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日本カレーとインドカリー 

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第二章

「そうしたらわかるからな」
「そうなのね、それじゃあね」
「ちょっと行って来るわね」 
 二人も頷いてだった。
 実際にその店に行って食べてみた、実は二人はまだ行っていなかったのだ。
 店の中は繁盛していてやっぱり競争相手じゃないかと思った、そのうえでこの店のカレーを食べたのだが。
 その後で家でだ、姉妹は父に言った。傍には二人そっくりの母もいる。
「味違うわね」
「私達のお店とはね」
「私達のカレーは日本のカレーライスだけれど」
「あちらはカリーね」
「同じと言えば同じだけれど」
「全く違うわね」
「そうだ、あそこも美味いがな」 
 それでもとだ、父は娘達に話した。
「同じ料理かっていうとな」
「違ったわね」
「確かにね」
「そうだ、あっちはインド料理でな」
 それでというのだ。
「カリーなんだよ」
「カレーじゃなくてね」
「そうだったわね」
「日本のカレーとインドのカリーは違うんだ」 
 父は強い声で言い切った。
「同じ麺類でもうどんと蕎麦は違うな」
「またね」
「同じ日本の麺類でもね」
「そういうことだ、どっちがうどんで蕎麦かは置いておいてな」
 それはいいというのだ。
「全く違うからな」
「競争相手じゃない」
「別のお店ってことね」
「そもそもあっちはビーフカレーないだろ」
 この店の標準的なカレーである。
「基本鶏肉か野菜だろ」
「あっ、インドはそうよね」
「宗教的な理由でね」
 姉妹もこのことは知っていた。
「牛肉アウトなのよね」
「菜食主義が多いのね」
「だからだ、あっちはあっていでな」
「うちはうちね」
「違うお料理ってことね」
「そうだ、だが営業努力はいいからな」 
 このこと自体はというのだ。
「これからもやっていくぞ」
「味もサービスもよくしていく」
「宣伝も企画もよね」
「そうしたことは怠るとすぐに駄目になるからな」
 こう言ってだった。
 父は二人に営業時間になると店に行かせ自分と妻もそうした、姉妹はそれからも努力して自分達の店を繁盛させていった。


日本カレーとインドカリー   完


                    2023・4・21 
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