| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二話 身の用心その三

「逃げることをね」
「第一にして」
「どうしてもという時は」
「潰すのね」
「そうしてね」
「自分の身を守るのね」
「そうしなさいってね、それで弟にも言われたわ」
 かな恵には弟がいるのだ、その彼からもというのだ。
「私結構抜けてる様に見えるから」
「注意しろってなの」
「言われたわ」
 その弟からもというのだ。
「本当にね」
「そうなのね」
「だから私もね」
「気をつけてるの」
「そうなの」
「成程ね、じゃあ私も」
 かな恵の話も聞いてだ、一華はあらためて決意した。
「防犯具はね」
「持っておくのね」
「そうするわ」
「絶対にそうしてね、世の中変な人もいるし」
「お母さんの言う通りにね」
「だからね」
 それでというのだ。
「備えておくわ、あと変な場所にはね」
「最初から行かない」
「それがいいわね」
「そう、例えば歌舞伎町のね」
「東京のね」
「裏側とかね」
「危ないっていうわね」
 一華もこの場所のことは聞いていて言った。
「あそこは」
「賑やかな場所は安全でも」
 それでもというのだ。
「そのすぐ裏側はね」
「危ないのよね」
「賑やかな場所は人が見るけれど」
「裏側は」
「陰になっていたら見ないでしょ」
「賑やかな場所を見てね」
「そこが一番何かあるから」
 かな恵も話した。
「最初からね」
「行かないことね」
「そう、何でも歌舞伎町でも賑やかな場所はね」
「安全なのね」
「普通の居酒屋とかカラオケボックスはね」 
 そうした場所はというのだ。
「よくてね、そのすぐね」
「裏側ね」
「アウトローの人も多いし」
 歌舞伎町にはというのだ。
「そうした場所にはね」
「行かないことね」
「最初からね。うちの学校も妖怪や幽霊はそうでしょ」
「物陰で見たってお話多いわね」
 一華は自分達が通っている八条学園のその話に頷いた、この学園は世界屈指の心霊そして妖怪スポットでもあるのだ。
「堂々と出ている場所もあるけれど」
「けれど大体でしょ」
「そんな風」
「雪が降る時古い校舎裏に雪女いたとか」
「あと夜よね」
「一杯そうしたお話あるけれど」
 八条学園にはというのだ。
「やっぱり賑やかな」
「そのすぐ傍ね」
「そこに出るし」
「危険な場所も」
「妖怪や幽霊は怖くないけれど」
 学園に出て来る彼等はというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧