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クビになってよかった会社

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第一章

                クビになってよかった会社
 三橋佐喜夫は高校を卒業してすぐにその酒屋県内でチェーン店をしているそこに入社して働きはじめたが。
「えっ、二十日連続でか」
「働いていて今日やっとだよ」
 三森は高校時代の親友であり伊藤不屈に話した、彼は大学生茶色にした髪と細面で明るい顔立ちの背の高い青年だ。対する三森は痩せこけた顔で目に生気はなく黒髪もぼさぼさだ。一七三程の背でかなり痩せ細っている。
「休みなんだよ」
「それは凄いな」
「朝の八時から夜の十時まで普通にな」
「働いてるのか」
「始終動きっぱなしでその合間に酒屋の仕事の勉強習字とかもしてな」
「フォークリフトの勉強もか」
「やらされていてな」
 そうした状況でというのだ。
「掃除もあるし棚卸なんか朝までかかってやってるよ」
「そんな職場あるんだな」
「朝まで仕事してまた次の日も仕事だよ」
「朝からか」
「八時からな、それで店長はちょっと動きが悪いとな」 
 その時はというと。
「怒鳴ったり延々怒ったりな」
「パワハラモラハラか」
「それで正社員になるには時間かかるって言われてるよ」
「あそこそうした職場だったんだな」
「そうだよ、何かもうな」
 三森は伊藤に疲れ切った顔で話した。
「俺ボロボロだよ」
「お前がそうなってるなんて思わなかったよ」
「正直辛いよ」
「それで給料はどれ位だよ」
「それはな」 
 今度は給与の額を言った、すると伊藤は余計に驚いた。
「それだけやってそれだけか!?バイトとあまり変わらないだろ」
「そうだよな」
「それで正社員採用はか」
「ずっと先だって言われたんだよ」
「お前その職場」
「辞めろって言うんだな」
「ブラックだろ、どう見ても」
 こう三森に言った。
「転職した方がいいぞ」
「そうか?」
「ああ、朝から夜遅くまで肉体労働で勉強でだろ」
「休み碌になくてな」
「しかも給与それで正社員になるのもそう言われてな」
 そしてというのだ。 
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