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綾小路くんがハーレムを構築する話

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清隆くんのお宅訪問 椎名編

3月初旬の朝。


椎名「ふわぁ……。昨日は徹夜で本を読み耽ってしまったので眠いですね……」

私はあくびをしながら、ベッドから降りてカーテンを開けました。

今の私には朝日が眩しすぎますね。

そんなことより、今日は……

椎名「さて、今日は私の番ですね……。どうやって清隆くんを私の部屋に連れて来ましょうかね♪」


私は徹夜明けにも関わらず、テンションが高くなっていることに気が付きました。


自分で言うのも何ですが、私らしくないですね……


ですが………仕方ありませんよね?


はっきりと申し上げると私はこの日が待ち遠しくて、堪らなかったのですから//////♪


しかし、1つ問題が……


椎名「楽しみにしていたのは良いものの、どうしましょうか……清隆くんを部屋に誘う肝心の策を考えていませんでした……」


昨日は確かお風呂に入って夕食を食べた後に、明日に備えて色々考えておこうと策を練るつもりだったはずですが………


ふと、読んでいる途中だった小説の続きが気になって、読んでから考えても大丈夫だと思ってしまって……


そして、つい読むのに夢中になってしまって……


気付いたらもう夜が更けていて……


読破した後にすぐ寝てしまったんですよね……


昨日の私は何をやっているんでしょう……全く。


椎名「……まぁ、過ぎてしまったことは仕方ないですし♪朝食を食べてから考えましょう♪」




朝食後。




椎名「……困りましたね。何も策が浮かびません……。」


私は朝食を食べ終えた後、学校に行くまでの間コーヒーを飲みながら考えていましたが……


もう学校に行かないといけない時間ですし……


仕方ありませんね……


私はいつも通り教科書と本の入ったバッグを持って部屋を出ようとした時……


あ……!!!


今、思い付きました♪


よくよく考えたら、私には唯一無二の『武器』があるではないですか♪


そうと決めたら昼休みに清隆くんのクラスに向かうとしましょう。


こういう時は行動あるのみですから♪


私は先程まで悩んでいたのが嘘のように晴れやかな気持ちで学校に向かいました。

昼休み。


椎名「……困りましたね。」


私は清隆くんに会って話しをするためにCクラスの教室の前にやって来たのですが…


肝心の清隆くんがいませんね……。


どうしましょう……


クラスの方に聞いてみましょうか……?


ですが、他クラスである私が清隆くんの所在を知りたがるのは不可解に思うでしょうし……


私はCクラスの前で悩んでいたら後ろから…


王 美雨「あれ……ひよりちゃん?こんな所で立ち止まってどうしたの?」

椎名「……みーちゃん?」

私に声を掛けて来たのは混合合宿で同じグループになって仲良くなった王美雨さん……もとい、みーちゃんでした。

みーちゃん「あ、ごめんね!急に声を掛けちゃって……迷惑だったよね?」

椎名「いえいえ、そんなことありませんよ、みーちゃん。とても嬉しいですよ♪」

みーちゃん「そっかぁ~良かった!それで一体どうしたの?」

椎名「それはですね……」

私は思わず口をつぐんでしまいました。

どうしましょう……

ここは思い切ってみーちゃんに聞いて……

みーちゃん「あ!もしかして……綾小路くん探してるの?」

椎名「!!!。あ、えっと……はい//////」

みーちゃん「それだったら、綾小路くん図書室に入ったの見たよ!」

椎名「……図書室ですか?」

みーちゃん「うん!私さっきまで図書室で本を借りに行ったから。」

みーちゃんは図書室で借りた本を持っていました。

椎名「そうだったんですね……。それでは図書室に向かってみますね。みーちゃん、ありがとうございます。」

みーちゃん「うん!それじゃ、またねーひよりちゃん!」

私にそれだけ伝えた後、みーちゃんは自分のクラスに入っていきました。

それにしても……

どうして、みーちゃんは分かったのでしょうか……?

みーちゃんはスゴいですね!

……それはともかく、みーちゃんのお陰で清隆くんの所在が分かったことですし♪

私も向かうとしましょう。早く行かないとすれ違いになってしまうかもですし……

私は図書室に向かうためにいつもより早く歩くことにしました。



図書室。




椎名「ここはやっぱり落ち着きますね……。」


私はほぼ毎日通っていると言っても過言ではない図書室に着きました。


やはり、沢山の本に囲まれるのは至上の幸福ですね♪


椎名「あら……?私としたことがいつもの癖でつい、ミステリーコーナーの前に…」

私は清隆くんを探そうとしていたつもりがいつの間にかミステリー小説のあるコーナーに足を運んでいました。

椎名「…………」

……ちょっとだけ見ていってもいいですよね?

それに目の前に面白そうな本があったら手に取ってしまうのは仕方ないことですし……。

椎名「また、微妙に取りづらい場所に本がありますね……」


私が気になる本は私の身長だと届きそうで届かないような場所に置いてありました。


どうしていつも私の気になる本は高いところにあるんでしょうか……?


図書委員さんにはすこしお灸が必要ですね!


それにステップ台の置いてある場所は遠いですし……仕方ありませんね……


私は背伸びをすれば届かない事も無さそうですし……


私は目一杯背伸びをしてその本を取ろうとしたら………後ろから


綾小路『この本か?』


椎名「!!!。あ、あ、綾小路くん//////?」


驚くことに私が探していた清隆くんが私が取ろうとしていた本を取ってくれました。


ま、まさか後ろにいるなんて夢にも思わなかったです……


突然の事でパニックになってしまった私は名前ではなく名字で彼の事を呼んでしまいました……


もう……心臓に悪いですよ~//////!


綾小路「これだろ?取ろうとしていた本は。」

椎名「は、はい。ありがとうございます//////清隆くんこんにちは。」

綾小路「ああ、こんにちは。……それにしてもひよりは本当にいつも図書室に居るんだな?」

椎名「はい♪図書室で本を読むのはこの学校に来てからは日課のようなものですから♪」

綾小路「好きなんだな。」

椎名「……え//////?」

綾小路「本を読むのが。まぁ、俺も図書室は好きだな…静かで心地がいい。」

そ、そっちの好きですか……もう!

急に好きだなんて言うからまた、驚いたじゃないですか//////

全く清隆くんは……

椎名「そうですね。私も誰にも邪魔されずに静かな空間で本の世界に浸れるのは最高だと思います♪」

綾小路「確かにそうだな。それじゃ、俺はもうここには用はないから先に教室に戻る。またな……」


清隆くんは私に本を渡して、すぐに立ち去ろうとしましたが……


せっかく会えたのにこれはまずいですね…


これでは私の考えた計画が水の泡になってしまいます……


早く呼び止めなければ……


椎名「あ!ちょっと待って下さい……」

綾小路「ん?どうした?」

咄嗟に私は清隆くんの袖を掴んで呼び止めてしまいました//////

椎名「あ、えっと、その……//////」

綾小路「?」


清隆くんの袖を掴んだまま、私は話しをしようとしたのですが……//////


ここに来て私の脳内は……


二人きりのこの状況と清隆くんとの距離が近いことを再認識してしまった私は凄く恥ずかしくなってしまいました……//////


一旦落ち着かないと……そして、早く話さなくてはいけません//////


心の中で深く深呼吸をしてから……


椎名「あの……実は私、清隆くんを探していたんです。」

綾小路「俺を……?どうして探していたんだ?」

清隆くんは私の顔をじっと視ながらこちらに向かっていいました……。

私がどうして清隆くんを探していたかその理由を早く聴きたいからなんでしょうけど……

……そんなにじっと見詰めないで下さい//////

せっかく一度落ち着けましたのに//////

椎名「……清隆くんに是非オススメしたい本があったのでその事を伝えに来たんです。」

綾小路「そうだったのか……悪いな、探させてしまって。」

椎名「いえいえ、気にしないで下さい。現にこうやって見つけられましたから。」

綾小路「そう言って貰えると助かる、ひより。」

椎名「はい…//////」

やっぱり名前で呼んで貰えるのは嬉しいものですね//////

……さて、浮かれるのはここまでにして、この私の『武器』を使って清隆くんを部屋に一か八か誘ってみるとしましょうか♪

私は清隆くんの袖を離してから…

綾小路「それで、今回のひよりのオススメ本は何なんだ?」

椎名「今回もミステリー小説をオススメしようと思っているのですが……」

綾小路「……ひより?どうかしたのか?」


急に私が話すのを躊躇っているのを不思議そうにこちらを向きました。


ここまでは計算通りです♪


それに、清隆くんはやはりそう返してきましたね……私の読み通りです。


ここからが大事ですので、自然体をキープして話しをしていきましょう。


変に気負ったりするのは私らしくないのであくまでフラットに……!


椎名「……実はオススメしたい本が沢山あって中々決められなくてですね…」

綾小路「まぁ、だろうな……ひよりと最初にここで会った時もそんな感じだったしな。」

椎名「?。あのー……どういうことですか?」

綾小路「あの時も色々と俺に本を勧めてくれただろ?」

確かに最初にここで会った時、清隆くんは私が取ろうとしていた『嵐が丘』を取ってくれた後、清隆くんの持っている本を目にしたときにそういえば色々オススメしましたね……。

椎名「確かにそうですね……お恥ずかしい限りです//////」

綾小路「いや、そんなことないぞ?それにオススメしたい本が沢山あるくらいひよりが本を読んで来た証拠だしな。」

椎名「……//////」

何だか凄く嬉しいですね……//////

私が嬉しい気持ちに浸っていると清隆くんは…

綾小路「それに俺なんかのために無理しなくていいぞ?」

清隆くんは心配そうに言いました……

むぅ~そんなこと微塵も思ってないです!

私が好きで清隆くんに本を勧めているのですから//////

椎名「ありがとうございます……でも、無理なんかしていませんよ?」

綾小路「それならいいが……」

椎名「分かっていただけたならいいです♪」

さて、そろそろ本題にいかないと昼休みも終わってしまいますし……

椎名「それで、清隆くんにご相談がありまして……」

綾小路「相談?……何となく想像が出来てきているが……念のため聞かせてくれるか?」

清隆くんは今から私が言う事が分かっているような口振りでした。

清隆くんは勘が鋭いようですねー♪

椎名「私一人では中々決められないので、私の部屋にある本を清隆くんが自分で選んで貰おうと思いまして……」

綾小路「あー……それはつまり…」

椎名「はい♪お察しの通りです。もし……よろしかったら今日の放課後私の部屋に来ていただけませんか……//////?」


私は自然体を崩さずに清隆くんに話したつもりでしたが……


やはり緊張しました……//////


いくら私でも緊張しない方が可笑しいですよ!


それにしても……こんなに緊張したのは生まれて初めてですね//////


私は清隆くんの方を恐る恐る上目遣いのように見詰めると……清隆くんは


綾小路「……やっぱりな。」


彼はその一言だけで済ませました……。


全くあなたという人は……


清隆くんは少し考えているように見えますね……


まぁ、急にこんな申し出は迷惑だと思いますし……


私としてもこれで清隆くんに断られたら、惜しい気もしますが……今回はしょうがないと割り切るつもりですし。


それにこれが最後のチャンスって訳ではありませんしね?


椎名「昼休みもそろそろ終わってしまいますし……答えをお聞かせ下さいませんか?」


私は清隆くんに聞いて見ました。『yes』か『NO』かの答えを……そしたら


綾小路「……椎名がそれでいいならお邪魔してもいいか?」


い、今、何て言ったのでしょうか……?


私の聞き間違いではないですよね?


椎名「え?……来て下さるのですか//////?」

綾小路「正直、椎名がどんな小説を持っているか興味もあるしな……もちろん椎名が良ければだがな。」

椎名「とんでもないです。いいに決まってます♪」

綾小路「そうか、良かった。待ち合わせ場所は図書室でいいか?」

椎名「は、はい、それで構いません//////」

綾小路「それじゃ、俺は先に失礼する。また放課後にな。」

椎名「はい♪それでは、また//////」

清隆くんは待ち合わせ場所を伝えた後に、図書室を去っていきました……。

私は清隆くんを見届けた後……

椎名「まさか本当に来ていただけるとは……嬉しいですね//////♪」


今日一番の緊張から解放された私はその場で座りこんでしまいました……。


困りました……


嬉しくて仕方ありません//////!!!


早く教室に行かないと午後の授業が始まってしまうのに……腰が抜けてしまいましたね。


今日の放課後久々に楽しみになりました♪


一之瀬さんたちと一緒にいる時も楽しみな気持ちはもちろんありましたが、清隆くんと二人きりになれるのは中々出来ませんから……このような提案をしてくれた星之宮先生たちに感謝です♪


そんな気持ちを抱えながら、私は急いで教室に戻りました。

放課後。


椎名「今日は何故か午後の授業がスゴい長く感じましたね……早く図書室に向かわないとですね♪」

私はいつもと違う感情で図書室に向かっていました。

なぜなら……清隆くんと待ち合わせしているのですから♪

本を読みにいく以外で図書室に向かうのは初めてですね……

清隆くんを待っている間、本に目移りしないようにしないとですね!

まぁ、今日の私はそんな事に現を抜かすことは微塵もないですけど♪




図書室。




椎名「やはり、放課後の図書室はほとんど誰もいませんね……」


図書室に着いた私は改めて放課後に図書室に足を運ぶ生徒が少ないことを認識しました。


そういえば、こんなこと今まで考えたこと無かったですね……


いつもだったら他に生徒がいようがいまいが下校時間まで本に夢中でしたし……


私にとって図書室とは静かな空間の中で本の世界にのめり込める場所であり、色んな面白い本を見つけられる場所でしたから。


こんな風に本を読みに来るわけではなく、誰かを待つなんて今までの私だったら考えられませんね……


……色んなことを考え過ぎですね。


とりあえず、清隆くんを待つことにしましょ……


綾小路「お!来たか。」

椎名「!!!。き、清隆くん?えっと……お待たせしてすいません……いつから待っていたのですか?」

綾小路「ん?いや、さっき来たばっかだ。全然待ってないから大丈夫だぞ?」

椎名「それなら良かったです……それではいきましょうか。」

何だか付き合ったばかりの男女の会話みたいで、照れますね……//////

綾小路「あぁ、そうだな。……鞄持つぞ。」

椎名「え?ですが……いつものことですからお気遣いなく…」

綾小路「確かにいらない気遣いかもしれないが、これぐらいさせてくれ。」

椎名「……あ、ありがとうございます//////」


私は清隆くんのお言葉に甘え、鞄を渡してから並んで歩きました。


清隆くんのこの何気ない優しさは本当にズルすぎです……//////


それに……何というか……一言で言うと……


幸せですね//////♪


なんといっても今日は私の独り占めですし♪


皆さんもこんな気持ちだったんでしょうか……?


私は嬉しさを感じながら、清隆くんと並んで歩きながら私の部屋に向かいました♪




私の部屋。


ガチャっ……


椎名「さぁ、どうぞ♪清隆くん!遠慮なく上がって下さい。」

綾小路「……お邪魔します。」

清隆くんは周りに人が居ないのを確認してから私の部屋に入りました。

私も続いて入り、清隆は靴をしっかり揃えてから私について来ていました。

それにしても、丁寧にお邪魔しますと言ったり、靴をしっかり揃えたり……清隆くんはとても律儀ですね~。

まぁ、彼らしいといえばそうですけどね。

椎名「こちらにお座り下さい。今、コーヒーを淹れますね♪」

綾小路「悪いな。」

椎名「いえいえ、これくらい当然です。清隆くんは寛いでいて下さい♪」

清隆くんにそう伝えた後、私はキッチンに行ってコーヒーの準備をしました。

清隆くんの方をチラッと確認すると……

私の部屋を見渡していました……。

椎名「………//////」


何というか…自分の部屋に男性を招き入れた事が無いので……その……


改めて思うと、凄く恥ずかしいです……//////!


何も可笑しなところありませんよね……?


毎日しっかり掃除もしていますし……でも…


やっぱ恥ずかしいですー//////!


私が心の中でそう思っていたら清隆くんがある一点を見ながら…


綾小路「……これ凄いな。」

椎名「!!!。な、何がですか?」

私は急に話しかけられたことに驚きながら、清隆くんに質問してしまいました。

綾小路「この本棚の事だ。」

椎名「あぁ、本棚の事ですか…。」

び、びっくりしました……。

急に声を掛けて来たので、どこか可笑しなところがあるのかと思いましたよ……。

はぁ~心臓に悪いですね……。

綾小路「いや、普通こんな大きな本棚が部屋に有ったら驚くだろ?」

椎名「そうでしょうか?まぁ、私としても本が沢山入る大きな本棚が欲しかったので入学して最初に買った家具はこれですね♪」

綾小路「……まさかこれひよりが自分で組み立てたのか?」

椎名「いえいえ、まさか!こんな大きなものは無理ですよ。業者の方にお家で組み立てていただきました。」

綾小路「まぁ、そうだよな。女子一人で組み立てるのは大変だしな。」

椎名「ふふ、そうですね。……さぁ、清隆くんコーヒー入りましたよ♪どうぞ♪」

綾小路「あぁ、ありがとう。……うまいな。」

椎名「お口にあって良かったです♪これ私も好きなんです。」

綾小路「……これを飲みながら本を読むのは最高だろうな。」

椎名「ふふ♪そうなんですよ!分かります?」

綾小路「まぁな。早速その本棚から本観てもいいか?」

椎名「はい、もちろん♪どうぞゆっくり選んで下さい。」

綾小路「それじゃ遠慮なく。」


清隆くんはコーヒーを飲んだ後、立ち上がって本棚の前で、本を吟味し始めました。


清隆くんはそうやって本を選ぶんですね……。


その真剣な表情で本を選んでいる姿……何というか…


かっこいいですね//////♪


こんな風に清隆くんをコーヒーを飲みながら観察出来るとは思ってもいませんでしたね♪


ふふ♪これはこれで楽しいです♪


綾小路「こんなに本が多いと悩むな……ひよりはここにある本全部読んだのか?」

清隆くんは本を選びながら、こちらに話しかけてきました。

椎名「そうですね……大体は読んだと記憶してます。」

綾小路「本当に凄いな……。」

椎名「そうでもありませんよ。ただ……」

綾小路「ん?」

椎名「読んだ本を何処に置いたのか探してしまうことが多いのが難点ですけど……」

綾小路「あぁ、なるほど……ひよりらしいな。」

椎名「どういう意味ですか?」

綾小路「いや、ひよりのことだからボーッとして何処に置いたか忘れてそうだなって思っていたから予想通りというか……」

椎名「…………」


むぅ~……何だか馬鹿にされてる気分です!


しかし……


清隆くんの言っている事が当たっているので何も言い返せませんね……


実際何度も探してますし…//////


綾小路「まぁ、それくらい本があるってことだな。それにこの大きな本棚も、もうすぐ本で埋めつくされそうなくらいだしな」

椎名「それは……ポイントが振り込まれる度についつい新しい本を買ってしまうので……」

綾小路「ふっ。……ひよりらしいな。」

椎名「わ、私の話しはもういいです//////!それより清隆くんはどういう本をお持ちなのですか?」

私は恥ずかしくなってきたので、清隆くんに質問してみました。

綾小路「俺か?生憎俺の部屋には本はないぞ?……というかそもそも物が無い。」

椎名「そうなんですか?でも……小説読むの好きなんですよね?」

綾小路「あぁ。小説読むのは好きだが……図書室で借りる程度だ。それに私物にしたいと思うくらいの小説に会ったことはないからな。」

椎名「それは色々と意外でしたね。」

綾小路「そうか?」

椎名「はい。清隆くんは博識そうなので、本を沢山持ってそうだなと思っていたので。」

綾小路「……それはひよりの単なるイメージだろ?俺はそんなに頭良くないぞ?」

椎名「そうでしょうか?私にはそうは見えませんね。何だか清隆くんはまだ実力を出し切ってないような感じがするので♪」

綾小路「………」


私がそう答えた後、清隆くんはそれ以上何も言わずに無言で本を選び始めました。


私もこれといって何か聞くわけではなく、清隆くんが本を選び終わるのを待つことにしました。


どうやら、清隆くんは2冊の本で悩んでいるようですね……


1つはコナン・ドイルの名作。2つ目はローレンス・ブロックの本を見つめていました。


悩むのは解ります!どっちも不朽の名作で面白いですからね♪


綾小路「これにするか……。」

清隆くんは結論を出したようですね。

椎名「何の本にしたんですか?」

綾小路「今回はコナン・ドイルにしてみようと思う。」

椎名「ミステリー小説の権化とも言える作品ですね。」

綾小路「このシリーズは前々から気になっていたからな……借りてもいいか?」

椎名「もちろんです♪」

綾小路「ありがとう、ひより。なるべく早く読んで返すようにする。」

椎名「いえいえ♪自分のペースでゆっくり見てください!」

綾小路「分かった……さてと一段落ついたところで…」

椎名「?」

まさかもう帰ってしまうのですか……?

もう少しゆっくりされていっても…私が心の中であれこれ考えていたら……

綾小路「ひよりが良ければ……好きな作家とかどういう小説が好きなのか教えてくれないか?」

椎名「え…//////?い、いいんですか?」

綾小路「あ、あぁ。ひよりも前に言っていたと思うが俺も小説とかで話しが合うやつは中々いないしな。」

椎名「嬉しいです//////♪それじゃ、早速……私が好きな作家さんはですね…」


そこから私たちは色んなお話しをしました。


……と言っても、ほとんどが小説の話しで清隆くんは私の話しを聞きながら相槌をしてくれる感じでしたが……


それでも私にとって……とても楽しい時間でした。


こんな風に清隆くんと過ごせるのは嬉しいですから……//////♪


そしてあっという間に時間は過ぎ……


綾小路「もう、こんな時間だな……そろそろ俺は帰るとする。」

椎名「そ、そうですね……」


話しに夢中になっていたせいで気付けば夜になっていました。


楽しい時間はあっという間と言いますが、本当にその通りなんですね……。


そんな気持ちを抱えながら、清隆くんを見送るため私も玄関に向かいました。


そして清隆くんは玄関で靴を履き終わった後……


綾小路「今日は押し掛けてすまなかったな。」

椎名「いえいえ、そんな……私の方こそこんな夜遅くまで、長々と喋ってしまってすみません。」

私は申し訳ない気持ちで一杯でした。

こんな時間まで、清隆くんを引き止めてしまったことに。

そしたら、清隆は……

綾小路「いや、そんなことないぞ?色々参考になったしな。」

清隆くん……

本当にあなたという人は優しいですね//////

椎名「清隆くん……。そう言って頂けると嬉しいです//////♪」

綾小路「今度また、是非色々話しを聞かせてくれ。」

椎名「はい♪もちろんです♪」

綾小路「それじゃ、またな。」

椎名「はい♪おやすみなさい、清隆くん//////♪」

綾小路「あぁ、おやすみ。」



バタン……。



清隆くんが私の部屋から出ていった後、私は……


椎名「はぁー……いつもと違って何だか緊張しました……しかし、今日はとても有意義な時間でしたね//////♪」


緊張から解放された私はへなへなと座り込んでしまいました。


私としてもこの学校に入学してから自分の部屋に誰かが尋ねてくるのは無かったですし……


ましてや相手が清隆くんなら無理もないですよ。緊張して当然です///!


清隆くんはいつも通りでしたが……


これからも、こんな風に彼と一緒に過ごしていきたいですね……


クラスも違いますし、一緒にいれる時間も少ないかもしれませんし、私は争い事は苦手ですが……清隆くんに関しては別です!


他の皆さんには負けるつもりはありませんので!


私は私なりのアプローチをしていこうと密かに決意しました。


清隆くん……私頑張りますね♪



 
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