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仮面ライダーBLACK RX〜ネオゴルゴムの陰謀〜

作者:紡ぐ風
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第九話『純白のスポットライト』

 ネオゴルゴム神殿、その広間には立腹である三神官がメンバー達を呼び出していた。
 「お前達よ、何故我らの悲願たる人類絶滅が達成できない。原因は何にある?」
 ソフィルは苛立ちを隠すことなくメンバー達を睨みつける。
 「やはり、仮面ライダーBLACK RXの存在が大きな壁となり立ち防いでいると思えます。」
 「過去のデータにおいても、人類の叡智を遥かに超える科学技術を持つクライシス帝国の能力を意に介さず壊滅させた経歴を持ち、その実力は明白。やはり、ただ怪人を戦わせるのでは限界があるかと思います。」
 メンバー達は怪人とRXの戦力差を問題視する。
 「それは我らも承知している。故に南光太郎に気づかれることなく作戦を実行しようとはしているが奴もまた、旧ゴルゴムの策略を経験しているからか、すぐに我らの気配気づかれてしまうのだ。」
 ソフィルは作戦実行時の事情を話す。
 「それよりも、怪人に強化を施す人達に問題があるのでは?その怪人の武器となるものをより強力なものへ改造すれば、RXを放置して作戦が実行できるのでは?」
 麻木は柿坂達を見ながら言う。
 「そういうわけにもいかないのだ。今のレベルより強化してしまえば、今以上に南光太郎に発見されてしまい、作戦の進行が不可能になり得る。」
 そんな麻木に対してエピメルは強化しすぎることへの問題点を提示し、場に沈黙が続く。すると、
 「困っているみたいですね。」
 コートを羽織った20代半ばの男性が現れる。
 「久しいですね。東アジア支部の様子はどうですか?」
 リシュナルは男性に質問する。
 「こちらも、仮面ライダー達の妨害を受け作戦が進んでません。」
 男性も作戦が難航していることを話す。
 「ではなぜここへ?」
 「ちょうどライブツアーで来日することが決まっていました。なので、様子を見に来ました。」
 エピメルの質問に男性は答え、キツネ怪人へ姿を変える。
 「面白いショーを考えた。カキサカ、薬を作れるなら、毒を作ることもできる?」
 「はい、もちろん。」
 「力を借りたい。一緒に来てくれ。」
 「是非とも、協力させてください。」
 キツネ怪人は柿坂を連れて広間から去っていった。

 ある日のニュース番組のCMでそれは流れた。
 『あのスターが二年ぶりの来日。サンダン日本全国ライブツアー、開催決定!詳しくは─』
 「ライブツアーねぇ…」
 CMを見た霞のジョーは興味なさそうに言う。
 「この人、うちのクラブではファンの子達はそれなりにいるわよ。」
 そんな霞のジョーに響子は話題に上がる人物であると話す。
 「そうは言っても、あんまり歌に興味がないしなぁ。」
 「実はね、クラブの子からチケットを貰っちゃったのよ。」
 響子は鞄からライブツアーのチケットを三枚出す。
 「そんなに貰ってどうするんだよ。」
 「だから、光太郎さんと三人で行こうかと思って誘ったのよ。」
 響子と霞のジョーの会話を光太郎はカップを拭きながら聞いていた。
 「そうなると、その日は玲ちゃんと杏子ちゃんに店を頼まないといけないけど、二人は大丈夫?」
 光太郎は仕込みをしている二人に質問する。
 「私達は大丈夫。」
 「たまにはゆっくり休むのもいいんじゃない?」
 杏子と玲子からそれぞれ了承される。
 「じゃあ、行ってみようかな。」
 「わかったわ。それじゃ、あとはネオゴルゴムが出ないことを祈りましょう。」
 光太郎達はしばらく談笑し、その日は解散した。

 それから数日後、ライブ会場は十代半ばの女子を中心に賑わっていた。
 「こういう所に来るのは初めてだから、全然勝手がわからないや。」
 霞のジョーは辺りを見渡している。
 「ほらこっちよ。」
 響子の案内で光太郎達は受付を済ませる。
 (奴ら、南光太郎とその一味ね。これは知らせないと。)
 受付の一人は変身したリシュナルであり、他のスタッフを呼ぶと持ち場から離れ、控室へ向かった。
 「どうしたリシュナル、そんなに慌てて。」
 控室の準備をしていた若い男性から受付は声をかけられる。
 「誰に何を聞かれるかわからないわ。ここでは私のことは高木と呼ぶように言ったはずよ。私もエピメルのことは橋下、ソフィルのことは伊藤と呼ぶと言っていたでしょう。」
 「はいはい、回りくどいんだよ高木。第一、サンダンもなんでわざわざ効果用のファンにエキノコックスを引き起こす卵を設置するなんてことをさせたんだ。これだけ集まったんだから、ドームごと爆発させて皆殺しにした方が楽だろ。」
 エピメルの変身した姿である男性、橋下はリシュナルの変身した女性、高木に文句を言う。
 「何もわかっていないわね。ウイルスに感染させれば、その家族にもウイルスを撒くことができるわ。そうすれば、私達が手をくださなくてもこの日本に大打撃を与えることができるわ。」
 高木はキツネ怪人の狙いを話す。
 「そんなにうまく行くのか?第一、そもそも慌てていた理由はなんだよ」
 「それよ。南光太郎達がこのコンサートの観客として入ってきたわ。」
 高木は橋下の質問に答える。
 「どうするんだよ。まさか、すでに作戦がバレていたとかないよな?」
 「入場する様子を見る限りでは、何も知らなそうだったわ。」
 エピメルとリシュナルは困惑している。すると、
 「良い機会ではないか。奴らにも感染させればいい。それに、ここでは奴も迂闊な行動はできまい。」
 そこにK-POPスターのサンダンとマネージャーである伊藤に変身したソフィルが現れる。
 「ソフィル様、コウタロウと話がしたいです。呼んでみてもいいですか?」
 サンダンの言葉に伊藤達は驚く。
 「サンダン、本気で言っているのか?」
 「はい。もちろん、奴をここに縛りつければ、作戦は成功するはずです。」
 驚くエピメル達にサンダンは本気であることを伝える。
 「いいでしょう。ここは上手くやらせてもらうわ。」
 高木はすぐに行動に移した。

 「開演前から賑わっているなぁ。」
 光太郎は辺りを見渡しながら呟く。
 「そうね、こういうライブは私も初めてだから新鮮な感じね。」
 響子が光太郎に話していると開演の時間になりサンダンが現れる。
 「皆さん、今日はありがとう。ぼくは、君達ファンというスポットライトがあるから、輝けるんだ。今日もぼくを輝かせて!」
 こうしてサンダンのライブが始まり、明るい曲調の曲をサンダンは歌う。光太郎たちはその歌声に耳を傾けているが、会場はすでに熱狂的なファンによる盛り上がりを見せている。するとそこに高木が現れる。
 「お客様、申し訳ありません。定期的に行われるランダムの荷物検査の対象に選ばれましたのでこちらへ来ていただけますか?」
 高木の言葉に光太郎は驚く。
 「俺ですか?」
 「はい。以前にも危険物を持ち込んだ方がいまして、こういった警備を厳しくしているんです。」
 「それなら協力させてください。」
 高木の話を聞き、光太郎は席を立つ。
 「それでは、こちらへ。」
 高木の案内を受け、光太郎は席から離れ関係者以外立入禁止エリアへ入っていく。
 「それにしても、観客がここに入っても大丈夫なんですか?」
 光太郎が質問をすると、高木は振り返り光太郎に頭を下げる。
 「申し訳ございません。実はサンダンさんがお客様のファンでして、是非ともお話をしたいと言っておりまして、お呼びした次第です。」
 「そんな、俺はただの喫茶店のマスターですよ。」
 高木の言葉に光太郎は言葉を濁すが、
 「いえ、あなたが今話題の仮面ライダーBLACK RXであることはサンダンさんもご存知です。」
 高木は光太郎を呼んだ理由を話す。
 「なぜ俺が仮面ライダーBLACK RXだと知っている⁉」
 光太郎は高木の話を聞いて警戒する。
 「あなたはもう少し御自身の活躍を振り返ってみては如何でしょうか?」
 高木の言葉に光太郎が戸惑っていると、サンダンがやって来る。
 「会いたかった、コウタロウ。こっちへ来てください。」
 サンダンに案内され、光太郎は控室へ入る。
 「やあ、お話できて、光栄です。」
 「そんな、話せることなんて殆どないですよ。」
 「いえいえ、あなたとはこうして話がしたかったんです。」
 「それで、どんな話を?」
 「そうですね。今日は観客の皆さんは美しい。まさに大輪の花畑です。」
 「そんな、お世辞が上手ですね。」
 「ははは、そうですね。でも、そんな花畑が汚されるさまはもっと美しいです。」
 サンダンは不気味な笑みを浮かべる。
 「何が目的だ⁉」
 サンダンの言葉に光太郎は警戒する。
 「この会場には、感染力の高い寄生虫の卵を爆弾にして複数設置しています。」
 「なんだと!」
 「あなたが事を荒立てなければ、爆弾は起動させません。意味、解りますよね。」
 サンダンの言葉を聞き、光太郎は拳を握る。
 「ネオゴルゴムにとって、人類も、人類に味方するあなたも邪魔なんです。」
 「…響子ちゃん、爆弾の方は任せた。」
 光太郎の言葉に、サンダンは首を傾げる。
 「お前達の誘い方が不自然だったから、ここの会話が通じるようにしておいた。お前達の作戦もここまでだ!」
 光太郎は立ち上がる。
 「今更手遅れです。」
 サンダンは爆弾を起動させるが、なんの反応もない。
 「水で押し流しているんだ。爆弾の起動はできなくなっている。」
 サンダンの作戦は光太郎の起点によって阻止される。
 「おのれ、ここへおびき寄せればどうにかなると思っていたのに!」
 そこに高木、橋下、伊藤が現れる。
 「なるほど、これはネオゴルゴムの悪魔のライブだったのか!」
 光太郎が見抜くと、高木達は三神官としての姿を見せる。
 「ゆけ、コウモリ怪人!観客達を襲うのだ!」
 ソフィルの命を受け、スタッフ達はコウモリ怪人の姿に戻りステージへ向かって行く。
 「行くぞ!変…身!」
 光太郎の変身の掛け声とともに体組織を変化させる変身ベルト、サンライザーが出現し、キングストーンと太陽、2つのハイブリットエネルギーが全身を駆け巡り、南光太郎は、仮面ライダーBLACK RXへと変身するのだ。
 「俺は太陽の子!仮面ライダーBLACK!RX!」
 「姿を見せましたね、仮面ライダー!」
 サンダンはキツネ怪人の姿に戻りライフル銃、ヨウチュンを構える。
 「キツネ怪人、独断専行はするなよ。」
 RX達も控室を出てステージへと登ってゆく。
 「助けて!」
 ステージから客席へ向かってくるコウモリ怪人に客達は怯えていた。
 「皆さん、逃げてください!水よ!」
 響子は客達を逃し、超能力で生成した水圧弾を放ち、コウモリ怪人を撃ち落としてゆく。
 「ほらほら!」
 キツネ怪人はヨウチュンから光弾を放ち、RXを攻撃するが、RXは華麗に避ける。
 「これでどうだ!」
 リシュナルから風の弾丸が放たれ、RXは手刀でそれを砕く。
 「リボルケイン!」
 RXはリボルケインを取り出し、銃弾を弾きながらキツネ怪人との間合いを詰め、
 「トドメだ!」
 ヨウチュンを弾き落として必殺のリボルクラッシュを放ち、キツネ怪人を貫く。
 「ぐあぁぁぁっ!」
 リボルクラッシュによる致命傷を受け、キツネ怪人は爆散し、蒸発する。
 「リシュナル、エピメル、ここは退くぞ。」
 ソフィルの言葉を受け、三神官は撤退する。
 「光太郎さん、コウモリ怪人達は私達が倒しておいたわ。」
 光太郎が変身を解除すると、響子達が近づいてくる。
 「いやぁ、まさかせっかくの休みがネオゴルゴムとの戦いになっちゃったなぁ。」
 光太郎は明るく振る舞う。しかし、仮面ライダーに休息などないことを改めて痛感するのであった。
 続く

 次回予告
 フンコロガシ怪人の放つ若返り光線。歓喜するもの、嘆くもの、様々な思いが交差する。そして、光太郎さえも標的になる。『若返った光太郎』ぶっちぎるぜ! 
 

 
後書き
 怪人図鑑
 キツネ怪人
 身長:182cm
 体重:75kg
 能力:魔銃ヨウチュン、接触感染
 K-POPスターのサンダンが改造を受けて再誕した狐の性質を持つネオゴルゴム怪人。ゴルゴムの系譜を受け継ぐ怪人の中では珍しく肉体以外の武装を所持し、魔銃による遠距離戦を得意とする。また、皮膚にはエキノコックス症を引き起こす寄生虫がいるため、敢えて能力を言うことで敵からの近接戦闘を躊躇させることができる。 
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