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オズのボームさん

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第五幕その三

「ここにある本に書かれているのね」
「そうだよ、あとパピルスや粘土板のことを話したね」
「そうだったわね」
「紙が出来るまでのそうした資料のこともね」
 そういったものもというのです。
「残っているよ」
「そうなのね」
「それで博物館に保存されてるよ」
「オズの国のなのね」
「そうだよ、ちゃんと保存してね」
 そうしてというのです。
「調べ続けているんだ」
「成程ね」
「考古学の発掘チームもあるから」
 オズの国にはというのです。
「いつもオズの国の各地を調査してね」
「発掘しているのね」
「そして研究しているんだ」
「歴史のことも?」
「そうしているよ」
 こうつぎはぎ娘にお話します。
「歴史は調べれば調べる程わかるものだからね」
「一回調べて終わりじゃないのね」
 このことはガラスの猫が尋ねました。
「何度も調べてわかるのね」
「そして新しい資料が見付かるとね」
 ボームさんはガラスの猫にも答えます。
「新しいことがわかるんだ」
「そうしたものなのね」
「歴史は一度調べてわからない」
 こう言ったのはモジャボロの弟さんでした。
「新たにわかることもあるんだ」
「それも多いよ、実は真実は違っていたんてね」
 そうしたことはというのです。
「オズの国の歴史でも多いよ」
「ううん、だから色々調べて学んでるんだね」
 腹ペコタイガーは唸って言葉を出しました。
「そうなんだね」
「その通りだよ」
「オズの国の歴史を」
「わかっていないことも多いしね」
「多いんだ」
「そう、何かとね」
 オズの国の歴史ではというのです。
「その時その人は何をしていたか何があったのか」
「わかっていないんだね」
 ジャックは残念そうに言いました。
「全ては」
「これがね。ほんの数十年前のことでもだよ」
「それでもなんだ」
「わかっていないことがね」
「あるんだ」
「それも結構多いんだ」
 そうだというのです。
「最近のことでもね」
「最近のことでもそうならね」
 ファイター大尉は思いました。
「大昔のことなんて尚更だね」
「物凄く栄えた街があってもね」
 ボームさんはお話しました。
「それでも場所がはっきりわからないこともあるんだ」
「古代の街はだね」
「そうなんだ」
「そう聞くとわからないことの方が多いのかな」 
 トトはこう考えました。
「オズの国の歴史って」
「そうみたいだね」
 木挽きの馬はトトのその言葉に応えました。
「聞いて考えてみると」
「そうだよね」
「その実はね」
「オズの歴史もそうでね」
 ボームさんは二匹にも答えました。 
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