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ハッピークローバー

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第三話 中間テストその十一

「六十だと」
「まだまだこれからね」
「そのまだまだこれからでね」
「お亡くなりになるから」
「だからね」
 それでというのだ。
「やっぱりね」
「よく寝ることね」
「その方がいいわよ」
「身体に無理して生きてたらよくないってことね」
 留奈は考える顔で述べた。
「誰でも」
「そう、やっぱりね」
 かな恵は留奈にも応えた。
「だから私もね」
「よく寝てるのね」
「寝れない時はね」
 かな恵は笑ってこうも言った。
「ちょっと冷蔵庫に行って」
「お酒ね」
「ビールだと弱いから」 
 アルコール度が低いからだというのだ。
「それでね」
「ストロング系ね」
「それかワインをね」
 この酒をというのだ。
「飲んでよ」
「寝てるのね」
「近所のとある奥さんは一日十二時間寝てて」 
 それでというのだ。
「寝られないと思ったら」
「ああ、あのオーストラリア人とのハーフの奥さんね」
「あの人は寝られないと」
 その時はというのだ。
「ウイスキーボトル一本ね」
「空けるのね」
「何でもそれをごくごくと飲んで」
 そしてというのだ。
「お休みらしいけれど」
「かな恵はそこまでいかないのね」
「ストロングの五〇〇を何本か飲んで」
「寝てるのね」
「お酒飲んで寝るのはあまりよくないらしいけれど」
「まず寝ることだから」
「だからね」
 それでというのだ。
「お酒を飲んでもね」
「寝てるのね」
「そうなの」
「かな恵は飲み過ぎよ」
 一華はかな恵にどうかという顔で突っ込みを入れた。
「ちょっと以上にね」
「駄目かな」
「あまりよくないわね」
 こう言うのだった。
「やっぱり飲み過ぎはね」
「睡眠不足よりもよくない?」
「そう言われるとわからないけれど」
 それでもというのだ。
「けれどね」
「それでもなのね」
「やっぱり飲み過ぎもね」
 こちらもというのだ。
「よくないでしょ」
「そうよね」
「自覚してるわね」
「うん、ただね」
「かな恵お酒好きだしね」
「煙草もシンナーも麻薬もしないけれど」
「最初のは未成年アウトで後の二つは絶対に駄目でしょ」
 一華は即座に突っ込みを入れた。
「そもそも」
「だから私しないよ」
「絶対にしないでね」
 シンナーと麻薬はというのだ。
「特に麻薬はよ」
「覚醒剤とかね」
「あれやったら早死にするわよね」
 一華はこうも言った。 
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