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クー=シーの様に

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第二章

「そうなります、ただです」
「ただ?」
「ただといいますと」
「別に健康にも寿命にも関係ありません」
 一切、そうした言葉だった。
「別に色が緑でも」
「そういえば元気ですね」
「母犬のお乳も吸っていましたし」
「今もです」
「どうこう言う状況でもないです」
「あくまで色素のことです」
 このことに過ぎないというのだ。
「人間でも有り得ますので」
「気にすることはないですか」
「特に」
「母犬も何とも思っていないですね」
「他の子と同じです」
「そうして育てています」
 夫婦で獣医に答えた。
「分け隔てなくお乳をあげて」
「それで身体を舐めたりしています」
「気にするのは人間だけです」
 獣医は笑って話した。
「犬は色がわからないこともありますが」
「何も問題はない」
「そのことがわかっているんですね」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「気にされることはないです」
「そうですか」
「ではこのままですね」
「大事にされて下さい」 
 こう夫婦に言うのだった、そしてだった。
 夫婦はその緑の子犬を毛の色からフォレスト、森は緑色なのでそう名付けた。そうして他の子達と一緒に育てていき。
 七匹は里親に出したがフォレストはというと。
「大騒ぎした分思い入れもあるからな」
「あんたはうちにこのままいてもらうわ」
「リオもそれでいいな」
「この子は一緒よ」
「ワン」
 リオもここで鳴いて応えた。そうして母子で暮らしているうちに。
 フォレストは次第に普通の毛の色になっていった、夫婦でその彼と共にいると。
 イングランドで同じ様な話を聞いてその家に行った、その家の主婦であるエレイン=クーパーが夫のマークと共にルイーズ達を出迎えた。エレインは黒髪で黒い目の一六七程の背の中年女性でマークは栗色の髪の毛と青い目で面長の一七七位の痩せた中年男性だ。
 その二人がルイーズ達に見せた犬は。
「クンクン」
「クゥ~~~ン」
「クゥン」
「クン」
「クンクンクン」
 五匹の子犬のゴールデンレッドリバーの中にだった。
 一匹だけ緑の毛の子犬がいた、マーク夫妻はここでサザーランド夫妻に話した。 
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