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召喚されし帝国

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接触

ガリア王国

それはドイツ第三帝国が飛ばされたゼロの使い魔の世界において存在する国の一つであり、この世界を支配する魔法使い、通称メイジの始祖とされるブリミルの子供の1人が興した国であり、人口約1500万人というハルケギニア一の大国で魔法先進国でもある。

第三帝国が神によりゼロの使い魔の世界に飛ばされてから一週間後

そんなハルケギニア最大最強の国家であるガリア国内、そして宮廷内は15日前に突如ガリア王国西部辺境の沿岸地帯に現れた謎の陸地の噂で持ちきりであった。

曰く、謎の陸地が現れてから今まで見た事がない飛龍が多く現れた

曰く、騎士が纏う鋼鉄の鎧のような金属で覆われた謎の大型生物が現れた

曰く、見たことのない装備を持った謎の騎士達の姿が大勢確認された

などなど他にも多くの噂が流れ、一部ではハルケギニアを滅ぼす魔王の国が現れたのではという噂まで起こっていた。

その為時の国王は、謎の陸地を調査する事を決定し、メイジの騎士を主力とした騎士団をガリア王国西部へと派遣する事とし、そしてその騎士団長として国王の息子の一人であるジョゼフを団長の任に就かせ派遣した。

ガリア西部辺境

騎士団達は馬車に乗り陸路を通じ、ガリア王国西部へと向かっていたが、この任務を受ける事となった騎士達は正直不安な様子を呈していた。

「しかし大丈夫なのか…」

「どうした、ドロテア?」

「だってよ、今回の謎の陸地だったか?噂によると魔王の王国だとか言う話だぜ、それなのにその調査隊の指揮官があのジョセフ王子なんて…」

「おい、そう言うのはやめろ…王族に対する侮辱は重罪だぞ」

ドロテアとか言う若いメイジにその騎士はそう注意をした。

今回の調査隊の指揮を任されたジョセフ王子は幼少時から魔法の才能に乏しく、父母や臣下に軽んじられており、今回の調査隊の指揮も本人曰く暇つぶしらしく、そんな理由と能力の王子が調査隊の指揮官に選ばれた為、今回の任務を与えられたメイジ達は不安で仕方く、さらに今から行く王国西部辺境はお世辞にも治安が良いとは言えず、メイジ崩れの盗賊団が少なからず居る為、調査団のメイジ達はますます不安になっていた。

「それにしてもジョセフ様はこのような任務に従事する気になったのだ、魔法が使えないとはいえ仮にも王族なのに」

「なんでも話によると…退屈凌ぎだそうだ…」

「大丈夫なのか…」

この調査団を率いるジョセフが任務に就いた理由を聞き騎士達は不安をますます募らせた。

その頃

ドイツ第三帝国でも、航空部隊による空からの地形偵察も完了し、航空偵察によってえられた情報を元に地図を作成、そしてそれが4日前に完了したため、ドイツはいよいよドイツ陸軍、そして武装SS部隊による地上からの偵察を開始する事となった。

ブランデンブルク 第1猟兵連隊

第502SS猟兵大隊

今回は未知の大地、しかも空軍からの報告によるとドラゴンも存在も確認されるなど、何が起こるか分からない謎の世界に対する調査の為、生半可な部隊では務まらないとOKWは判断。その為、ドイツ軍と武装親衛隊の中でも最精鋭の部隊が今回の偵察任務へと派遣される事となった。

そしてそれぞれの編成はこのようになっている。

ブランデンブルク 第1猟兵連隊

Sd.Kfz.251×180

Sd Kfz 232×30

物資輸送トラック×60

その他対空機関砲などの装備多数

兵員1600人


第502SS猟兵大隊

Sd.Kfz.251×90

Sd Kfz 232×15

物資輸送トラック×30

その他対空機関砲などの装備多数

兵員800人

これらの戦力が今回の偵察任務に従事するブランデンブルク 第1猟兵連隊、第502SS猟兵大隊の人員である。

武器の差と練度を考えれば、この世界の小国どころか大国ですら倒す事も可能な戦力ではあるが、兵士達は未知の地へ赴く事もあって皆緊張した様子で二日前に東部戦線にある基地を出発し、ドイツ人で初めてハルケギニアの大地を踏む事となった。


ガリア西部辺境のとある場所

ある程度幹線が引かれた森の中を文明のレベルが中世程度であるこの世界には似つかわしくない、Sd.Kfz.251、Sd Kfz 232、物資輸送トラックの車列が一列に並び道を進んでいた。

「しかし、一体何が起こってるのでしょうか…総統閣下はこの異変はゲルマン民族を認めた神の御意志だと言っていましたが…」

「…さぁな、この異変が神がやった事なのか、そうではないのかは私も分からん、だが我々には課せられた任務と命令が存在する、今は祖国のため、そして総統閣下の為に命令を遂行するだけだ…」

この第502SS猟兵大隊の指揮を務める、かつての世界でヨーロッパ一危険な男と呼ばれたオットー・スコルツェニーSS中佐は部下のその疑問に対しそう言った。

「そう言えば、地図によるとそろそろこの先に村らしき集落があるらしいな…」

スコルツェニーがそう呟いた時 

「…中佐!先発しているアドラー大尉の部隊から連絡です」

「何だ?」

「はっ、宛て大隊本部へ!我が隊は先ほど、13〜15歳程の年齢の少女と思われるこの世界の住人を保護、そして話を聞いた所この先にある集落は現在、西方盗賊団なる犯罪者集団による占拠を受けている模様、至急命令を求む…以上です」

「何と、このご時世に盗賊とは…」

「恐らくこの世界は我々がかつていた世界よりも社会体制や治安体制がしっかりしていないのだろう…」

通信兵からの報告を聞いた副官と思われる中尉とスコルツェニーはそう言った。

「それで中佐、如何なさいますか?」

「…我々の目的はこの世界の情報を多く集める事…故に、この状況はチャンスかもしれん、我々がここで総力を上げて村を解放し、ここに住む住人に恩を売る事が出来れば、何からこの世界の情報が手に入るやもしれん…」

「では…」

「あぁ、だがその前に後方の司令部に連絡を取り指示を取り付ける、少し待て」

スコルツェニーはそう言うと通信兵に、盗賊団鎮圧の為の許可を取る為、後方の東部方面軍司令部に対して通信を送る事を命令、通信兵は直ちに無線を使い、司令部へと連絡を取り付けた。


そして数時間後

「司令部より盗賊団鎮圧作戦の許可が降りた、全部隊に連絡!戦闘準備!各中隊及び小隊長は大隊本部へ集結!作戦会議を開始する!なお、アドラー大尉の部隊には保護した少女もこちらに連れてくよう命令しろ!」

「Jawohl!」

スコルツェニーの命令を聞いた通信兵は直ちに各部隊の指揮官達に大隊本部へと集結するよう通信を送った。

数時間後

各中隊および小隊の隊長達は、保護した少女からの話をもとに盗賊の集まっている建物、そして今日の夜に盗賊は略奪をする為に大部分がこの村を離れる事などを少女から聞き、その情報を元に作戦を立案した。

作戦はこうである

1.まずは二個小隊規模の先遣隊を村に派遣し、見張りの盗賊達を始末する。

2.盗賊の溜まり場となっている村の酒場に手榴弾による攻撃を実行し爆発の音を聞きつけ、慌てて飛び出して来た盗賊達に対し、狙撃兵による援護射撃の元全部隊突撃し村にいる盗賊を一掃する。

3.村の入り口にバリケードとMG42機関銃を設置し戻って来た盗賊団に対し、大隊のもてる全ての火力をぶつけ殲滅する。

「以上が作戦である、敵は中世規模の装備しか無いとの事だが、敵にはメイジなる魔法使いが居るとの事だ、油断はするな。断固とした意思と心の元に、我がドイツが開発した強力な兵器の威力を野蛮人どもに教えてやるのだ!」

「「「ハイル・ヒトラー」」」

スコルツェニーの言葉を聞いた指揮官達は一切にそう言い、それぞれの持ち場につき任務を開始した。


その夜  

盗賊団に支配された村

「うんじゃあ!俺たちはいっちょこの先で野営している貴族のご一行様共の身包みを剥がしてくるから、後の留守番は頼んだぜ」

「了解ですぜ、お頭!」

盗賊団の頭目の男はそう言うと村に50人程の人員を残し、この近くで野営をしている騎士団を襲いに行った。

それから30分後、盗賊達の殆どは占拠している村の酒場で酒を煽り、少数の盗賊達も酒を飲みながら見張をしていた。

「見張の兵までもが酒を飲んでいるか‥所詮賊は賊だな、最もこっちの方が仕事がやりやすいが…」

先行していた中隊の隊長であるアドラーがそう言ったと同時に、村の入り口を守っていた見張とその近くにいた族は狙撃兵により撃ち殺された。

「…ぷはぁ〜この酒はうめえ…んう、なんだテメェ‥見張り中にねやがって…」

すると近くを通りかかった賊の一人がそう言うと狙撃兵に撃ち殺されて倒れている見張にそう言うと近づいた。

する次の瞬間

「うぐぅ、ヴヴヴッ!!」

その賊が死んだ見張の賊に気を取られたその瞬間、中隊の隊員の一人に口を押さえられ、そのまま首を掻き切られ殺された。

「隊長、やりました」

「よし、村内に突入するついてこい」

見張りの賊と近くにいた賊をあらかた片付けると、アドラーは部下達を引き連れ村内に入っていった。

「情報によるとここが酒場だな…」

アドラー大尉率いる部隊は大声で歌を歌う盗賊達の声がこだます、酒場の裏口に回るとそう言い、そして。

「よし、やるぞ!」

アドラーがそう叫んだと同時に酒場の窓を破壊し手榴弾を投げ込み、それに続くようにほかの隊員達も手榴弾を酒場の中に投げ込みそして数秒後に大爆発を起こし吹っ飛んだ。

「な、なんだ!!」

「今の爆発はなんだ!!」

そして爆発の音を聞きつけた酒場以外の建物の中にいた盗賊達が一斉に飛び出し、そしてそれと同時に。

「よし!大隊突撃!」

「「「うぉおおおおおお!!!!」」」

スコルツェニー率いる第502SS猟兵大隊が一斉に村内へと雪崩れ込み、混乱する盗賊達に対し総攻撃を仕掛けた。

「クソ!なんだ!」

「まさかガリア軍か!!」

「構うことはねぇ、やっちまえ!」

盗賊達も負けじと応戦したが、盗賊達は統制も取れていない上武器の殆どは剣やバトルアックス、モーニングスター、そして何人かはマスケット銃を装備し、一方の第502SS猟兵大隊は統制も取れている上、武器は第二次世界大戦当時最先端の技術レベルを誇っていたドイツの近代兵器、武器のレベルが違いすぎる故に最初から勝敗など目に見えており、1時間も経たないうちに村にいた賊は全滅した。

その後村を制圧した第502SS猟兵大隊はひとまず捕まっていたこの村の住人達を解放した。

「ママ!」

「ジネット!無事だったのね!」

「うん、あの人達に助けて貰ったの」

最初に第502SS猟兵大隊に保護された少女は泣きながら解放された母の元に走って行き、第502SS猟兵大隊の兵士達を、指差しそう言った。

「彼らは一体…」

「ガリアの兵士…じゃ無いよな…」

「でもあの統一された服装から盗賊では無いよな…」

「みんな見た事の無い銃の様な武器を持っているぞ、平民なのか…」

「一体何処の軍隊だ…」

やはりこの世界の人間にとって控え目に言っても第502SS猟兵大隊の服装や存在は異質であり皆少し怯えながらそう小声で言っていた。

すると

「娘とこの村を助けていただきありがとうございます、自分はこの村の村長を務めていますダミアンです、付かぬことをお聞きしますが、皆様はこの国の…ガリア軍の兵士なのですか?」

第502SS猟兵大隊が保護した娘の父親と思われる男が前に立ち、第502SS猟兵大隊の大隊長であるスコルツェニーにそう聞いた。

「私はオットー・スコルツェニー、この部隊の指揮官を務めている。残念だが我々はそのガリア…とやらの兵士ではない、我々はドイツ帝国所属の武装親衛隊と言う軍に属する兵士だ」

「ど、ドイツ…それは一体…」

村長がそこまで言おうとしたその時。

「大変だ!奴らが帰って来たぞ!!!!!!!」

村人の一人がそう言いながら走ってやってきた。

「クッ、奴等め戻ってきやがったか…」

「ダミアンとやら、戻って来た賊は我々が対処する、君は村人を連れ安全な場所に隠れていてくれ」

そう言うと、スコルツェニーや他の兵士たちはMP43やワルサーGew43を持ち戦う姿勢を示した。

すると

「待ってくれスコルツェニー殿、戦うのは無茶だ奴等にはメイジが十人居る、たとえあなた方でも銃なんかじゃあ…」

「そんな事はその少女から聞いて知っている、だが国防軍ならともかく、我々武装親衛隊には逃げるなどと言う選択肢はない、勝利か死かその二つしか無い…」

「そんな…」

スコルツェニーの言葉聞いたダミアンは他の兵士達の目を見て少しゾッとした。

何故なら彼らは普通ならば魔法が使えない平民では絶対勝てないはずのメイジを今から相手にすると分かっていてもなお恐怖や躊躇いが全く感じられなかったからだ。

「バリケードの構築は?」

「完了しています、中佐!MG42機関銃も既に予定通りの配置につき、いつでも作戦は開始できます!」

「よし、総員配置につけ!」

「Jawohl」

それから数分後

先ほど出発した盗賊団達の数は半分に減っており、生き残っている賊も皆ボロボロになっていた。

「クソ!依頼は失敗か!」

「お頭!どうしますか!?」

「逃げるに決まっているだろ!急いで村に戻ってやろう共を連れ逃げるぞ!」

盗賊団の頭目はそう部下たちに言った。

実は今回この盗賊団はガリアの有力貴族の一人から、ジョゼフ率いる調査隊を襲い第一王子のジョセフを抹殺する様に依頼されていたが、護衛の騎士達に阻まれ失敗してしまい、命からがら逃げて来たのだ。

だがその盗賊団たちに、村で待ち構える騎士団以上に恐るべき敵と会いたいする事となった。

盗賊団が村の近くまで戻って来たその時

「グァアアアアアアアアアアアアアーーーーーーー!!!!!!」

「ギャァアアアーーーーー!!!!!!!」

村の入り具に設置されていたMG42、別名ヒトラーの電気ノコギリの異名を持つ機関銃による十字砲火の餌食になり、前衛にいた盗賊達、そしてそれからも残った盗賊達の6割が一瞬にして溶けた。

「なんだこれは!!なんの魔法だ!…だがまぁ良い!!そっちがその気なら、この鋼鉄のジェルタン様の力を見せてやる!!」

すると盗賊の頭目はそう大声で叫ぶと、錬金の魔法で十体の鋼鉄で出来たゴーレムを錬成し自分達の前面に配置した。

「よし!野郎共!俺のゴーレムを盾に進め!!」

「「「うぉおおおおおお!!!!」」」

まるで城壁の様にたたずむゴーレムに勇気づけられ前進を開始した。

一方で

「鎧騎士を一瞬で…あれが魔法か…」

「あぁ、確かにあんな物相手では魔法使いでは無い人間は勝てないであろうな…まぁ、それはあくまでこの世界の人間に限りだがな…パンツァーファウスト用意!!敵を十分に引きつけてから放て!」

「Jawohl」

すると数十人の兵士が指揮官の命令に従い対戦車装備であるパンツァーファウストを用意し前方にいる鋼鉄のゴーレムに照準を合わせた。

そしてゴーレムが一定の距離を取ったその瞬間

「Feuer!!」

指揮官のその掛け声と同時にパンツァーファウストが一斉に発射、高性能なソ連戦車すら当たりどころによっては撃破する事が出来るパンツァーファウストの直撃を受けた敵のゴーレムはただで済むわけもなく、一瞬にして破壊された。

「な!何バカな!!奴等、一体なんの魔法を!!!グァアア!!!!」

「ウァアアアアアアアーーーーーーーーー!!!!!」

盾となるゴーレムが破壊された為、盗賊の頭目を含め盗賊達はなす術もなくMG42や他のSS兵の持つワルサーgew43による攻撃で次々となぎ倒され全滅した。

この戦いにおいて、盗賊側の死者は250人、一方の武装親衛隊第502SS猟兵大隊の死者は0であった。


それから1時間後

盗賊から解放された村では村人の協力の元、遺体の片付けが行われいた。

「ま、まさかメイジを倒すなんて…彼ら一体何者なんだ…」

(もし彼らが我々の味方ではなく盗賊だったら…考えただけでも恐ろしい…)

ダミアンは魔法も何も使わずにメイジを倒した第502SS猟兵大隊の兵士達を見て思わずそう呟き、そして同時に彼らが自分達の味方ではなく盗賊であったらと考えてしまい、そしてどうなるかを想像したダミアンは、恐怖のあまり思わず鳥肌が立ってしまった。


一方の第502SS猟兵大隊の隊員達も今更ではあるが、ある事に気がついていた。

「そう言えば総統はこの世界が異世界だと言っていましたが、言葉は通じるのですね…」

「あぁ、少しフランス語なまりがあるとは言え相手もドイツ語を話しているしな…」

実は、これはこの世界の公用語がドイツ語…と言う訳ではなく、ドイツをこの世界に飛ばした神の力により地域によって多少なまりはある物のドイツ人とハルケギニアの人々との間にあるはずの言葉の壁がなくなっているのだ。

しかし無論、ドイツ側からしてみればそんな事は知らない為、彼らはこの世界の公用語はなまりが多少あるとはいえドイツ語だと考えている。

そんなことを考えて居ると

「隊長、東の方角より謎の馬に乗った軍団が!」

「何、まさか盗賊団の残党か…すぐに臨戦態勢を取れ!それと大隊司令部にもすぐに連絡を入れろ!」

謎の馬に乗った集団が現れたと聞き、アドラー大尉はすぐさま部下達にそう命令を下した。

一方

「この先に賊のアジトがあるのか…」

「進め進め!」

先程盗賊に襲われた調査隊は報復のため、捕らえた捕虜からの情報を頼りに盗賊団の拠点となっている村へと急いで向かっていた。

「ジョゼフ様、本当によろしいのですか、調査任務を一時中断してまでも賊の討伐など」

「ふん、何少し寄り道をするだけだ…」

ジョゼフはそう部下に言った。

するとその時

「止まれ!!」

「なんだ…あれは…」

そう声がしたと同時にSd.Kfz.251、Sd Kfz 232、物資輸送トラックに搭載されているライトによって照らされ、その明かりに驚き騎士達が前を向くと、そこには見慣れない鋼鉄で覆われた謎の物体と、見たことの無い銃を構える兵士達がおり、思わず皆驚き困惑した。

「ジョゼフ様、攻撃は…」

「待て、あの場違いな工芸品の様な物を多く持っている…そして見慣れない服を着た兵士達…もしかしたら奴やは突如現れた謎の陸地に住む住民かも知れん…であるならば話してみる価値はあろう」

ジョゼフは薄ら笑いを浮かべながらそう言うと馬を降り前に出て、502SS猟兵大隊に向かってこう言った。

「私はガリア王国第一王子、ジョゼフ…貴殿等の敵では無い、指揮官と話をさせてもらおう…」

「王子だって?」

「村人を連れて来い確認を取らせる…少し待て!」

ジョゼフの呼びかけに対しアドラー大尉はそう言うと、村人の一人をここに連れて来て事情を話すと村人にジョゼフと彼が率いる騎士団は本物なのかを聞いた。

「間違えありません!我がガリア王国の第一王子様でございます!」

「そうか、全員銃を下ろせ!ジョゼフ皇太子無礼を詫びさせてもらいたい、我々としてもあなた方と敵対するつもりはありません、大隊長のおられる所へご案内します、どうぞこちらへ」

「うむ」

アドラーはジョゼフにそう言うと、彼と彼が率いる調査隊をスコルツェニーの居る大隊本部へと連れて行った。
 
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