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【ネタ】アホの子ルイズちゃん

作者:花極四季
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第五話

 
前書き
話の長さはものっそまばらです。特に意識していないので、長いときは長いし、短いときは短い。
あまりにサクサク過ぎるのもどうなんだろう、と思いつつも原作の流れをうだうだなぞるのもどうなんだろう。 

 
こんにちは、私ルイズ。ただいま絶賛睡眠欲と格闘中。
サイトの予想通り、朝早くにオールド・オスマンの下に呼び出された私達。
呼び出して何かと思えば、私達を差し置いて先生達が職務怠慢の原因を押しつけあっている。
こんな寸劇より、一秒でも多く惰眠を貪りたいです。
なんてことを考えながら船を漕いでいる内に、フーケ討伐の人員として駆り出されていました。
どうやらサイトの進言をキュルケの意思として代弁したらしい。余計なことをしないで欲しい。
恩賞とかどうでもいいから、とっとと帰りたい。
だけどそこは空気の読める私。足並みを崩すような真似はしない。
私の安眠の為、フーケにはお縄についてもらわないと。
さて、今日も一日頑張ろう。



がたんごとん、と揺れる馬車の振動が心地良い。

「寝るな!」

スパン、とキュルケに頭をはたかれる。

「本当に緊張感ないわね、アンタ」

「そんなこと言われても、頼んでも望んでもいないのにこんな状況に派遣された私の身を少しはいたわってもおつりが来ると思う。と言うわけで寝させろ」

「いや、そこは我先にと志願するところじゃないの?先生が誰も杖を掲げないなら、私が行きます!みたいな」

そんなの私のキャラじゃないよ。
正義感なんかとは無縁の生き様を貫いている自分としては、何そのイケメンと思わなくもない。

「それにしても、本当に不甲斐ないよな。教師以前に大人として、生徒が果敢に賊を倒さんと意気込んでいるのに、結局ロングビルさん以外志願しなかったんだから」

「私の場合、案内役という体もありますし。それに、今やフーケは貴族にとって恐怖の象徴。尻込みするのも無理ありません」

「その癖責任の押し付け合いだけは一丁前。罪を真っ先に認めたオールド・オスマンと真面目に宿直を務めていたコルベール先生ぐらいしかまともな人がいないって、実際どうなんだよ」

「トリステインの品性と常識を疑うわね。身内贔屓と思われそうだけど、ただ魔法が使えるという理由だけで存在価値を決定するような国だから、偉ぶるだけの内弁慶が増えるばかりなんじゃなくて?」

「そうだな。平民の俺が言うのもアレだが、魔法を使える者を貴族と呼ぶんじゃなく、敵に後ろを見せない者こそ、在るべき貴族の姿なんじゃないかと思う」

なんか真面目な話をしているからつまらない。
タバサは本を読んで大人しくしている。
タバサの隣に移動し、中身を覗いてみる。
すると、どこからか紙とペンを取り出し、本を下敷きに文字を書き始める。

『ロングビルに注意を向けていて欲しい』

ただそれだけを書いた紙は、私が目を通し終えた瞬間に風魔法でバラバラになる。
タバサと目が合う。
よくわからないけど、指示通りロングビルさんに意識を向けることにする。
いつの間にかサイトとキュルケの会話にロングビルさんも入っている。
タバサが何を考えているかはわからないけど、無駄なことは口にしない性格なのは知っている。きっと何か意味があるんだろう。
そんなこんなで土くれのフーケが目撃されたと言われていた小屋のある、とても開けた場所に到着する。

「フーケがあの小屋の中にいるかもしれない。だけど全員で行くのはマズイから、囮を一人あそこへ向かわせ、後はフーケが出てきたときの牽制役として後衛を勤めるのがいいと思うんだけど」

サイトがそんな提案をしてくる。

「じゃあ、私が前衛ね」

「ルイズ、お前はじゃあの意味を辞書で引き直して来ることから始めよう、な?」

「いやだって、確かに魔法の使えないサイトが前衛を務めるのが正しいんだろうけど、私に負けたじゃん」

「うぐ………。だけど、そうしないと俺の見せ場、いや仕事がなくなるぞ」

サイトの言い分も納得できる。
どうしようかと考えていると、そういえばタバサにロングビルさんを見ていて欲しいと頼まれたんだった。

「わかった。いってらっしゃい」

「やけにあっさり引き下がったな。んじゃあ行ってくる」

デルフを抜いて迅速に小屋前まで移動する。
あの時はあっさりやられていたけど、確かに身のこなしは悪くない。
キュルケ達もサイトの動きに驚きを隠せないでいる。
だけど、なんていうか、違和感がある。まるでコツひとつで簡単にできることを、力押しでやっているみたいな。
お母様ならそこら辺を簡単に解明してくれるんだろうけど、ぶっちゃけ私にそんなに身体の構造とか詳しくないし。

「あ、合図があったわ。行きましょう」

キュルケとタバサはサイトの合図に従い、小屋へと入っていく。

「ミス・ヴァリエール。貴方は行かないんですか?」

「いえ、おかまいなく」

だけど、私はタバサにロングビルさんを見ていろと言われているから、動けないんだなこれが。

「―――あの、今怪しい人影を確認したので、調べにいきたいのですが」

「それなら一人より二人。ついていきますよ」

「………」

「おーい、破壊の杖あったぞー………って、あれ?」

サイトが破壊の杖と思わしきものが入ったケースを担いで戻ってくると、どういうこと?みたいな顔でロングビルさんを見ている。
よくわからないけど、見つかったならもう帰りたいんだけど。

「あ、ああ。フーケが戻ってくる可能性もあるし、さっさと帰った方がいいな」

どこか納得していないながらも、馬車に乗る。
キュルケは何もなかったからかつまらなさそうに、タバサは特に感慨もなさそうに、ロングビルさんはどこか後ろ姿に陰を落としつつ、各々馬車に続く。
私、何もしてないなぁ。いいのだろうか、こんなで。

※余談1

破壊の杖を取り戻した功績を称えられ、シュヴァリエの称号をもらった。
ぶっちゃけみんな何もしてないよね?サイトぐらいだよねまともに働いたの。
と思ったけど、もらえるものはもらうのが世渡りのコツ。
帰りの間ずっと落ち込んでいたロングビルさんも、恩賞の大量の金貨で機嫌を取り戻していた、よかったね。
その時に気付いたんだけど、ロングビルさんって没落貴族だったんだね。
サイトには恩賞がもらえなかったけど、その代わりオールド・オスマンに何か聞いていた。

※余談2

フリッグの舞踏会では、タバサと一緒に料理をつまんで時間を潰していた。
年頃の女の子の天敵である体重だが、私は運動、タバサは体質ということもあり何の問題もない訳ですよ。
んで食休みでバルコニーに行ったらサイトがいたんだけど、その時に彼は異世界人だと告白してきた。
まさかの事実に私の知的好奇心が刺激され、どんな世界なのか問いただそうとすると、どこか困った笑顔で「そんな反応すると思ったよ」なんて言い出していたけど、なんだったんだろう。
 
 

 
後書き
フーケさんお縄にならず。
この展開も先人の何番煎じとなることやら。

次の犠牲者は誰だろう。アニメだとモッドの方が先だっけ。
むしろモッド伯をいい人にしてもいいかもと思ってたり。ほら、この小説ってフリーダムだし。 
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