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水が好きな理由

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第一章

                水が好きな理由
 国崎洋介はふわりの散歩に帰ってから両親にそのふわりを拭きながら話した。
「こいつまただよ」
「ああ、それはね」
 母が話した。
「お母さんがお散歩に行く時もね」
「あるんだな」
「そうなの」
 こう息子に話した。
「これがね」
「そうなんだな」
「ちょっと油断したら」
 その散歩の時にというのだ。
「もうね」
「その時はか」
「公園の噴水とかにね」
「今日そうだったよ」
 まさにとだ、息子は母に話した。
「公園散歩してたら」
「あそこの噴水になのね」
「飛び込んで泳いだよ」
「そうするのよね、ふわりって」
「ああ、何でなんだ」
 息子は首を傾げさせて言った。
「ふわりは水が好きなんだ」
「犬ってお水嫌うわよね」
「普通はそうだよな」
 知識から話した。
「濡れるの嫌がるよな」
「ええ、けれどふわりは雨の時でもお散歩喜んで行くし」
 この時は犬用の雨衣を着せている。
「お水の中にもね」
「入るな」
「ええ、だからね」 
 それでというのだ。
「それが不思議よ」
「こいつの習性か」
「そうかしら」
 母と息子でこう話した、だが。
 後日父は二人がふわりがまた公園の噴水に入ったところで言った。
「それは習性だよ」
「習性?」
「習性って何だよ」
「だからトイプードルの習性だよ」
 こう自分の妻と息子に話した。
「ふわりの種類の犬のな」
「水が好きなのかよ」
「トイプードルは元々スタンダードプードルだろ」
 この種類の犬から品種を改良していってそうなったというのだ、このことはしっかりと犬の歴史にもある。
「そうだろ」
「あの大きなプードルか」
「ああ」
 父は息子の問いに答えた。
「そうだよ」
「あの犬がどうしたんだ」
「だからあのプードルは元々狩猟犬だろ」
「水鳥を捕まえていたな」
「そうだったろ、だからな」
 それでというのだ。 
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