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土偶って何だ

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第二章

「私も不思議に思ってるのよ」
「土偶がどうしてあんな形か」
「だから本当に宇宙人かってね」
「思ってるのね」
「宇宙人が宇宙服着て大昔の日本に来て」
 そうしてというのだ。
「それで当時の日本人が見て」
「神様と思って」
「土偶にしたのね」
「そうじゃないかしら」
 こう言うのだった。
「神様の像にね」
「オカルトかしらね」
「どうかしらね」
 澪はゲームをしつつ微妙な顔になって述べた、二度目の勝負は美鈴が効果的に攻めていて澪が劣勢である。
「オカルトと言っても否定出来ないってね」
「お姉ちゃんは思ってるの」
「そうもね、ただ土偶って人気あるのよ」
「考古学で?」
「それでマニアからもね」
 そちらからもというのだ。
「人気あるのよ」
「そうなの」
「それであんたも土偶だって言われるなら」
「いいの?」
「胸あって脚も太いならそれもいいでしょ」
「嫌と思っているけれど」
「それ言ったら私胸ないのよ」
 澪は自分のことを言った
「そのことが嫌よ」
「お姉ちゃんはそうなの」
「そうよ、一々身体のことでコンプレックスを感じていたらね」
 そうしていると、とだ。澪はゲームの自分の反撃が美鈴に阻まれ負けたのを観つつ彼女にさらに言った。
「仕方ないかもね、それ言ったら私もだけれど」
「そうなのね」
「そうよ、土偶なら土偶でいいでしょ」
「人気あるし」
「それならね、じゃあね」
 澪は三度目の闘いがはじまる前に話した。
「これからはお互いにね」
「劣等感は持たないで」
「やっていきましょう」
「そうするわね」 
 美鈴は姉の言葉に頷いた、そしてだった。
 ゲームを続けた、するとまた彼女が負けてだった。
 最終的に澪が勝者となった、そのうえで。
 今度はシュミレーションをした、美鈴が主にして澪はアドバイスに徹した。そうしてゲームをしていった。
 そして澪は論文を書く時に美鈴に話した。
「土偶のこと書くわ」
「そうするの」
「どうしてあの形なのかってね」
「書いていくの」
「調べてね、しかし本当にね」
 妹に考える顔で話していった。
「不思議な形よね」
「宇宙人みたいな」
「そうしたね、実際に何なのかしらね」
 家で首を傾げさせつつ言って調べて書いていった、だが。
 説として宇宙人説を書いたが確証は得られなかった、土偶についてわかることは結局なかったのだった。


土偶って何だ   完


                  2022・4・25 
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