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アクロバティッククラブ

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第一章

                アクロバティッククラブ
 八条学園高等部にはトライアスロン部という部活が存在している、言うまでもなくトライアスロンを行う部活だ。
 その部活の話を聞いて子安長政が自分のクラスで言った。
「マラソン、水泳、自転車か」
「全部するでござる」
 その彼女にそのトライアスロン部所属の蜂須賀朋子が答えた、背は一四五程であり大きな黒い目で黒髪をショートヘアにしている。胸は小さく全体的に小学生の様である。
「それがトライアスロンでござる」
「身体もつのか?」
「正直もたない人も多いでござる」
 朋子は自分より三十センチは高い子安に答えた、子安は茶色にした髪の毛を肩まで伸ばしてセンターで分けている、切れ長の目で肌は少し日焼けしている。彼が所属している部活は陸上部で実に引き締まった体格だ。
「ハード過ぎて」
「そうだよな、俺長距離走だけれどな」
 子安は自分の協議の話で朋子に応えた。
「マラソンな」
「マラソンにしてもでござるな」
「四十二・一九五キロだからな」
 それだけの距離を走るからだというのだ。
「もうな」
「大変でござるな」
「マラソンだけでな、けれどな」
「トライアスロンはでござる」
「そこにさらにだよな」
「水泳にでござる」
 朋子はソプラノでもかなり高い方の声で話した。
「自転車にでござる」
「そりゃ完走出来る人も少ないな」
「消費カロリーが半端ないでござる」
「というか死ぬだろ」
 まさにというのだ。
「下手したら」
「その時はドクターストップでござる」
「普通にドクターストップあるんだな」
「そうでござるよ」
「とんでもない競技だな」
「子安殿もやってみるでござるか」
 朋子は何気に子安に誘いをかけた。
「トライアスロンを」
「俺もか?」
「どうでござるか」
「マラソンだってな」
 自分の競技でもというのだ。
「かなりハードなのにか」
「ここはチャレンジして」
 それでというのだ。
「どうでござるか」
「そうだな」
 子安は朋子の言葉に腕を組んで考える顔になって述べた。
「人間チャレンジが大事だな」
「そこから成長してでござる」
 朋子は子安に言葉に感情を込めて話した。
「人は多くのものを掴めるでござるよ」
「人間成長しないとな」
「駄目でござるな」
「そうだよな」
「だからでござる、子安殿も」
 彼もというのだ。
「やってみるでござる」
「それじゃあな」
「僕もやっているでござるからな」
「二人でか」
「一度競技に出てみるでござる」
「練習もしてか」
「そうでござる、泳げるでござるな」
 朋子は水泳のことも尋ねた。
「そうでござるな」
「ああ、遅いけれどな」
 それでもというのだ。
「泳げるよ」
「自転車もでござるな」
「そっちもな」
「それなら」
 朋子は子安にさらに言った。 
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