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レーヴァティン

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第二百六十八話 神託が教えたことその二

「全く」
「そうだったか」
「ですから」
 その為にというのだ。
「今まさにです」
「御所に参内してだな」
「神託を伺いましょう」
「ではな」
「空船ならすぐです」
 良太はこうも言った。
「それこそです」
「そうだな、ではな」
「こうしてお話をしている間にも」
「もう城は遠くだ」
 大坂城はというのだ、眼下には雲がありその間に街や村そして水田に山や川が見える。そこにいる生は見えないが存在しているのは明らかだ。
「そしてだな」
「刻一刻とです」
「都に近付いてきている」
「そうですね、では」
「すぐにな」
「都に着く」
「その心構えはしておこう」
 空船の上で話した、そして実際にだった。
 一行は都にこれまでと比べて驚く位に速く着いた、そのうえで。
 都に入り御所に参内すると早速公卿達が出迎えた、その先頭にいる太政大臣が英雄に対して言ってきた。
「遂にですね」
「時が来たな」
「左様ですね」
「だからな」
「案内致します」
 大臣は英雄に畏まった態度で応えた。
「ご神託を伺うです」
「清涼殿にだな」
「その奥の座に」
「俺達の起きた世界では歴代の帝が座しておられる場所だ」
 その奥の座についてだ、英雄は述べた。
「そこに参内するか、今から」
「緊張しておられますか」
「起きた世界でもこの世界でもな」
 表情は変わらない、声もだ。
 だがそれでもとだ、英雄は大臣に述べた。
「これ程緊張したことはない」
「そうですか、しかしです」
「そうだったな、神託を伺う前にはな」
「お身体を清めて下さい」
 大臣は畏まって述べた。
「沐浴の準備はしていますので」
「それがあったな」
「そしてです」 
 大臣はさらに述べた。
「ご礼装もです」
「用意してくれたか」
「幕府の棟梁そして柱である方々の」
「全員のか」
「そちらもです」
「何かと悪いな」
「当然のこと」
 それhというのだ。
「我等は神々にお仕えしているので」
「神事、祭事はか」
「全てです」
 この御所におけるそれのことはというのだ。
「我等はその為にいるので」
「だからか」
「お任せ下さい、では」
「これよりだな」
「沐浴を」
「そうさせてもらう」
 英雄は大臣の言葉に頷いた、そのすぐ後で仲間達と共にだった。
 沐浴で身体を清めた、そして。
 用意された礼装に着替えた、それから神託を伺う清涼殿の奥の間に仲間達と共に入り公卿達の儀式を見守り。
 いよいよ神託を伺った、すると。 
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