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五人の娘を

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第四章

「よくないですよね」
「そういうのを何て言うかっていうとね」
「毒親ですね」
「毒親って言われたら終わりよ」
 その時点でというのだ。
「本当にね」
「俺達もそれはわかっているつもりですから」
「だからなのね」
「ちゃんとやっていきます」
「五人全員ちゃんと育てるのね」
「そうしていきます」
 こう言うのだった。
 そして二人は実際に五人を公平にかつ大事に育てていった、それは五人が歩ける様になってからもで。
 いつも五人を見ていた、それでだった。
 家計についてもだ、妻は夫に話した。
「私も仕事に復帰してね」
「そうしてだな」
「お給料も入るし」
「それでな」
「子供達達何とか保育園に入れられたし」
「五人共な」
「その分働いて」
 そしてというのだ。
「育児のお金をちゃんと確保して」
「俺達の分はな」
「もう出来るだけ節約して」 
 そうしてというのだ。
「やっていきましょう」
「そうだな、あと子供達の食べるものは」
「それもね、ちゃんとね」
「栄養のあるものをな」
「食べさせないとね、好き嫌いなくね」
「そうしたものが多くならない様にしないとな」
「身体にいいもの食べさせて、あと服は」
 こちらの話もした。
「もう安いバーゲンものをね」
「買うか」
「五人いるから」
 それでというのだ。
「バーゲンでないとね」
「一度に買えないか」
「インターネットの通販とかで安い服も探しているわ」
 そして買っているというのだ。
「安くそしてちゃんとした服をね」
「買おうと思ったらか」
「そうしないとね、お料理もね」
 こちらもというのだ。
「安売りがあればね」
「そこで買っているか」
「あと半額があれば」  
 賞味期限が近くなってそうなっている商品もというのだ。
「すぐに買っているわ、それでいてね」
「栄養とか量もか」
「考えているし好き嫌いもね」
「ない様にしているか」
「もうあれこれと何かと考えて」
「ものを買っているんだな」
「女の子五人だから」
 兎に角これに尽きた、子供が五人しかも全員女の子なら服も大変で食べものもについてもというのだ。
「だからよ」
「そこまでしているか」
「そう、兎に角色々として」
「そしてだな」
「やっていってるわよ、私達のお給料でね」
「ただ子育てに大変なだけじゃないな」
「お金のこともね」
 このこともとだ、こう言ってだった。
 妻は実際に家計のことも必死に考えてやり繰りをして五人の娘達を育てていった、五人が幼稚園に行っても小学校に行ってもそれは変わらず。
 家はいつも戦場だった、二人は娘達の世話をいつも必死に行っていた。 
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