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ドリトル先生とめでたい幽霊

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第十二幕その十二

「そうすればよ」
「僕はだね」
「織田作さんみたいにね」
「二人で行けるんだね」
「そうしたお店は二人で行ってこそよ」
「いいんだね」
「ええ、私もうちの人と行くし」
 そうするし、というのです。
「それでね」
「僕もだね」
「気付いてね」
 そのうえでというのです。
「行ってきてね」
「サラはいつも言うけれど本当にそうかな」
「こんなことで嘘吐いてどうするのよ」
 そもそもというのです。
「そうでしょ」
「それもそうだね」
「だからね」
 サラは言葉を続けました。
「いいわね」
「これからはだね」
「そう、周りをよく見て」
 そうしてというのです。
「気付いて」
「そのうえで」
「そう言われて見ているけれどね」
「それは兄さんがまだ先入観があるからよ」
 もてないと思い込んでいるからだというのです。
「それでよ」
「気付かないんだね」
「そう、だからね」
「これからは」
「こう言っても中々でしょうけれど」 
 サラはこのこともわかっています、何しろ自分のお兄さんですから尚更です。
「少しずつでもね」
「その先入観をなくしていって」
「そしてね」
「見て回って」
「気付いてね」
 そうしてというのです。
「一緒に行くといいわ」
「そうするといいんだね」
「そうよ、全く自分のことにはそうなんだから」
 サラはお口をへの字のさせて言いました。
「困ったものよ」
「そんなに言われることかな」
「言われることよ、もてないと思っているのは」
「僕だけなんだね」
「そうよ、主観は主観よ」
 それだけでというのです。
「客観で見るとね」
「違うんだね」
「そうよ、じゃあ今度は」
 先生に真顔で言うのでした。
「そのお店に二人で行くことよ」
「それじゃあ」
「周りを見てね」
「そうなる様に努力するよ」
「そうしてね、しかしこのカレーを食べていると」
 サラは今度はカレーのお話をしました。
「美味しくて仕方ないわ」
「そうだね」
「また日本に来たらね」
「その時は」
「食べるわ、勿論明日も」
 その日もというのです。
「うちの人とね」
「行ってだね」
「夫婦善哉に行く前にね、それでね」
「織田作さんの作品の登場人物みたいに」
「楽しむわ、そして大阪の街も」
 これ自体もというのです。
「楽しむわ」
「そうするんだね」
「是非ね」
 笑顔でこう言ってでした。
 サラは先生そして動物の皆と一緒に自由軒のカレーを食べました。最初からルーとご飯が混ざっていて生卵と一緒に食べるカレーはとても美味しかったです。


ドリトル先生とめでたい幽霊   完


                2021・9・11 
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