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アラスカン=マラミュート

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第二章

「これからもな」
「智深は一緒ね」
「ああ、これからもな。というか今や店の看板だ」
 大きいので目立っていてだ、そして賢く大人しく愛嬌もあるのですっかり近所の人達に愛される様になっているのだ。
「おまけにこの姿だけで変な奴が逃げるしな」
「もう智深いてこそね」
「ああ、うちはな」 
 笑顔でこう言ってだった。
 彼は智深の頭を優しく撫でた、すると彼は尻尾を嬉しそうに振った。
 店は彼が看板になったこともあり前以上に繫盛した、一家はこのことをネットでも店の宣伝も兼ねて紹介したが。
 その話を聞いたイギリスカンブリア州在住の夫婦シェーン=グラッドソンとエミリーの夫婦は北京のその店を訪問した。夫は赤髪で緑の目の一八〇位のショートヘアで妻は長い銀髪で青い目で背は一七〇位だ。二人共四十代程で肉付きがいい。
 その二人は二匹のアラスカン=マラミュートを連れていた、二匹共白い毛だが一匹の背中は黒い。そして白と銀の猫もいた。
「こちらのお話を聞いて来ました」
「中国への旅行でいい機会だと思いまして」
「いや、いい子ですね」
「同じマラミュートの子で」
「イギリスから来たんですか」
 黄は夫婦にたどたどしい英語で応えた、この店には外国人が来ることも多いので英語もある程度喋られるのだ。
「それはまた」
「ワンッ」
 智深も父の横で鳴いた、それはまたという感じで。そして黄はさらに言った。
「犬達に猫まで連れて」
「この子はマイロ、雌です」
「ニャア」 
 その猫も鳴いて応えた。
「私達の娘です、そしてこの子達も」
「家族ですね」
「はい」
「ワンッ」
「ワンワン」
 二人同時に答えると犬達も鳴いた、やはりはいという感じだった。シェーンは黄にさらに話した。
「結婚式は二匹に付き添ってもらいましたし」
「今もですね」
「こうして一緒です、マラミュートはいい犬ですね」
「ええ、大きいことに驚きますが」
 それでもとだ、黄はシェーンに笑顔で応えた。
「一度一緒にいると離れられないdすね」
「全くですね、では今から詳しくお話しますか」
「はい、この子達のことをですね」
「お店のものも買わせて下さい」
「お安くしておきますよ」
 二人で笑顔で話した、その横では。 
 三匹の犬達が初対面なのに猫も交えて仲良く遊んでいた、黄色はショーン達と家族ぐるみで親しくアラスカン=マラミュートについて話した。その後でイギリス人の夫婦は帰った。黄は二匹の犬そして猫と共に店を後にした彼等を見送ってから妻に言った。
「智深が家に来てよかったな」
「ええ、お陰で私達は前よりも幸せになれたわ」
「そう思うとな」
「本当にこの子がうちに来てよかったわ」
 妻も笑顔で言った、そして夫婦で智深を撫でた、すると智深は目を細めさせて尻尾を振った。夫婦はその彼を見てさらに笑顔になった。


アラスカン=マラミュート   完


                  2021・5・16 
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