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学校の成績は悪くても

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第二章

「学校の勉強は覚えたらいいだろ」
「そうですね」
「それは」
 土江も石坂もそれはと頷いた。
「言われてみれば」
「そうしたものね」
「だから頭使うのとはな」
「また違うんですね」
「仕事のそれは」
「そうだよ、だからな」
 それでというのだ。
「石坂は頭がいいってことだ」
「勉強は駄目でもですか」
「そうだよ、逆に勉強が出来ても馬鹿っているだろ」
 稗田はジョッキのビールを飲みつつ言った。
「政治家で東北法学部出て弁護士になった」
「ああ、あの野党の代表の」
「あの太った鳥みたいな顔のですか」
「あいつ頭いいか?」
 土江と石坂に話した。
「そう思うか?」
「いや、全然」
「とても思えないです」
 二人で稗田の言葉に答えた。
「あいつのいる政党いい大学出てる議員多いですが」
「誰も」
「幹事長なんて東大出て官僚ですが」
「早稲田とか青学出た連中も」
「勉強が出来るのと頭いいのは違っていてな」
 そしてというのだ。
「頭使って仕事が出来るのもだよ」
「また違うんですね」
「そういうことですね」
「そうだよ、それで石坂は頭がいいからな」
 彼はというのだ。
「頭使った仕事も出来るんだよ」
「そうですか」
「そういうことですか」
「そうだよ、学校の勉強なんてそんなものだよ」 
 稗田は二人に笑って話した、そしてだった。
 石坂の学生時代のボクシングでのファイトやトレーニングを話した。するとそれは確かに彼の頭のよさがわかるものだった。それで土江も言うのだった。
「もうそこに出ていたんですね」
「頭のよさがな」 
 稗田はビールを飲みつつ話した。
「そうだよ」
「そういうことですか」
「ああ、本当にな」
 こう話してそしてだった。
 三人で今度は日本のボクシングの話をしていった、それもまた弾み三人共楽しい時間を過ごしたのだった。


学校の成績は悪くても   完


                 2023・3・20 
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