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オズの木挽きの馬

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第八幕その十二

「あの方もな」
「そうなんだ」
「抜群に頭の切れる方であられるが」
 それでもとだというのです。
「忍術はお使いになられても」
「妖術はなんだ」
「武芸にはないしな」 
 このこともあってというのです。
「お使いになられぬ」
「幸村さんは」
「兎に角忍術と妖術は違う」
 小助さんはこのことを言いました。
「そのことはわかってくれ」
「そこをわかっていない人もいましたね」
 恵梨香がここで言いました。
「昔は」
「昔の忍者漫画かい?」
「はい、昔の忍者漫画は」
 それはというのです。
「忍者の人達が普通に妖術を使っていて」
「それで、だな」
「もう忍者と妖術使いが」
「一緒になっていたな」
「そうでしたけれど」
「それは何時の漫画だったかな」
「お祖父ちゃんが子供の頃の漫画です」
 その頃だというのです。
「その頃の忍者漫画は」
「忍者が妖術を使っていたな、本当に昔は」 
 小助さんもここでこう言いました。
「昔の日本でも」
「忍術と妖術が一緒でしたね」
「そんな風でしたね」
「しかし忍術と妖術は違う」
 小助さんはこのことは強く言いました。
「知らない人にはそう見えてもだ」
「実は、ですね」
「そこはわかってくれ」
 こう恵梨香達に言いました。
「いいな」
「はい、忍者は忍者ですね」
「妖術使いは妖術使いでな」
「また違いますね」
「あれだね、梁山泊に公孫勝さん達がいるけれど」
 木挽きの馬はオズの国にいるこの人のことを思い出しました。
「あの人達がだね」
「そう、妖術使いだよ」
「道士であると共に」
「妖術を使うからな」
「そういうことだね」
「あの人達は忍術は使わないな」
「全くね」
 こう小助さんに答えました。
「使わないね」
「こう言えばわかるな」
「よくね」
「そういうことだ、ではわしは修行を再開する」
 小助さんは皆に笑顔で言いました。
「ではな」
「うん、またね」
「会おう」
 小助さんは爽やかにこう言ってでした。
 煙玉を出してそれを投げて煙を出してどろんと姿を消しました、皆はその煙が消えた後で旅を再開しました。そうしてさらに先に進むのでした。 
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