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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百四十一話 八条荘に帰ってその十三

「八条グループのマスコミは信頼されてるんだよ」
「嘘を吐かない、偏向していないって」
「嘘を吐く、偏向しているマスコミなんてな」
 それこそという言葉だった、テレビに普通に出ている青何とかとかいう眼鏡をかけたジャーナリストなんて明らかにおかしい。
「狼少年だ」
「嘘吐きと思われて」
「誰も信じなくなるさ、それもな」
「それも?」
「この狼少年は最後までな」
「嘘吐くんだね」
「あの狼少年は最後は本当のこと言ったな」
 僕に言ってきた。
「狼が来たってな」
「本当に来てね」
「けれどもうな」
「信用されなくなっていてね」
 これまで散々嘘を吐いてきてだ。
「羊を全部食べられたね」
「話によっては自分も食われたさ」
「そうなったね」
「もっとも自分も食われたのはな」
 狼少年自身がだ。
「これも嘘だ」
「狼は基本人を襲わないからね」
「羊を食ったならな」
 それも群れの全部をだ。
「だったら餓えてない」
「相当餓えてないと人襲わないから」
 狼はだ。
「だからね」
「狼少年が食われたのはな」
「ないよ」 
 そうだったというのだ。
「それはね」
「だから細かく言うとこれもな」
「嘘だね」
「ああ、しかしな」
「狼少年は最後は本当のことを言ったね」
「信じてもらえなかったがな」
 これまでの嘘のせいでだ。
「自業自得の教訓の話だから当然でもな」
「本当のことは言ったね」
「けれどな」
 日本のマスコミはだ。
「最後の最後までな」
「嘘を吐くんだね」
「それで滅びるさ」
「そう聞くと滑稽だね」
「そうだな、それが日本のマスコミなんだよ」
「覚えておくよ」
 こう親父に答えた。
「本当に」
「そうしろ、大人になるまで色々とな」
 僕にこうも言ってきた。
「覚えておくことが多いけれどな」
「その全部をだね」
「出来るだけな」
 多くというのだ。
「覚えておけよ」
「そうしていくね」
「是非な」92
 僕に言ってきた。
「そうしてくれよ」
「それじゃあね」
「まあ何かとこれからもな」
「言うんだ」
「そうしていくな、お前は俺の息子だからな」 
 だからというのだ。 
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