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今時娘

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第三章

「お前も何かと今風だがな」
「今の考えっていうのね」
「日焼け嫌ったり服装もな」
 半ズボンにティーシャツという夏とはいえかなりラフなものを見ても述べた。
「そうだがな」
「それでもなのね」
「そうだ、わざわざ彼氏を親に紹介するなんてな」
「そのことがなの」
「古風だな」
「そうかしら」
「ああ、今の女の子だが昔のものもあるか」
 こう言うのだった。
「お前には」
「それ聞くとお父さんの娘だって思うわ」
「血は争えないか、だがそうした押さえるところは押さえることはな」
 このことはというと。
「これからもだ」
「そうしていけばいいの」
「そう思う」
「お母さんもよ」
 父だけでなく母も言ってきた。
「時代は変わっても押さえておくことはね」
「押さえておくのね」
「そうするべきだから」  
 それでというのだ。
「小雪もこれからもね7」
「こうしたことはなの」
「守っていってね」
「そうするわね」
「じゃあ小雪にいい彼氏が出来たことを祝ってだ」
「そうしてなの?」
「今夜は飲むか」
「ワインにしてね」
 小雪は笑顔で言う父にすかさず言った。
「それか焼酎ね」
「身体にいいからか」
「そう、飲み過ぎは毒だけれど」
「ビールは痛風になるからか」
「だからもうね」
「やれやれ、こうした時もビールだろう」
 父は娘に怒って抗議した。
「そう言うか」
「健康に気をつけないとね」
「そこは今の娘だな」
「飲んだら駄目って言うよりいいでしょ」
「全く、今の娘には適わん」
 父はぼやきながらも娘の言葉に従った、そうしてワインを飲んだ。だが娘が入れたワインは美味いことは美味かった。


今時娘   完


                 2021・11・19 
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