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そんな爺いるか

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第五章

「バイアグラでもな」
「わし等には意味ないのにな」
「バイアグラ以上の美人さんか」
「と言うかバイアグラ飲んでもな」
「どんな人見てもな」
「何も思わないのにな」 
 そうなったのにというのだ。
「いるか、そんな美人さんも」
「爺さんだけでなくな」
「全く歳を取ったらな」
「そうしたこともな」
「何もかもがな」 
 まさにというのだ。
「衰えるな」
「これからどれだけ生きられるかわからないが」
「衰えるだけだ」
「本当にな」
「もうそれだけで」
「元気になるか」
「そんな筈がない」
「そうだよ」
「爺さんになるとな」
 こうした話をしてだった。
 小羽は家に帰った、すると妻から言われた。
「今度伸吾が付き合ってる人連れて来るそうよ」
「そうなのか」
「あの子がね」
 末の孫がというのだ。
「そうらしいわ」
「そうなのか」
「それがもう女優さん顔負けの」
 妻はこうも言った。
「びっくりする位のね」
「美人さんか」
「そうなのよ、だから幸子もね」
 二人の娘で末の孫の母親である。
「紹介されて幹夫さんと一緒に驚いたのよ」
「美人さん過ぎてか」
「そうなの、だから私達もね」
 その娘の夫の名前も出して話した。
「心構えしてね」
「紹介されてか」
「会いましょう」
「それじゃあな」
「孫の奥さんつまり私達の義理の孫になるから」
 だからだとだ。ここで妻は言った。
「あなたはそんな人じゃないけれど」
「何だ?」
「スケベ心は起こさないでよ、幹夫さんもそんな人じゃないし」
「ははは、それはないからな」
 小羽は妻の釘を刺す様な言葉に笑って応えた、そして実際にだった。 
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