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ドリトル先生と幸せになる犬

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第一幕その八

「もうね」
「それでいいんだ」
「そうだよ」
「全く平気なんだ」
「うん、自分の身が安全なら」
 それでというのです。
「もうね」
「いいんだ」
「それが自分しかない人だから」
「訴えられてもなんだ」
「全く平気だよ」
「有罪にならないと」
「そうだよ」
 こう王子にお話しました。
「そんな人はね」
「最低だね」
 ダブダブもそのお話を聞いて思いました。
「そんな人は」
「もう人間ですらないね」 
 ジップは項垂れています。
「そこまで酷いと」
「悪いことしたら駄目だよ」
 トートーはその根本を言いました。
「絶対にね」
「そして嫌われたらね」 
「嫌よね」  
 チープサイドの家族もお話します。
「それに気付かないでね」
「平気でいられるのもよくないね」
「何かそんな人に何かしても」
 チーチーはあることに気付きました。
「絶対に有り難いとは思わないね」
「それで絶対に自分がしたらしてあげただね」
 こう指摘したのはホワイティでした。
「仕方なくやった、感謝しろだね」
「そんな人誰が好きになるのかな」
 こう言ったのは老馬でした。
「僕達だって嫌いになるよ」
「しかも悪いことしても平気で」
「それで訴えられても有罪じゃないと平気とか」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「良心がないってことだね」
「有罪になってもしまった、だね」
「罪悪感もないなんて」
 ガブガブは言いました。
「人間でないわね」
「世の中そんな人もいると思うと」 
 ポリネシアは思わずお空を見上げてしまいました。
「残念ね」
「あの、そんな人滅多にいないですよね」
 トミーは先生に尋ねました。
「流石に」
「大勢いたら大変だよ」
 それこそとです、先生も答えました。
「流石にね」
「そうだよね」
「滅多にね」
「そんな人はいないね」
「命を平気で捨てられる、自分しかない人はそうそういたら」
 トミーも思いました。
「もう」
「世の中は大変だよ」
「そうですよね」
「だからね、そんな人はね」
「滅多にはいないですね」
「そこまで良心のない人はね」
 そうはというのです。
「いないよ」
「じゃあ大抵の人は」
「ある程度の良心はあるよ」
「それはいいことですね」
「良心があるとそれだけ大変なこともあるけれど」
 先生は考える顔でこうも言いました。
「そこまで良心のない、一言で言うと性格の悪い人はね」
「そうはですね」
「いないから」
 だからだというのです。 
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