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ドサド巫女

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第一章

                ドサド巫女
 滝川愛はアルバイトで神社の巫女をしている、だがその評判はというと。
「凄い巫女さんだな」
「ああ、一見可愛いけれどな」
「言葉にトゲがあってな」
「態度も横柄な時あるしな」
「ドサドだよな」
「そうだよな」
 それが愛だというのだ。
「普通巫女って大人しくてな」
「優しくて清楚でな」
「気遣いがあるイメージだけれど」
「あの巫女さん違うな」
「どうもな」
 こう言うのだった、愛は大学に通いつつ兵庫県の中でかなり有名で大きな神社で巫女をしているがそこでだ。
 そうした巫女と評判だった、それでだ。
 大学の友人である三日月草太は彼女にどうかという顔で言った。
「お前はどうもな」
「巫女らしくないのじゃな」
「言葉にトゲがあってだ」
「態度が横柄でじゃな」
「そして時に意地悪なことをする様なな」
 そうした巫女はというのだ。
「いない」
「巫女といっても色々じゃ」
 愛は三日月に笑って返した。
「だからじゃ」
「それでか」
「私はこれでいいのじゃ」
「そう考えているか」
「お陰で評判になってるな」
 愛は笑ってこうも言った。
「そうじゃな」
「有名になっていることは事実だ」
 三日月もこのことはその通りだと答えた。
「お前はな」
「そうじゃな」
「だが有名といってもだ」
 それでもというのだ。
「色々でだ」
「私の場合はか」
「変わった巫女としてだ」
 それでというのだ。
「評判だ」
「善き哉善き哉じゃ」
「それでいいのか」
「悪名は無名に勝ると言うじゃろ」
「それはそうだな」
「だからじゃ、それに私は悪名か」
「悪名かというとな」
 どうかとだ、三日月は愛に答えた。
「別にだ」
「そこまではいかんな」
「確かに口は悪く態度は横柄で意地悪もするが」
 それでもとだ、三日月は愛にさらに言った。
「仕事はちゃんとしていて外見もだ」
「いいとじゃな」
「言われているな」
「外見には自信があるぞ」
 愛は背は一四八程で黒髪をおかっぱにしている、大きなはっきりした目と細い眉に童顔そして白い肌である。
「美少女じゃな」
「女の子らしい」
「そうじゃな」
「そのこともあってだ」
「評判じゃな」
「外見でもな、しかしな」
 三日月はまた言った。
「どうしてもだ」
「性格はか」
「色々言われている」
「巫女らしくないか」
「そうだ、だが不思議とだ」 
 ここでだ、三日月は首を傾げさせて愛に話した。 
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