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マンゴーの恵み

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第二章

「そうだな」
「はい、ではですね」
「その実を食してみますね」
「そうしますね」
「そうするとしよう」
 こう答えてだった。
 王は一旦岸辺に上がってマンゴーの皮を剥いた、短刀を持って来させてそれを使ってそうしてだった。 
 果肉を見たがそれもだった。
「いい色だな」
「そして香りもいいです」
「やはり美味そうです」
「それもかなり」
「だからな」 
 それでと言うのだった。
「今から食べる」
「そうされますか」
「それではお召し上がり下さい」
「そうされて下さい」
「ではな」
 あまりにも美味そうなので毒見役の存在も忘れてだった。
 王は果肉も切ってそれを口の中に入れたが。
 一口食べてだ、周りに目を瞠って言った。
「恐ろしいまでに美味い」
「そうなのですか」
「実に美味そうだと思いましたが」
「実際にですか」
「美味ですか」
「これだけ甘いものは他にない」
 まずは甘さから話した。
「どんな果物や菓子よりもだ」
「甘いのですか」
「左様ですか」
「そして美味さが口の中全てに広がる」
「ただ甘いだけでなく」
「そうなのですか」
「そうした果物ですか」
「うむ、形もよいしな」
 マンゴーの形についても言及した。
「こんな素晴らしいものははじめてだ」
「そうなのですか」
「そこまで美味なのですね」
「そうなのですね」
「うむ、この果物は流れてきた」 
 食べつつ川の上流を見つつ話した。
「ではだ」
「上流の方にですね」
「この実が実る木がある」
「そうなのですね」
「その筈だ、すぐにそちらに行ってだ」
 そのうえでというのだ。
「この実を多く手に入れよう」
「わかりました」
「ではそうしましょう」
「船を多く出してです」
「手に入れましょう」
「その時はそなた達も食するのだ」
 王は一個奇麗に食べ終えてから言った、気付けばそうしていた。そして服を着てそのうえでだった。 
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