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第八話 悪い男の見分け方その一

               第八話  悪い男の見分け方
 富美子は合コンを前にしてメイクやファッションそれにデート等のことを雑誌やネットでしきりに学んでいた、そして。
 今はネットで合コンの進め方や彼氏の見つけ方、手に入れ方をチェックしていた。するとそれを見てだった。
 姉の美奈代、茶色にした髪の毛にウエーブをかけてのばし妹が参考にしているのではという派手めのメイクでピンクの半ズボンと赤いティーシャツを着ている一六〇位の背の色白でやや大きめの胸と見事な腰のラインの彼女が来た。顔の形も顔立ちも妹より派手な感じだ。はっきりした目で唇は妹より小さい。大学生で八条大学文学部の一回生である。
 美奈代は妹がスマートフォンで必死にチェックしているのを見て彼女に言った。
「あんた彼氏探してるの」
「って何でわかるのよ」
 妹は姉に仰天した顔を向けて問い返した。
「それが」
「だってあんた商業科でしょ」 
 姉は居間でガラスの小さなテーブルにクッションに座ったうえでスマートフォンを置いて調べている彼女の向かい側に座って言い返した。
「だったらね」
「それならなの」
「商業科の娘がテスト後で必死になってるって」
 それこそというのだ。
「もうね」
「彼氏なの」
「それ以外ないでしょ」
 こう言うのだった。
「他には」
「そうしたものなの」
「これが普通科ならわからないのよ」
「お姉ちゃん普通科だしね」
「だって競争が激しくないから」
「商業科程は?」
「そう、商業科の彼氏見付ける競争なんてね」
 女の子のそれはというのだ。
「私も見て来たから」
「高校時代ね」
「もうピラニアみたいにね」
 それこそというのだ。
「男の子狙うから」
「ピラニアってね」
「けれどそうでしょ」
「まあそれはね」
「だからね」
 姉は妹に缶ビールを差し出しつつ話した、五〇〇のものだ。見れば自分のところにも同じ缶がある。
「もうね」
「見ればわかるの」
「実際にそうでしょ」
 自分の缶を空けつつ妹に問うた、二人共風呂上がりの爽やかな感じだが上下共に黄色のジャージ姿の富美子には色気はない。
「彼氏のことでしょ」
「まあね」
 富美子も否定せずに応えた。
「それはね」
「やっぱりね」
「合コンの予定あるから」
「テストが終わって」
「それでね、工業科の子達とね」
「ああ、かな恵ちゃんの彼氏の」
 姉は妹の話を聞いてすぐに応えた。
「あの子のつてね」
「明男君ね」
「そうよね」
「ええ、そうよ」 
 妹はまた姉に答えた。
「明男っちがね」
「工業科の子達紹介してくれるのね」
「そうなの」
「あっちはあっちで必死なのよね」
 空けたビールをコップに入れる、するとコップの中に泡立つビールがどんどん入っていった。 
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