「始皇帝は神仙思想強かったしな」 
 その為不老不死を強く願ったのである。
「それでや」
「皇帝となったな」
「中華帝国の国家元首をそれにしたんや」
 皇帝にというのだ。
「三皇五帝からな」
「そやったな」
「そやから中華帝国の皇帝はな」
「道教の中にあるんやな」
「それで仏教を弾圧したりもしたんや」
 彼等の勢力を抑える為にだ。
「基本認めていてもな」
「やっぱり道教やな」
「中国の皇帝はな」
「清も基本そこにあったわ」
 施も言ってきた。
「皇帝はな」
「あの王朝もやな」
「まあ清は中華帝国であって」
 施は芥川にさらに話した。
「満州民族、モンゴル民族の主で」
「そっちはハーンになるか」
「それでもあってウイグルもチベットもな」
「治めてたな」
「そっちの主でもあったわ」
「中華帝国の皇帝だけやなかったな」
「そっちは道教やけどな」
「他の宗教もか」
「主になってると言えたか」 
 施は芥川に考える顔で話した。
「そうなるか」
「そやねんな」
「けれど漢民族の王朝やとな」
 ここでは鮮卑にルーツがあるという隋や唐も入れられる、これは彼等が徹底的に漢化してその文化の中に入ったからである。
「やっぱりな」
「道教やな」
「清も漢民族を治めるには」
「道教の概念の中にあったな」
「そやった」
 まさにというのだ。
「日本みたいに皇帝が出家するとかはな」
「梁の武帝は皇帝の座放り出してしようとしてたしな」
 これを何度も行ったのだ、仏教を深く信仰するあまり。
「それとはちゃうな」
「上皇となることも」
「中国ではあまりなかったな」
「基本崩御するまでな」
 息子に位を譲って金軍から逃げた宋の徽宗や祖父の康熙帝をおもんばかってそうした清の乾隆帝といった皇帝達がいてもだ。
「中国ではな」
「譲位も少ないな」
「そしてな」 
「そこから出家することもやな」
「ないわ」
 仏教の僧侶になることはというのだ。 
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