| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

年上で

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三章

「君もだ」
「そろそろですか」
「結婚を考えてだ」
「やっていかないと駄目ですか」
「自分のことだけじゃないからな」 
 課長は真剣な顔で語った、見ればズボンがよく似合うスタイルの淳美と似ていて脚が長い。ただし年齢のせいか腹は出ている。
「恋愛は」
「結婚もですね」
「相手のことも考えてな」
「やっていかないと駄目ですか」
「だからだ」
「結婚もですね」
「あの娘のことも考えてな」
 そのうえでというのだ。
「それでよかったら前向きにな」
「考えてですね」
「交際したらどうだろうか」
「そうですね、僕の年齢を考えますと」
 筧は課長の言葉に真剣な顔で応えた。
「まだ早いと思っても」
「相手の娘は違うな」
 この場合は淳美のことである。
「そうだな」
「はい、実際に」
「だからな」
「先輩、淳美さんのことも考えてですね」
「交際してみたらどうだろうか」
「わかりました」
 筧は課長の言葉に頷いた、そうして実際にだった。
 結婚のことを考える様になった、そのうえで結婚のことも色々と調べていった。それから淳美が二十五歳の誕生日を迎える月に。
 彼女とのデートの時に指輪を出した、その指輪には淳美の誕生月の石があった。淳美はレストランでその指輪を見てだった。
 目を瞬かせてそうして言った。
「プロポーズか」
「はい、課長からアドバイスを受けまして」
「叔父さんからか」
「そうなんです」
「叔父さんは兄弟の一番下で私と最も歳が近い親戚だ」
 淳美は課長、自分から見て叔父にあたる彼の話もした。
「私にとってはお兄さんみたいな人だ」
「そうですよね」
「叔父さんからのアドバイスか」
「それを受けまして。先輩のことも考えて」
「そしてか」
「今日は」 
 淳美と指輪を見ながら話した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧