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テントにはコツがある

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第二章

 その部長がだ、組み立て中のテントを見て言った。
「僕が組み立てるよ、手伝ってくれるかな」
「えっ、部長がですか」
「そうしてくれるんですか」
「子供の頃ボーイスカウトしていてね」
 それでとだ、部長は二人に笑顔で答えた。
「大学も登山部でね」
「経験あるんですか」
「テントを組み立てる」
「うん、子供達とキャンプに行ってもいつもね」
 その時もというのだ。
「していたし」
「だからですか」
「出来るんですか」
「これはコツがあるんだよ」
 テントを組み立てるにはというのだ。
「マニュアル読んでもね」
「それ以上にですか」
「知識ですか」
「うん、見ていてね」
 こう言ってだった。
 部長は快彦達に手伝わせてだった。
 テントを組み立てた、するとテントは瞬く間に組み立てられていき。
 完成した、快彦も先輩もこれには驚いた。
「本当に、ですね」
「ああ、あっという間だったな」
「何をどうしていいかわからなかったのに」
「それが部長が来られたらな」
「だからね、知識よりも」
 それ以上にというのだ。
「コツだから、コツがわかれば」
「それで、ですか」
「組み立てられるものなんですね」
「そうなんだ、これからもテントを組み立てる時はね」
 部長は二人に笑顔で話した。
「僕に話してね、そして君達もね」
「コツですね」
「それを覚えることですね」
「そうしてね」
 こうした話もしてだった。
 部長は二人にそのコツも教えた、すると二人は次からは組み立てられる様になった。そしてコツの大事さもわかったのだった。


テントにはコツがある   完


                  2023・1・16 
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