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もう一つの"木ノ葉崩し"

作者:ぬんすち
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第四話―戦闘開始

「敵襲だ!」

タイヨウは白眼で侵入者をすぐさま察知する。その言葉に,ヒルゼンとダンゾウは顔を強張らせた。

「!」

「!」

「額当てを見るに,雲隠れの忍!マズいな,かなりの大人数……もう里中あちこちに散らばっているようだ!」

現在の状況を即座に把握し,二人に大雑把に説明するタイヨウ。

「どうします!?カガミの身も気がかりです。」

ヒルゼンのその言葉に,ダンゾウは答える。

「カガミは強い!アイツは一人でも何とかする男だ。それより今は,里を護ることを優先しなくては!」

「うむ……ダンゾウの言う通りだ。ここは手分けして侵入者を探すぞ!見つけ次第始末しろ!」

「はい!」

バッバッバッ!

タイヨウの指示のもと,三人は別々の方向へ散っていく。二人と別れたヒルゼンは,西の方へ探索に向かう。

(敵の数は……敵の強さは……?俺一人でどうにか出来るか……?いや,心配している暇すらない!もう一人前の忍にならなければいけないんだ。やるぞ!)


~~~~~


木ノ葉隠れの里,北部。侵入した地点からほど近い場所で,金角と銀角は大きく移動することなく周囲の建物を荒らし回っている。その暴れぶりに,里の人々はただ逃げ惑うばかりだ。

「はっはっは!何もかも壊せ!逃げ遅れた奴は殺せ!片っ端からぶっ潰してやる!」

「ふんっ!」

ドカァッ!!

近くに建っていた家を,銀角は拳一つで倒壊させる。慌てて逃げようとする住民の一人が,その瓦礫に巻き込まれて転倒した。

「わあっ!」

「ん~?そこで何やってんだ?」

金角はすぐさまそれを見つけて歩み寄り,拳を振り上げる。

「ひっ,たっ,助け……!!」

「くたばれ!」

サッ!ドカァッ!!!

金角が振り下ろした拳は,またしても地面に大きな亀裂を走らせる。しかし,そこに先ほどの人の姿はない。

「あん?」

金角が横へ視線を走らせると,二人の忍の姿があった。そのうちの一人が,先ほどの逃げ遅れた者を抱えている。

「あ,ありがとうございます……!」

「すぐに逃げてください。」

「お前ら……派手にやってくれたな!」

一人が住民を逃がしている間,もう一人は金角を睨みつけて牽制する。

「何だぁ?てめえら……。」

彼らに気付いた銀角も,一先ず建物の破壊を中断して金角の所へやってくる。

「木ノ葉隠れの忍・猿飛サスケ!」

「同じく,志村サイゾウ!お前ら,ただじゃおかねえぞ!」


~~~~~


「一体,何が起こってるって言うんだ……。」

異変に気付き,家の外へ出ているのはうちはカガミ。ヒルゼンやダンゾウと同期のうちは一族であり,後に二代目火影・千手扉間にその実力を認められ護衛小隊の一員にも抜擢されることになる人物である。

バッ!

「!!」

突如,一人の忍がカガミの背後から斬りかかる。カガミは直前で察知して何とかかわしきる。

「へっ,なかなかやるじゃねえか。木ノ葉の忍だな?片づけてやる!」

カガミはその忍の額当てを見て,状況を把握する。

「雲隠れの忍……!さっきの揺れもお前らの仕業だな?誰の部隊だ!」

「教える義理はねえよ!食らいやがれ,雲流剣術!」

「!」

ブン!ブン!ブン!

雲隠れの忍は手にした剣を高速で繰り出すが,カガミはクナイも使わず華麗に避け続ける。

「無駄だ!」

「チッ,じゃあこれならどうだ!雲流剣術……」

雲隠れの忍は,背中に背負っていた三本の剣を投げ上げ,落下してきたものをそれぞれの体の部位で受け取る。もともと持っていた一本を含めて四本,右肩に,左肘に,右膝に,そして口に,それぞれ挟んで同時に持つ。

「……荒繰鷺伐刀(アクロバット)!!」
※キラービーの剣術の小規模版。

(何だ,あの構えは……四刀流だと!?)

「行くぜ!」


~~~~~


火影室では,代理の扉間が窓から里の様子を眺めている。この里の忍たちが決して弱くはないという事を,彼は知っている。自分が動き出すべきタイミングを静かに見計らいながら,扉間には何か引っかかることがあった。

(ついに来たな……ワシもすぐさま出るべきか……。だがどこか妙だ……。何だ,この違和感は……敵の動きがあまりにも派手すぎる……。本当に暴れることだけが目的なのか……?何か別の狙いがあるような気がしてならん……。)

チャクラを感知することができる扉間は,里中により一層神経をとがらせ,この奇妙な違和感に対する答えを見つけ出そうとしていた。


~~~~~


木ノ葉隠れの里,北西部。ここで,何十人もの雲隠れの忍たちより少し遅れて,一人の忍が侵入に成功した。その額当てにはもちろん,滝隠れの里のマークだ。

(存分に暴れているようだな。良い陽動だ……まあ,奴らは普段から暴れることしか頭に無い連中,陽動役のつもりなど微塵もないだろうが……。とはいえこちらとしても好都合。あれだけ派手にやってくれれば立ち回りやすい。何十人も侵入してきた後だ,結界を張っている人間も,今さら一人侵入者が増えたところで気にも留めまい。一人だけ遅刻した奴がいるとでも認識する程度か。さて……狙うは千手柱間の首……ただ一つだ!) 
 

 
後書き
お読みいただきありがとうございます!

まさかの陽動作戦に,扉間は,木ノ葉の忍たちは,果たして対処できるのか?



~猿飛サスケ&志村サイゾウ vs 金角&銀角~
猿飛サスケ
  実 力  :★★★★☆
コンディション:★★★★☆
モチベーション:★★★★★
ラ ッ キ ー:★★★☆☆

志村サイゾウ
  実 力  :★★★★☆
コンディション:★★★★☆
モチベーション:★★★★★
ラ ッ キ ー:★★☆☆☆

金角
  実 力  :★★★★☆
コンディション:★★★★★
モチベーション:★★★★★
ラ ッ キ ー:★★★★☆

銀角
  実 力  :★★★★☆
コンディション:★★★★☆
モチベーション:★★★★★
ラ ッ キ ー:★★★★☆

※最大評価★5つ 一部例外アリ
※同じ人物でもその時々によって変動アリ 
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