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それでもお金は大事

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第一章

                それでもお金は大事
 ジンバブエの話を聞いて大学生の赤城直美は顎が外れんばかりに驚いて言った。
「あの、それで」
「ジンバブエ大丈夫かっていうのね」
「滅茶苦茶なインフレじゃない」
 黒髪をショートにした丸い童顔で言った、背は一五四程で案外スタイルはいい感じだ。服装はブラウスにスラックスで色合いも白と青で地味だ。
「もう何でいうか」
「酷過ぎるわね」
「もうお金紙屑じゃない」
 こう話してくれた友人に述べた。
「二次大戦前のドイツも酷かったけれど」
「今のジンバブエもね」
「壮絶ね、というかね」 
 直美はこうも言った。
「お金も何かあったら」
「そうね、戦争に負けたり失政でね」
「紙屑になるのね」
「そうなのよね」
「私ずっとお金は大事だって教えられて」 
 両親からである。
「それでよ」
「実際によね」
「大事にしてるけれど」
「それがよ」 
 友人も話した。
「そうそうはないけれど」
「戦争に負けたり失政で」
「ああなるのよ、戦争自体が起こってもね」
「お金の価値がなくなるのね」
「偽札が出回ってもね」
 この場合もというのだ。
「北朝鮮が刷ってたけれど」
「ガチの国家犯罪ね」
「そうしたことをしてもでね」
「馬鹿げたインフラが起こって」
「お金の価値が崩壊して」
 そうしてというのだ。
「ああなるのよ」
「ジンバブエみたいに」
「そうなるのよ」
「そうなのね、お金がこの世で一番大事だと思っていたら」
 直美は腕を組んで述べた。
「実はなのね」
「それが崩れることもあるのよ」
「お金は絶対じゃないのね」
「この世で絶対のものなんてないわよ」
 友人は直美にこうも言った。
「何かと変わるものよ」
「そうなのね」
 直美も頷いた、そしてだった。
 暫く金について考える様になった、それまでは両親に言われたことを守って兎角節約して貯金に励んでいたが。
 家でもだ、こう言ったのだった。 
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