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おっちょこちょいのかよちゃん

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265 鉄と羽衣の攻防

 
前書き
《前回》
 赤軍の日高が出したワラジムシによって絶望に陥ったさりや長山達。だがその時、テレーズの宝剣から祖母・テレジアの声が聞こえ、テレーズはその剣を護符に力を与えて撃退する。赤軍やトロツキーは形勢逆転によって逃げてしまったが、さりの護符は七色に光り、七大天使を召喚できるように強化された。そしてスターリンと交戦しているありは、カムイでスターリンを責めるが、スターリンは無神論者ゆえに神の攻撃が通用しない!!エカチェリーナという女まで現れて窮地か!? 

 
 かよ子はブー太郎が何故か気になっていた。
(ブー太郎ってもしかして・・・、のり子ちゃんの事が好きなんじゃないのかな・・・?)
 かよ子はブー太郎がのり子がやや気になっているのではないかと懷った。よく見るとブー太郎はのり子の方を彼女に気付かれぬように見ては顔を少し赤らめている。
「ぶ、ブー太郎・・・」
「え、な、なんだブー?」
 ブー太郎は慌てた。
「ブー太郎ってその・・・?」
 のり子が好きかとストレートに聞くのは流石にブー太郎も慌てて全力否定してしまうだろう。そんなおっちょこちょいしてはならぬと思い、遠回しな質問をする事にした。
「のり子ちゃんの事、どう思ってる・・・?」
「あいつの事かブー?」
 ブー太郎は少し黙ってしまった。だが少しして口を開く。
「その、さくらの事ばかり気にして可愛げがないブー!」
 のり子もムッとしてしまった。
「ふん、ももこちゃんは本当は私だけのものだもん!他の友達がいるなんて嫌だよ!」
「な、なんだよ、じゃあ、一人でどっかいけばいいブー!」
「おいおい、やめろよ!喧嘩は」
 大野が二人を諌めた。
「う・・・」
 こう喧嘩してもブー太郎はのり子が嫌いになりきれないような感がしたのであった。

 スターリンと交戦するあり達の所に一人の女性が現れた。
「貴方!」
「愛しきエカチェリーナよ!来てくれたか!」
 スターリンはエカチェリーナと呼ばれた女と抱き合った。
「な、愛しきエカチェリーナ・・・だと!?」
 悠一は気味悪く思う。
「私の旦那をこんな目に・・・。許さないわよ!」
 エカチェリーナの目が黒く光る。
「まずいぞ!殺める気だ!」
(う・・・!!)
 ありは何もできない。スターリンは無神主義者であるが故に神を利用した攻撃が通用しないからである。
「させないわ!」
 奏子が羽衣を投げた。エカチェリーナが羽衣に巻き付かれる。
「な、何よ、これ・・・!?」
 エカチェリーナは念力を利用して羽衣を外そうとした。しかし、どうしても外れない。
「よし、このまま・・・」
 立家と鎌山の攻撃がエカチェリーナとスターリンを襲う。
「このまま倒されてなるものか・・・!!」
 スターリンは鉄の壁を幾つも出した。全ての攻撃を防御した。
(このままだと逃げられる・・・!!)
 奏子は羽衣を自分の意志で戻そうとした。そして今度はスターリンとエカチェリーナを纏めて巻き付けようとした。
「な、この布、外れたと思ったら・・・」
「一緒に巻き付けられた・・・?」
「これで二人は動けない筈だわ!!」
「よし、留めだ!」
 だが、ビリって音が聞こえた。
「な、なんだ!?」
(もしかして・・・!?)
 奏子は嫌な予感がした。
「あの鉄の壁を全部どける!」
 濃藤は剣を向けて鉄の壁を念力でどかした。しかし、その場にスターリンもエカチェリーナもいなかった。そこに破れた羽衣と一丁の短刀があった。
「この短刀を使って羽衣を無理矢理破って逃げたのか・・・」
 奏子は羽衣を見て絶句した。
(エレーヌさんから貰った羽衣がこんな・・・)
 奏子は自分の得物として使い続けてきたこの羽衣がこんな事されるとは思いもしなかった。その時、羽衣が光り出した。
「・・・え?」
 羽衣が治ったのだった。
「羽衣が治った・・・」
「徳林さん、よかったじゃねえか。先行こうぜ」
「うん」
 奏子は皆を乗せて杯の所有者の捜索へ進んだ。

 藤木とりえは遊女達と庭で綱引きして遊んでいた。
「ああっ!」
 藤木やりえと対抗していた遊女達が尻餅をついた。
「負けちゃいました・・・。茂様は力がお強いですね〜」
「いやあ、そんな事ないよ・・・」
「・・・う、ごほっ、ごほっ・・・」
 りえが咳き込んでいた。
「りえちゃん、大丈夫かい?」
「え?あ、うん・・・」
「ちょっと休憩にしようよ。りえちゃんが辛そうなんだ」
「はい、それでは」
 皆は屋敷の中に入った。りえは部屋に戻り寝台に寝かされる事になった。
「りえちゃん、ゆっくり休んでてね」
「うん、ありがとう」
 藤木は一人にしてあげたほうがいいかと思って部屋を出ようと思った。
「あ、その・・・」
「え?」
「この世界には雪が積もっている山があるんだ。そこには氷が張ってる所もあってスケートができるんだ!今度そこに行って僕のスケートのジャンプやスピンを見せてあげるよ!」
「うん、楽しみねっ!」
 藤木はりえが喜んでいる様子を見て今すぐにでも見せたい気分だった。藤木は部屋を出た。その時、妲己がその場にいた。
「坊や、どうやら新婚生活ほやほやなそうだね」
「は、はい!それで・・・」
「ん?」
「ま、またあの雪山でスケートしに行きたいんです。りえちゃんにも僕のスケート姿を見せたいなって思って・・・」
「そうか、いいとも。明日行ってみようではないか。ここの娘達も坊やのその滑る姿に虜になっていたようだからな。きっと安藤りえ嬢も見惚れるかもしれないわね」
「はい!」
 藤木は明日を楽しみにするのであった。

 フローレンスは捕虜とした西川と佐々木を連れて平和を正義とする世界と戦争を正義とする世界の中央部の境界へと向かう。
(こちらも一度敵を欺いています身ですからあっさり要求を呑みますとは思っていませんが・・・。向こうも私達の要求に応じますフリをしますに違いありません・・・)

 戦争を正義とする世界の長・レーニンは次の作戦への遂行を進める。
(杖の所有者・山田かよ子よ・・・。貴様は今の杉山さとしに会ったらなんて思うか・・・?) 
 

 
後書き
次回は・・・
「戻って来たのは」
 昼になり、かよ子は気を抜かそうとしていない中、大野が見聞の能力(ちから)である気配を察知した。それは自分達の味方する者の気配とされるのだが、その場に現れたのは敵に寝返ったはずの杉山だった。あっさり戻って来た杉山に対してかよ子達は彼が本物の杉山なのか信じられず・・・!? 
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