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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百三十七話 天理教の教会その十

「お二人はそっくりなんだ」
「親戚同士ということを抜いても」
「それでもね」
「そうなのね」
「だから」
 僕はさらに話した。
「若し同じ服だと」
「見分けがつかないの」
「双子と言われても」
 それでもだ。
「その双子の人達以上にね」
「そっくりなの」
「そうなんだ」
 マジックの長女さんと八条分教会の長女さんはだ。
「外見も性格も声も」
「その何もかもが」
「そうなんだ」
 これがだ。
「だからお会いしても驚かないでね」
「そっくりでも」
「うん、あと何か」
 僕は娘さんについてさらに話した。
「最近天理の方でいつも会っている後輩の人がいるらしんだ」
「後輩の人?」
「僕と同じ高校二年生で」
 だから同級生だ。
「天理高校、その人の高校の後輩の人で」
「いつもお会いしてるの」
「男の人らしいね」
「彼氏さん?」
「娘さんはそんなこと言ってないよ」
 一言もだ。
「只の後輩さんだってね」
「そうなの」
「まああの人真面目だけれど」
 娘さんはだ。
「けれど恋愛とかは未経験なんだ」
「じゃあ知らないの」
「何か自分はブスとか言われたことがあるとかで」
 それでだ。
「もてない、ブスだってね」
「思われてるの」
「マジックの娘さんと同じ外見だよ」 
 僕は香織さんにまたこのことを言った。
「だったらわかるよね」
「あの人アイドルクラスの人じゃない」
「そうだよね」
「外見もお声も」
「その外見なんだよ」 
 そして声もだ。
「じゃあわかるよね」
「凄く可愛いわね」
「アイドルみたいにね」
 それもトップクラスのだ。
「そうした人なんだ」
「それでもなの」
「子供の頃そう言われたらしくて」 
 子供のすることだ、そんなこと言う人なんてそれこそ幾らでも言う。よく考えないで言うのも子供だからだ。
「それでね」
「そう思われていて」
「それでなんだ」
 その為にだ。
「もてないって思われていて」
「その人とも」
「どんなアタックを受けていても」
 例えそうでもだ。
「多分ね」
「気付かれていないのね」
「そうだと思うよ」
 僕が予想するにだ。
「こと恋愛にはかなり疎い方だから」
「それでなの」
「気付かれていなくて」
 それでだ。
「ただのね」
「後輩の人って思ってるのね」
「天理教は結婚出来るから」
 宗教的に教えを行う立場の人でもだ。 
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