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オズのラゲドー氏

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第五幕その二

 その湖と道を見てです、ナターシャはトロットに尋ねました。
「ここは泳いで行くんですか?」
「安心して、船頭さんがおられるわ」
「そうなんですか」
「ええ、もうすぐ来るわよ」 
 トロットがこう言うとでした。
 小舟が来ました、その舟には。
 ギリキンの服を着たビーバーがいました、ビーバーはオールを手にして一行に笑顔で尋ねてきました。
「渡るのかな」
「ええ、お願いするわ」
 トロットはビーバーに笑顔で答えました。
「向こう岸までね」
「わかったよ、それでは乗ってくれ」 
 ビーバーも応えてでした。
 一行は小舟に乗って湖を進んでいきました、その湖を見ますと。
 水面から湖の中に沢山のお魚がいてです、川は木の枝で造られたダムでお水が堰き止められていてです。
 真ん中にやはり木の枝で造られた丸い何かがあります、ナターシャはそういった湖の中を見て言いました。
「ここはビーバーのダムとお家なのね」
「そうだね」 
 カルロスはナターシャの言葉に頷きました。
「ここは」
「アメリカの湖やお池だね」  
 ジョージはその湖の状況を見て言いました。
「ここは」
「ビーバーはこうして生活を送っているんだよね」 
 神宝も言ってきました。
「オズの国でも」
「そうね、湖やお池にダムを造ってね」 
 恵梨香も言います。
「お家も造るのね」
「そうだよ」
 ビーバーも答えます。
「あの湖の中のものがわしの家でね」
「そうなのね」
「そして水を堰き止めているのがダムだよ」
「やっぱりそうね」
 ナターシャはビーバーの言葉に笑顔で応えました。
「貴方のものなのね」
「そうなんだ、ただね」
「ただ?」
「わしはお水の中では服を脱いでね」 
 そうしてというのです。
「水着になってだよ」
「泳いでいるのね」
「そうなんだ、わしは泳ぐのが大好きで」
 それでというのです。
「得意なんだ」
「そうなのね」
「ここでの暮らしは楽しいよ」
 湖の中でのそれはというのです。
「本当に」
「快適なの」
「こんないいものはないよ」 
 ナターシャに笑顔でお話します。
「だからここに一家でだよ」
「楽しく暮らしているのね」
「ずっとね、そして人が来れば」
 その時はというのです。
「こうしてだよ」
「渡し守をしているの」
「そうだよ」
 実際にというのです。
「わしはね」
「成程ね」
「わしは泳げないから有り難いよ」
 前ノーム王は笑顔で述べました。
「舟で渡してくれて」
「誰か来たら絶対にそうしているよ」
「そうなのだね」
「そう、そして」
 それにというのです。 
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