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魔法少女リリカルなのはStrikerS~赤き弓兵と青の槍兵

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本編
  十八話~公開意見陳述会(前編)

side なのは


陳述会が二日後に迫った日、フェイトちゃんと共にはやてちゃんに呼び出された。


「わざわざごめんな。でも、これは大事な話なんや。教会の方から新しい予言解釈が来てな。公開意見陳述会が狙われるのはほぼ間違いないそうや。それと、陳述会本番は中に入れるのは私たち三人とあと一人だけになりそうなんよ。ほんとなら副隊長クラスを二人は置いておきたかったんやけど………」


申し訳なさそうに言うはやてちゃん。ほんと、変わってないなぁ………


「平気だよ。これまでだって、三人一緒に乗り越えてきたんだから」
「フェイトちゃんの言う通り。それに、新人たちもサードリミッターも解除してる。それに、副隊長たち、士郎君たちもいい調子だし。だから、大丈夫」
「そうか……とにかく、ここを抑えればこの事件は一気に好転する。だから……頑張ろうな」
「「うん!」」


この時の私たちは、この後におこる悲劇を想像すらしていなかった。まさか、あんなことになるなんて………



side 士郎


陳述会の前日の夜。六課前線メンバーはロビーに集められた。


「それじゃ、前から説明していた通り、スターズ全員、エリオとキャロ、リイン、ギンガは現場入りや。私とフェイト隊長、シグナム副隊長、ランスは明日の早朝に現場に向かうからな」
「みんな、仮眠は取った?」
「「「「はい!」」」」


フォワード新人たちは元気だな。私は何やら胸騒ぎがしてならないが……




…………………………………………………………………



出発時間になり、屋上へと集まった。そんな時だった。


「ママ、パパ……」



ランサーに連れられたヴィヴィオがやってきたのは。


「あれ?ヴィヴィオ……だめだよ、お兄さんに迷惑かけたら」
「まぁまぁ、堅苦しいこと言うなって嬢ちゃん。俺が連れてきたんだからよ」
「そうなの?」
「ああ。どーしてもママとパパを見送りたいんだとさ」
「ごめんなさい……」


全く、なんだかんだで奴も甘いな。


「我が儘を言ったのはあんまり関心しないけど、嬉しいよ。ありがとう、ヴィヴィオ」
「いつかえってくるの?」
「今日は帰ってこれないが、明日の夜には帰る。だから、いい子で待ってられるな?」
「いい子にしてたら、ママがヴィヴィオの好きなキャラメルミルク作ってあげるからね」
「……ぜったい?」
「ああ。約束だ」
「絶対、帰ってくるからね」


そう言って私はヴィヴィオの頭を優しくなでる。なのはは指切りをしていた。


「さて、そろそろ時間だろ?早く行ってやんな。心配すんなって。こっちには俺もフェイトもいる。それに、あっちはお前ら待ちみたいだぜ?」


ランサーの言葉にヘリに向かう私達。


そして、ヘリに乗り込んだ。



………これが少し長い別れになるとも知らずに。




…………………………………………………………………




現在はヘリの中。任務についての説明も終わったところで、


「それにしても、ヴィヴィオすっかりお二人にべったりですよね~」
「そうかな~?」
「そうですよ。もういっそ養子にしちゃえばいいんじゃないですか?」


そのことか……


「実は、まだ迷ってるんだ」
「「「「迷ってる?」」」」


なのはがそう切り出す。最近悩んでいると思っていたが、そういうことだったか。


「うん。六課が解散になったら、士郎君と私は別の部隊になるから住む場所も変わるし、どっちが引き取るべきなんだろう、って」
「そんなの簡単ですよ。お二人が一緒に住んじゃえばいいんです!」


キャロの発言にポカーンとしてしまうほかのメンバー。しばらくして事を理解したのかなのはが、


「そ、そそそそそれはちょっと………」
「何かいけないことがあるんですか?」


ああ、純粋だ……だが、ちょっと常識知らずではないか?


「普通はな、結婚してない男女が一緒には住まないんだぞ、キャロ」


衛宮士郎である私がこれを言って説得力があるかは疑問だがな。


「そうなの?エリオ君」
「うん。普通はそうだよ」


その言葉にしばらく考え込むキャロ。少しして、何かすごいことに気が付いた、と言う顔で


「じゃあなのはさんと士郎さんが結婚すれば解決ですね!」


ものすごいことを言い出した。


「いやいや、どうしてそういう発想になるのだ?それに、なのは程の女性なら私などよりもいい男に巡り合えるだろうさ」


そう言ったら、ティアナが


「……鈍感男」


小声で何かを呟いていた。


「何か言ったか、ティアナ?」
「いいえ、なんにも?ただ士郎さんは本当に鈍いな~って」
「私は鈍くなどないぞ……」


そう言い返したら強く睨まれた。……なんでさ。




side フェイト



部屋に戻り、ヴィヴィオとランスと三人で過ごす。
部屋に戻ったヴィヴィオが一枚の写真に気が付いた。


「このひと、フェイトおねえさんのママ?」


それは、プレシア母さんとアリシア姉さんの写真。


「そうだよ。テスタロッサのお家のプレシア母さんとアリシアお姉ちゃん。フェイトさんの大事な家族だよ」
「へぇー」
「それより、ママとパパがいないからって遅くまで起きてちゃだめだからね。早く寝る仕度しないと!」
「はーい!」


その後、寝る仕度も終わり後は寝るだけ、と言うところで通信が入った。


「はぁ~い、フェイト、こんばんわ。ヴィヴィオちゃんも、こんばんは」
「こんばんは」
「母さん?こんばんは。こんな時間にどうしました?」
「いや、明日の陳述会なんだけどね、私も顔だそうかな~って。久しぶりに娘に会いたいし」


全く、いっつもこうなんだから……


「明日はクロノも別任務で来ませんし、本局の方もあまりいらっしゃらないそうですよ。それに私は警備任務ですから」
「あ~ん、フェイトのいじわる~。ねぇ、ランスさんからも何か言ってくださいよ~」
「あんまケチケチすんなよ、フェイト。いいじゃねえか、ちょっとくらい」
「よくないよ!母さんは何かと理由をつけてはすぐ見に来ようとするんだから!」
「だ、そうだぜ。リンディさんよぉ」
「も~、いっつもそうやって………」
「どうしました?」
「ねぇ、フェイト。そこはあなたの寝室よね?」
「そうですが?」


パジャマ姿でいるのだ。当たり前だろう。


「で、どうしてランスさんがここに?まさか……逢引き!?」
「いや、ここ俺の部屋でもあるし」
「ママとパパとわたしのおへやでもあります!」


母さん、思考中…………



思考終了。


「まさか……ねえヴィヴィオちゃん、普段はどうやって寝ているのかしら?」
「こっちのおっきいベッドでママとパパとわたしがねて、あっちのちいさいベッドでフェイトおねえさんとランスおにいさんがねてます」
「………………」
「あのー、母さん?」
「フェイト」


母さんが何時になく真面目な声で私を呼んだ。


「襲われちゃいなさい♪」


と思ったらいきなり満面の笑みで爆弾発言して勝手に通信を切っちゃいました。


「ちょっと何言ってるの!?母さん!?かあさーん!!!!」
「ねえねえ、おにいさん。フェイトおねえさんだれかにおそわれちゃうの?」
「あー、お前にはまだ早い話だ。もう少し大きくなってからじゃなきゃわかんねえぞ」
「むずかしい?」
「そうだな………って、おいフェイト。どうした?」


私の様子を心配して聞いてくるランス。でも私は……


「はうう…………」


ゆでダコと化していた。


「顔が赤いぞ?熱でもあんのか?」


意地の悪い笑みを浮かべ、明らかに理由をわかっていてのこの発言。ほんとにランスは意地悪なんだから……


「おねえさん、ぐあいわるいの?」
「平気だよ。ちょっと驚いただけだから」


そう答えてベッドに入る。十分もするとヴィヴィオは寝てしまった。そうしたらランスが……


「なあフェイト」
「な、なに?」
「ヴィヴィオも寝たし、一つ俺に襲われてみるか?」
「え、え、え、ええ!?」


え、ちょっと、それは……つまり……


「冗談だ。さっさと寝ろよ」


それだけ言って寝てしまった。


「ほんと……意地悪なんだから……」


そう言いながらも私の頬は緩んでいた。




side ヴァイス


現場に着いてヘリの整備も終わり、一息ついたときだ。


「ん?」


人が近づいてくる気配がしたのでドアを開けると、


「お?どうしたよ?」


ティアナの姿があった。


「警備部隊の方からお茶の差し入れをもらったのでお届けに来ました」
「お、いいねぇ。ありがとよ」


お茶を受け取る。


「連中はどうしてる?」
「警備の端の方ですので、交代でのんびりやってます」
「そうか」
「あの、ご一緒してもいいですか?」
「おう」


そういって隣に来たティアナはなにやら重苦しい雰囲気だった。


「あの、失礼だとは思うんですけど、ヴァイス陸曹の事、調べさせてもらいました」
「はあ?なんだそりゃ?」
「数年前まで、エース級の魔導士だったって……」


エース級、ねぇ………


「エースなもんかよ。俺の魔力値なんざ、お前の半分、旦那たちの3/4ねえんだぞ?」
「それでも、アウトレンジショットの達人で、優秀な狙撃手だったって……」


全く、こいつは……


「昔がどうであれ、今の俺は六課のヘリパイロットだ。おまえが聞いて参考になるような話はねえぞ?それに、お前はそんなことに構ってる場合じゃあねえだろ、またミスショットで泣いても知らねえぞ?」
「すみませんでした。気を付けます」
「わかればよし。もう行きな」


ティアナが戻っていった後、ヘリの中に戻った。


「昔の話さ、そうだろ?ストームレイダー」
[I think so.]


そう、昔の事なんだよ……


side 士郎


開始が一時間後に迫った午後1時になった。


「それじゃあ私は中に入るね。で、どうも内部警備はデバイスを持ち込めないみたいなんだ。だから、レイジングハートをお願いね」
「ああ。承知した」


内部に入ったなのはを見送り、一旦全体で集まるために私も移動せねばな。



………………………………………………………



「始まりましたね………」
「そうだな。なんも起こらなそうだし、「「サボりはダメだ」」………マジかよ」


今朝合流したランサーはまったくもって不真面目だ。と、


(序盤はしかけてこねえよ。来るとしたら終わりが近くなって警備が緩む時だ)


そんな私を見てかランサーは念話を飛ばしてきた。


(だからと言ってサボるのは関心せんな)
(おい、二人で何話してんだよ?)
(ヴィータか)
(私たちもいるで)
(私たちもね)
(マスターになのはか、何か用が?)
(用があるのはあたしだ)


ヴィータがか。おおよそ何が言いたいのかはわかるが。


(今回何かが起きるとして、クーデターの可能性はほぼねえんだろ?で、襲撃してくるとしたらスカリエッティ一味……なんで地上本部を襲うなんてハイリスクなことするんだ?)
(大方、新開発の兵器でも売り込みてえんだろうよ。地上本部の警備を敗れるようなものだったら欲しがる奴なんていくらでも出てくるだろうしな)
(でもよ、売り込み目的ならそんな危険を冒す必要なくねえか?)
(そうだな。だがスカリエッティはマッドサイエンティスト。自身の研究がどこまで通用するかを試す意味合いが強いだろうな)
(それでもそこまでやるのか?……わっかんねえな~)
(まあ、私たちには信頼できる上司がいる。その指示の通りに動くことを考えよう)
(ついでだから確認しておこう。マスター、緊急時における宝具の使用は?)
(攻撃系の宝具はさらなる混乱を招くことになると思う。せやから盾とかみたいな防御系統だけにしてな。まあ地下とかなら別に使っても構わへんけど)
(そうかい。じゃあ俺の出番は少なそうだな)



そんなこともあったが、何事もなく時間は過ぎて行った。



side ヴィータ


「陳述会が始まってもう四時間……そろそろ中の方も終わりね」
「最後まで気を抜かずに頑張ろー!」
「そう言えばギンガはどうしたですか?」
「報告だ。北エントランスに行ったぜ」


フォワードたちと違ってランスと衛宮は時間が経つにつれて警戒レベルを上げてる……時間的にも仕掛けてくるとしたらそろそろだろうしな。



side ゼスト


「奴らの尻馬に乗るのは気が引けるんだよなぁ……」
「だが、それですべて解決するならばそれに越したことはない」
「まあね」


地上本部から遠く離れた空でアギトと共にスカリエッティからもらった陳述会の内部映像を見る。


「にしても、ルールー大丈夫かなぁ…?」
「心配ならばルーテシアの方に行ってやれ」
「今回は旦那の方が心配だよ!なんだかんだ言ってもルールーは虫たちとガリューがいる。けど旦那は一人だろ?」


私などの為ににそこまでする必要はないのだがな……


「旦那の目的ってこのひげおやじだっけ?」
「ああ」


レジアス………


「そこまではアタシが付いていく。旦那の事、守ってやるよ」
「好きにしろ。お前の自由だ」
「ああ。そうさせてもらうよ。なんたって旦那はアタシの恩人だからな!」



side ウーノ


「妹たちは全員配置につき、ドローンの待機も完了しました」
「ゼスト殿とアギト、お嬢様も所定の位置に着かれた」
「あとはゴーサインを待つだけですぅ~」


ここまでは順調……


「く、くくくくくく」


ドクターは笑いをこらえているのだが、全くこらえきれていない。そんなに楽しみなのですね。


「楽しそうですね」
「ああ、楽しいさ。この手で歴史を変えるんだ。研究者として、技術者として、これ以上のことはあるまい?そうだろう?ウーノ」


私はドクターの望みのために動いてきた。その始まりなのだから心が躍る。


「さあ、始めよう!!」
「はい」


ここから始まる、私たちの歴史のために。



side クアットロ


お姉さまからのゴーサイン。ミッション開始の合図だ。


「さあ、始めましょう!」


まず手始めに通信システムを乗っ取る。


「クアットロさんのISシルバーカーテン。電子が織りなす嘘と幻。銀幕芝居をお楽しみあれ!!」


しかし、この間の矢、食らったのが後衛の私とディエチちゃんでよかった。あの時の傷は未だにふさがっていない。掠っただけだというのに。でも、いかに強力であろうと、今回ばかりは無力!さあ、私たちの掌の上で踊りなさい!


さて、あとは障壁強度を下げに行ったチンクちゃんが成功すれば……


「クアットロ、こちらチンク。システムにダメージを与えた。じきに強度は下がる」
「はぁ~い、ごくろうさま」


では、


「ルーお嬢様~お願いしま~す」
「うん。遠隔召喚、開始」


さて、仕上げに……


「魔導士の無力化、いきますよ~」


この日のために過剰量作成したガジェットが役立つときね。



side 士郎


「来たか!」
「そうみてえだなぁ!」
「おいおい、なんだよこのAMF濃度は!」


本部内のAMF濃度が濃すぎて通信がまったく通らない。
状況が分からんのはまずい。だが、アレならば通るはずだ!



side はやて


超高濃度のAMFにより、内部システムがダウンし、私たちは閉じ込められてしまった。


「通信も通りませんし、魔力結合に至っては全くできません」
「やられた……」


そんな時、脳に違和感があった。


(き……るか、マ…ター!)


今まで感じたことのない違和感とともに、部下にして契約相手の声が聞こえた。


(士郎か!?どうして通信が……)
(そ……ついては……だ!な…ぶのじょう……は?)


だが、何かに突っかかったようでうまく聞き取れない。


(よく聞こえん!もう少しはっきり言えんか?)
(き…えんのは……らもお…じだ!じょ…きょうだ!)


恐らくは状況かな?この場合はそれしかないやろうし。


(最悪や。AMFでシステムがダウンして閉じ込められた。幸い、なのはちゃんとフェイトちゃんは外や。二人だけでも前線に連れ出して!)
(りょ…かいだ!)


それで念話は途切れた。


「主…?」
「今何でかわからんけど士郎と念話がつながった。概ねこちらの状況を伝えられたからなんとかなる」


今回はみんな頼りや。私たちはここから動けん………頼むで!



side 士郎


状況を何とか知ることはできたが、


(どうだったよ?)
(ああ、最悪だ。パスによる意思疎通、こんなところにまで影響があったとはな)


パスが不完全なことにより、ところどころにノイズが入ってしまっていた。だが今はそれよりも優先すべきことがある。


「このガスは麻痺性です!耐性データを送るですよ!」


リインフォースが全員にデータを送る。私たちには必要ないが、送られてきたので使用しておく。
そのとき、通信が復活したロングアーチより連絡が。


「本部に向かって航空戦力!ランクは推定Sです!」
「あたしとリインが出る!ランス、衛宮、下は頼む!」
「ああ」
「任しとけ」
「それと、こいつらも頼むぞ!」


預かっていたシュベルトクロイツ、レヴァンティン、ヴィンデルシャフトをフォワードに渡すヴィータ。


「リイン!ユニゾン行くぞ!」
「はい!」
「「ユニゾン・イン!」」


いつもの赤い騎士甲冑が白くなり、髪の色が薄くなるヴィータ。
そのまま空にあがり、魔力反応のする方に飛んで行った。




side なのは



「なのは、そっちはどうだった?」


本部内の状況確認をしていたフェイトちゃんと合流する。


「どこも隔壁ロックがかかっちゃってた。中のはやてちゃんとも通信は繋がらなかったよ」
「こっちもダメ。エレベーターも動かないし、外への通信もつながらないから皆混乱してる。騒ぎは抑えてきたけど……」
「このまま黙ってるわけにはいかないね。ちょっと荒業になるけど、フェイトちゃん、付き合ってくれる?」
「当然!」


そうして私たちは近くの局員の手を借りてエレベーターの扉をこじ開けた。


「これなら行けそうだね」


エレベーターのワイヤーを掴み、手を魔力で覆うことで摩擦から守る。そしてそのまま下へと降下した。


「こんなの、陸士訓練校の時以来だよね。やっといて損なかったよ!」
「緊急時の合流地点も教えてあるし、あっちには士郎君たちもいる。そこまで急ごう!」


合流地点は地下のロータリー。状況が分からない今はそこまで急ぐしかないね!




side アギト


だいぶ建物まで近づいたところで声が聞こえた。


「こちら管理局。貴方の飛行許可と個人識別データが確認できません。直ちに停止してください!それ以上進めば迎撃に入ります!」


その声の直後、魔力弾が飛んできた。横に回避し、魔力弾を撃ち落とす。


「げぇ!?自壊弾!?」


こちらに飛んできた塊を旦那がシールドではじく。と、


「ギガントハンマー!」


白いバリアジャケットの女がでかいハンマーを手に襲ってきた。
あたしは咄嗟に


(旦那、ユニゾン!)
(ああ)


旦那とユニゾンし、障壁と相殺のための攻撃をする。


(痛って~。あんにゃろー!思いっきり殴りやがって!)
(すまん、アギト。助かった)
(なんのなんの!)


さっきの女がこちらにハンマーを向けて、


「管理局機動六課スターズ分隊副隊長、ヴィータだ!」


名乗ってきた。


「……ゼスト」


旦那もデバイスを構えて名乗る。
さっきの声の主が見当たらない。やっぱりあいつはあたしと同じ……


(来るぞ、サポートを頼む)


そんな思考は旦那の声でいったん中断した。
そして戦いが始まった。


side ルーテシア



「こっちはもういいの?」
「ええ、お嬢様。この後は聖王の器と未回収のレリックのある場所……」
「機動、六課……」
「ええ。そこに向かってください」


そこのレリックが11番だったらいいな……




side グリフィス




「エネルギー反応!?大きいです!こっちに2個向かってきます!」


まずい……!


「近隣部隊に応援要請!バックヤードスタッフの避難を!」
「はい!」
「総員最大警戒体勢!」


持ちこたえられるか……?



side 士郎




緊急合流地点であるロータリーを目指す。が、


[マスター。エネルギー反応です!]


ソードワーカーのセンサーに反応があった。


「止まれ!」


進んでいたスバル、ティアナ、エリオ、キャロに指示を出す。


「うらあああああああ!!」


上から赤い髪をした少女が蹴りを出しながらスバルの方へ向かってきた。スバルの前に出て右手の剣で足をそらし、左手で斬撃を叩き込む。



「くっ!」


が、少女は後方へ飛んで回避した。



「ノーヴェ、ダメッスよ~任務忘れてんじゃないッスか?」
「忘れてねーよ。対象の捕獲、特にこの赤いやつとあの青いやつ。タイプゼロも出来れば捕獲、だろ?」


もう一人、ボードのようなものを持った少女が現れ、そんな会話をしていた。


「ほう、おめーらが戦闘機人、ってやつか。ずいぶんと舐めたこと言ってくれるな」
「この状況でもそんなこと言えるッスか~?」


彼女の視線の先には、


「くっ……」


多数のスフィアに囲まれたティアナ、エリオ、キャロが。


「人質のつもりかね?無駄だよ」
「アンタ仲間をずいぶん簡単に切り捨てるッスね~」
「切り捨てる?違うぞ。なぜなら……」


そう言い放つとスフィアは全て砕け散った。


「なっ!?」
「この子たちはそんなもので捕えられるような訓練をしてはいないからな」


スフィアを破壊したのはティアナとエリオ。攻撃に対する防御は全てキャロが行うコンビネーション。この子たちも強くなったものだ。


「士郎さん!」
「ティアナ、こいつを頼む!」


そういって私が投げ渡したのは赤い宝石。


「これは……!」
「なのはに届けてやってくれ。ここは私が抑える!」
「おいおい、てめーだけかっこつけんじゃねえよ。俺も残る。エリオ、こいつらを任せるぜ」


ランサーはエリオに複数のデバイスを渡していた。


「逃がすかよ!」


ロータリーに向かったスバルたちに向かって行こうとする赤い髪の少女を、


「行かせてやると思うか?」


剣を銃に切り替え、魔力弾を浴びせる。


「くそっ!」


直撃は免れたようだが、ダメージは通った。が、やはり魔導師としての私は火力がない。


「さて、やるとしますか!」


軽い口調で言うランサー。戦闘機人がどのくらい強いのかはわからないが、負けてやる気はない。
そんな感じの言い方だった。


ここに、本日二度目の戦闘が始まった。


 
 

 
後書き
お待たせいたしました~。


こっからはオリジナル要素多めで行きます(*_*)


シナリオはできてるのでなるべく早く書き上げたいと思います!(^^)!

それでは~ 
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