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黒人リーグ

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第二章

「白人なのに黒人リーグ観に来るなんてな」
「そうだよな」
「白人には大リーグがあるだろ」
「あっちの方が有名だしな」
「普通そっちに行くだろ」
「ベーブ=ルースも好きだよ」
 マッケンローはヤンキースで活躍している彼の名前も出した。
「実は子供の頃握手してもらったよ」
「へえ、そうだったんだな」
「それは何よりだな」
「あの人子供には優しいらしいな」
「結構やんちゃでもな」
「ああ、それで大リーグもチェックしているけれどな」
 それでもと言うのだった。
「黒人リーグも面白いからな」
「だからか」
「それでここに来てか」
「試合観るんだな」
「いつもそうしてるんだな」
「黒人リーグにはベーブ=ルースに負けないバッターがいてな」 
 そうしてというのだ。
「サチェル=ペイジみたいなピッチャーもいるだろ」
「ああ、あのピッチャーか」
「ペイジは確かに凄いな」
「球速も凄くてな」
「スタミナも抜群でな」
「そんな凄い選手がゴロゴロいて凄いプレイをするんだ」
 だからだというのだ。
「観ずにいられるか」
「それでか」
「今日も観るか」
「そうするんだな」
「そうして楽しむな」
 笑顔で言ってだった。
 マッケンローは黒人達と一緒に試合を観て楽しんだ、そして試合が終わったからこんなことを言った。
「また明日もな」
「ここに来てか」
「そして観るんだな」
「そうするんだな」
「そうするよ」
 こう言って実際に次の日も球場に来た、シーズンの間彼は黒人リーグの試合を楽しんだ。それは戦争の時も同じで。
 海軍の艦に乗っている時もだ、ラジオで試合をチェックしていた。
「今日もいい試合があったんだな」
「また黒人リーグか?」
「そっちの試合チェックしてるのか?」
 同僚達が居住区でラジオを手にしている彼に聞いてきた。
「大リーグよりもそっちか」
「そんなにいいか?」
「いいんだよ、これが」 
 軍隊の同僚達にも答えた。
「本当にな、だからな」
「毎日試合チェックしてか」
「誰が活躍したかも把握してるんだな」
「そうなんだな」
「そうだよ、それで戦争が終わったらな」
 マッケンローはその時のことも話した。
「またな」
「球場行ってか」
「そうして観戦するか」
「それで楽しむんだな」
「そうするよ」
 ここでも笑顔で言った。
「俺はな」
「白人なのに黒人リーグが好きか」
「変わってるな」
「けれどお前が楽しんでるならな」
「それでいいけれどな」
「ああ、これからも楽しんでいくな」
 マッケンローはこう考えていた、それで海軍の護衛空母での軍務に就いていた、彼の乗っているその艦は太平洋にあったが。
 毎日試合をチェックしていてハワイにいても南洋にいてもだった、幸い彼の乗っている艦は激しい戦闘には参加せず。 
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