助けを求めて来た野良犬
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第二章
「お店の中にもいますね」
「犬の保護活動をしていまして」
「このお店をやりながら」
「はい、私はバヌ=ジェンギスといいまして」
名前も話した。
「薬剤師です」
「だから薬局をしておられますね」
「そうです、薬局の中にご飯を出して犬用のベッドも用意して」
そうしてというのだ。
「この辺りの野良犬の憩いの場にです」
「していますか」
「家には一匹いて、経済的な理由で一匹以上飼えないですが」
それでもとだ、バヌはさらに話した。
「こうしてです」
「犬達を助けていますか」
「それでこの子もです」
ムアーウィアを見て話した。
「いつも来ていますがこの前お手をしたら」
「前足が傷付いていたんですね」
「それですぐに手当てをしまして」
それでというのだ。
「今はです」
「包帯を巻いていますか」
「そうです、私を頼って手当てを求めてきたので」
だから前足を出したというのだ。
「私もです」
「応えられたんですね」
「そうしました」
「ワン」
ここでムアーウィアも鳴いた、ここまで聞いてだった。
スタッフは自分のこととロベルトのことを話した、するとバヌはこう言った。
「ブラジルでも同じ様なことがあったんですね」
「犬もよくしてもらっていると」
「よくしている人を頼ってくれますね」
「そうですね、人と同じですね」
「その人を信じてくれるから」
「そうなりますね」
「本当にそうですね」
バヌはスタッフに笑顔で応えた、そして。
スタッフはブラジルに帰るとデイジーにこの話をした、するとデイジーもだった。
「頼られて悪い気はしないわね」
「そうですね、そして頼って来た子を助けることも」
「悪い気はしないわ、だからね」
「これからもですね」
「ご飯を出して怪我をね」
「治していきますね」
「そうしていくわ」
デイジーは笑顔で応えた、そうして今日も病院の外に野良犬達の為のご飯を水を置いた。その時の彼女の顔も笑顔であった。
助けを求めて来た野良犬 完
2021・7・21
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