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孤独から幸福を得た猫達

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第二章

「猫!?」
「そう、猫なの」
 黒髪都黒い目で太った中年女性の彼女に言われた。
「今大雨だけれど」
「その猫をなのね」
「助けたいから。よかったら今からね」
「猫を保護するのね」
「そうしたいから手伝ってくれないかしら」
「わかったわ」
 二つ返事で引き受けてだった。
 ロンドはアガサのところに向かった、そして大雨の中にだった。
 サビの大きな猫がいた、濡れたその猫をすぐに保護すると。
「子猫達もいる筈よ」
「お母さんなのね」
「そう、この娘はね」
「ニャア」
 アガサはその猫を拭いて車の中のキャリーに入れつつ話した。
「最近うちのお庭に来ていたけれど」
「子猫も一緒だったの」
「四匹ね、この娘が大雨で震えていてね」
「保護することにしたのね」
「それでこの機会に飼うことにしたけれど」
「子猫達もなのね」
「そうしたいから」
 だからだというのだ。
「今からね」
「子猫達もなのね」
「探して」
 そうしてというのだ。
「助けたいの」
「それで飼うのね」
「皆ね」
「わかったわ、では探しましょう」 
 ロンドはアガサに頷いて応えてだった。
 一緒に子猫達を探した、暫く見付けられなかったが。
 アガサの家の傍の茂みの中でだった。
「ニャア~~」
「ナア~~」
「ウニャア~~」
「ンナア~~」
 子猫達の鳴き声がした、それで二人がそこに行くと。
 四匹の猫達がいた、それぞれグレーと黒、白、茶トラであった。アガサは四匹を発見するとすぐにだった。
 四匹共その身体を丁寧に拭いて母猫と同じキャリーに入れた、すると。
「ニャ~~ン」
「やっぱり母猫ね」
「そうね」
 二人で子供達の身体を舐める母猫を見て話した。
「じゃあこの子達は」
「これからは幸せになれる様にしないとね」
「折角助けたんだから」
「これからもそうならないと駄目よ」
 こう話してだった、猫達はアガサの家に迎えられて。 
 獣医にも診察してもらってだった。
「名前も付けたのね」
「この娘はハドソンでね」
 アガサは自宅に来たロンドに母猫から話した、見れば今は家の床の上で子猫達に乳をあげて寝転がっている。
「黒猫の雄の子はホームズ、グレーの雄の子はワトソン、白の雌の子はマーベル、茶トラの雄の子はポワロよ」
「それぞれ名前を付けてあげたのね」
「首輪もね」
 見れば五匹共首にはそれがあった。
「それでね」
「これからはなのね」
「この子達はずっと一緒よ、もう雨にもね」
「濡れることはないわね」
「そうよ、私と主人と子供達で育てていくわ」
「そうしてあげね、人も一人でも多く幸せになって」
 ロンドは猫達を見て温かい笑顔になっているアガサに話した。
「そして猫もね」
「一匹でも多く幸せにならないとね」
「そう、だからね」
「これからもね」
「幸せにしてあげてね」
「そうなる様にしていくわ」
 アガサも約束した、そうしてだった。
 今は猫達を見ていた、彼等は今は幸せの中にあった。暖かい快適な部屋の中で親子が揃って一緒にいて。


孤独から幸福を得た猫達   完


                2021・11・26 
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