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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百三十二話 大晦日のデートその十

「それが僕も信じられないよ」
「そうよね、努力してなかったかって」
「そんな筈ないから」
 徹夜が普通な位に仕事をして調べてだ。
「絶対にね」
「さもないとあそこまで描けないわね」
「漫画描くにも努力しないとね」
 もうそれこそだ。
「出来るものじゃないから」
「そうよね」
「それで結果を出していても」
「嫉妬していたのね」
「これがベートーベンだとね」
 手塚治虫はどうもこの人が好きだったらしい、三つ目がとおるでもそのままのキャラクターを出していたし未完だがこの人の人生そのものを描いてもいる。
「もうね」
「ああ、ベートーベンはね」
 香織さんはこの人についてはすぐに言った。
「自信家でね」
「尊大でね」
 自信家どころかだ。
「もう他の人に嫉妬とか」
「しなかったのね」
「自分の音楽は万人がひれ伏すものと思ってたから」
「逆に凄いわね」
「もう他の人に嫉妬なんてね」
 それこそだ。
「全くだったよ」
「思わなかったわね」
「手塚治虫とは逆にね」
「そっちはそっちで凄いわね」
「ベートーベンが嫉妬するとか」
 それこそだ。
「思わないよね」
「全くね」
「ただ癇癪持ちで」
 それもかなりのだ。
「やたら怒ってものを投げた」
「困った人だったことは有名ね」
「頑迷で気難しくてね」 
 この二つもかなりだった。
「今で言うかなりのコミュ障害だったんだ」
「いい人じゃなかったのよね」
「高潔で清廉潔白だったけれどね」
 それでもだ。
「服を全然着替えなかったりで」
「色々難しい人だったの」
「もうそれでね」
 そのせいでだ。
「敵も多かったけれど」
「嫌われ者だったのよね」
「あれだけ嫌われてるなんてね」
 僕が知る限りだ。
「ワーグナー位だね」
「他には」
「ワーグナーも酷かったけれど」
 こっちはとんでもない浪費家で自作自演をやって反ユダヤ主義で失言癖と放言癖があって恩人や弟子の奥さんに手を出した。
「ベートーベンもね」
「付き合いにくい人で」
 それでだ。
「敵もね」
「多かったのね」
「ただ世の中について色々言っても」
 ナポレオンの皇帝即位に怒って楽譜を破り捨ててもだ。
「不平不満以上にね」
「努力してたわね」
「それで嫉妬はね」
 この感情はだ。
「無縁で努力もしていたから」
「そうね、ただ鐘の音が聞こえたら」
「耳が聞こえていてもね」
 ベートーベンの耳が悪かったことは有名だ、梅毒が原因と聞いたことがある。 
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