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魔道戦記リリカルなのはANSUR~Last codE~

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Saga17-C侵撃のT.C.~3rd wave~

†††Sideルシリオン†††

夢幻王プリムス、葬柩王フォード、武勇王レオンに続き、元ヨツンヘイム連合の魔術師が、召喚王アーサーが現れた。まるで同窓会だなという感想が出てきたが、そんな笑っていられる状況でもない。アーサーの外見そのままだが、奴もまた転生した人間の意識を乗っ取っているんだろう。どれだけ現代の人間を不幸にすれば気が済むんだ、俺たち過去の異物は・・・。

『フライハイト部隊長。カルナログ地上本部より転送入界の許可が下りました』

「了解。指定された座標への転送を開始して」

これより俺たちは、アーサー(仮)の召喚した召喚獣の捕獲へ向かう。神秘を失った現代で召喚できる魔族など、戦闘力という点においてはさほど驚異ではないだろう。人型の魔族は基本的に強大だが、デュラハンのような弱い種族も存在する。猫型の魔獣も、素早く魔力を舐めとるという厄介さはあるが強くはない。

「では全騎、これよりカルナログ首都に降下し猫たちの捕獲、そして召喚者であるこの男、アーサー(仮)の逮捕を行う。ルシル、コイツのことについて何かある?」

「ああ。アーサー(仮)は召喚に優れた魔術師だった。だが個人の戦闘能力も高い。プリムス(仮)、フォード(仮)、レオン(仮)のようにオリジナルに比べれば弱いが、それでも強大だという前例がある。アーサーは雷撃系――電気変換の魔術を扱う。幹部3人に比べれば弱いだろうが、魔術師であることは間違いない。要警戒だ」

シャルに話を振られたことで、アーサー(仮)についてアドバイス。大戦時は厄介な魔族を召喚し、そいつらを盾として、奥から弓での遠距離狙撃を基本戦術としていた。遠距離や広域戦に優れた俺やカノンやシェフィリス、“戦天使ヴァルキリー”の敵ではなかったな。
そういうわけで、俺たちはカルナログへと降下。首都防衛隊と共に街中を駆け回る猫たちの捕獲を始めた。各チームに分けた数少ない氷結魔法の使い手によって地面を凍結させて、猫たちが脚を滑らせている間に網で捕獲を繰り返す。すでにファストラウムで猫の捕獲方法を確立したことで、今回も今後も捕獲はすんなり済みそうだ。

深淵へ誘いたる微睡の水霧(ラフェルニオン)

ボフッと発生させた眠りの霧によって4匹の猫が深い眠りの中に落ちた。霧が効果が拡散する前に風を起こし、完全に霧散させる。くてっと地面に倒れこむ猫を「お疲れ様です、セインテスト一尉」と網に入れつつ労いの言葉をくれた防衛隊員たちに、「お疲れ様です」と俺も頷き返した。

「これで32匹目っすね」

「いったいどれだけ召喚しているんだ?」

「こちら第4班。猫4匹を捕獲しました」

しかし首都防衛隊は首都防衛隊で、特騎隊は特騎隊で動けばいいのに、何故か俺たちはバラバラにされて各班に1人ずつ組み込まれた。戦技教導隊と間違われていないだろうか・・・。隊員同士の連携を考えるなら俺たちの存在は邪魔だろうに。

「それにしても、動物保護団体の人たちにも困ったもんすよね」

「あー、魔導犯罪者の召喚獣による管理局への攻撃だって言っても、召喚獣でも動物だから傷付けるな、って言われたらしいですね」

「バインドは良いらしいが、猫のような素早いターゲットを捕獲するなんて不可能だろ?」

「これだから現場を知らない連中は。声だけ挙げて自分たちは何もしない」

隊員たちの愚痴を聞きながら、続々と召喚されていく猫たちとの追いかけっこはまだ続く。捕まえた猫4匹を回収部隊に預け、本部から入る報告に従って場所を移動し、そこで猫を捕獲。そしてまた回収部隊に預け、移動、捕獲を繰り返す。

「セインテスト一尉。捕獲した猫を集めていた回収班からですが、集積ポイントに集めていた猫たちが一斉に消失したそうです」

「まぁそうなるよな・・・。捕まえても召喚解除して助け出し、また別のところで再召喚。完全にイタチごっこだな」

「やはり召喚者を押さえないといけないというですね」

「こちら4班。召喚者の行方はまだ判明しないか?」

『こちら本部。全監視カメラからの映像を洗っていますが、今なお発見には至らず』

アーサー(仮)を発見できるまでは、理解していながらもイタチごっこを続けるしかなさそうだ。隊員たちと苦笑いで肩を竦め合い、「次のポイントへ向かう」と猫たちの捕獲を再開した。で、最終的に「街から一斉に猫が消失・・・?」したことで、カルナログでのアーサー(仮)との決戦はお預けになった。
第6管理世界ストラスブール、第5管理世界ファストラウム、第4管理世界カルナログと続けて出現しているとなれば、次は第3管理世界ヴァイゼンの首都が襲われることは確定だ。というわけで、俺たち特騎隊はすぐさまシャーリーンに帰艦し、ヴァイゼンへと向かう準備を始める。

『フライハイト二佐。ヴァイゼンへ向かう準備は整っているだろうか?』

「ええ。全騎シャーリーンに帰艦し、待機中です」

『よし。カルナログ地上本部への連絡はこちらで済ませておいたから、そのままヴァイゼンに向かってほしい』

「了解しました」

帰還したとほぼ同時にヴェロッサからの通信が入った。シャルはブリッジの操舵手に第3管理世界ヴァイゼンへ針路を取るよう指示。ヴァイゼンへは半日もあれば到着する。その間に気になっていることを考える必要がある。

「アコース監査官。T.C.は何故か魔力を集めている。魔力保有の物品の奪取、魔力保有動物や魔導犯罪者からのリンカーコア強奪。そこに今回の猫騒動による局員からの魔力奪取。俺たちが確認したのはストラスブールからだが、猫たち、召喚者は順々に世界を渡っているようだ。もしかするとそれより前から確認できていなかったのだろうか・・・?」

『・・・調べてみたんだが、セインテスト一尉の考え通り、猫たちは第80管理世界マリアノースで確認できたのが最初だ』

「マリアノース・・・。去年管理世界入りを果たしたばかりの新顔よね」

「それはいつからなの?」

『およそ半年前に確認されたそうだ。各地上本部にも確認したところ、第80管理世界マリアノースから第7管理世界アーソナまで順々に出現していることが判明した。魔力を吸収された被害者は首都防衛隊員だけのようだ。ただ、全員というわけじゃないようで、あくまで猫の捕獲時に携わった隊員だけだ』

「首都防衛隊を無力化して、首都を手薄にさせて何かをしようと企んでる?」

「そこはまだ判らないけど、完全に敵対行為だよねこれ。連中の狙いはたぶんだけど、召喚獣を新種の猫として管理世界に誤認させて、局員の魔力吸収は捕獲時の事故に見せかける、だと思うのよね。そうすればT.C.へのヘイトや捜査の手は伸びなかったはずだろうし」

シャルの推理は的を射ているだろう。“T.C.”とは何度か交戦しているが、向こうから仕掛けられたのはフォード(仮)の時だけで、レオン(仮)や他のメンバーは俺たちの攻撃に対する反撃からの交戦だった。フォード(仮)以外は進んで局への攻撃は仕掛けてこなかったのに、「今になって敵対行動を取るようになったのは何故だ?」という話になってくる。

「回収できる魔力が少なくなってきたから・・・?」

「管理世界だけならまだしも管理外や無人世界は文字通り星の数あるのに?」

「調査するにも時間が掛かるだろうから、手っ取り早く局員を狙ったと考えられない?」

「時間があまり無く、しかし魔力が欲しい。一体なにをやろうとしてるんだろ。それが判れば対抗策とか考えられるのにね」

そう言ってアイリが腕を組んで首を傾げた。それが判れば本当に楽になるんだが、とりあえず「首都にだけ出現させるのは何故か?」を考えよう。

「首都防衛隊の皆さんの魔力量が、地上部隊員の中でも特に高いからでしょうか?」

「まぁ首都防衛隊は精鋭ぞろいだしね~」

「アイツら各地の局員からは吸収しないんだ。どうせ魔導犯罪者はT.C.が狩りまくってる所為で、魔法による犯罪発生率は今じゃ1%もないんだし、地方の局員を襲っても大丈夫だと思うんだけど」

「さすがにそこまで行くと普通の犯罪者に対処しきれなくなるでしょ」

「T.C.は局と敵対したくないって言っていたし、壊滅的な被害だけは出さないつもりじゃない?」

「どういう理由でもアウトなんだけどね」

シャル達の会話を聞きながら“T.C.”が首都だけを襲撃する理由を考える。ミヤビの首都防衛隊員の方が魔力量があるから、という考えは悪くないと思う。だがそれだけじゃないはずだ。ヴェロッサからたった今送られてきた新しいデータに目を通す。

(首都で暴れる期間はバラバラだな。最長は第41管理世界ユークトバニアの4日間。最短は第78管理世界コンベルクの12分)

時間からでは目的を察することは難しいか。なら次は首都のどこに出現しているのかを見よう。少しでもヒントがあれば助かるんだが。とりあえず10世界ごとのマップを展開させ、猫の出現ポイントを表示させる。シャル達もいったん口を閉ざしてモニターを見た。

「どれもこれも、いきなり地上本部周辺の街中に出現したんだね」

「いろいろな軽犯罪で街を混乱させ、捕獲を依頼された警ら隊をもてあそび、首都防衛隊を引きずり出して魔力を吸収か~」

「召喚されてからの猫たちの動きは・・・っと」

猫を示す赤点が移動を開始する。その軌跡からして「地上本部から離れようとしてる」というのは明らかなものだった。これで1つの疑問は解決した。ルミナの言った、首都防衛隊を無力化して、首都を手薄にさせて何かをしようと企んでる?というのは正解だった。

「アコース監査官! 連中の狙いは首都ではなく地上本部だ!」

「大至急各地上本部に、本部内で何か異変がないかの確認を!」

猫の、アーサー(仮)の、“T.C.”の狙いは、首都防衛隊を地上本部周辺から引き剝がし、その間に地上本部で何かを成すこと。それが何かはまだ考えつかないが、“T.C.”にとって必ず利益になる事に違いない。

『わ、判った! ヴァイゼン地上本部、ミッドチルダ地上本部にもこの情報を伝えておく! 君たちに地上本部内の警備を任せられないかも確認してみよう!』

仕事時の口調が崩れ、いつもの口調でそう言ったヴェロッサから通信を切った。それからヴァイゼンへの入界許可が下りるまで“T.C.”の狙いが何なのかを考えようと思ったんだが、答えは自然と1つに絞られていた。

「T.C.は魔力を集めてる。それを踏まえて地上本部でいったい何をしてたのか。おそらく回収されてる魔力を保有したロストロギアの奪取」

「そんなの1発でバレない? 確かに連中は転移で世界間を移動しているけど、ロストロギアを保管してる場所は厳重なセキュリティで護られてるだろうし。それに、魔導師に対して圧倒的なアドバテージがある魔術師とはいえ、一切気取られることなく奪取するなんて不可能じゃ・・・」

「ルミナの考えも解るが、向こうにはプリムス(仮)が居る。彼女の幻術がオリジナルに匹敵するようなら、それを見破るなんて俺でも無理だ。真技クラスの幻術は視界だけでなく五感すらも惑わしてくるぞ」

大戦時、奴の幻術で何度敵兵をみすみす逃してしまったか。もし奴が戦場に出ずっぱりだったら、もしかする俺たちアースガルド同盟軍は敗北していたかもしれない。それほどまでに夢幻王プリムス・バラクーダ・ウトガルドは脅威だった。奴の転生者もそこまでの脅威にならないことを祈るしかない。

「とにかくT.C.が狙ってるのは、地上本部内に保管されているロストロギアを始めとした魔力保有物品の奪取と考えていい」

「それについては同意するけど、私たち本局の人間が他世界の地上本部の防衛には就けないよね」

「・・・うん。それはわたしも思う」

シャルに続いて俺たちもクラリスの言葉に頷いた。首都防衛くらいは任せてもらえるだろうが、地上本部はヴァイゼン陸士部隊の本拠地。さすがに体面もあるだろうから無理だろうな。ヴァイゼンで決着を付けられなければ、ミッド地上本部での戦いになる。
今もなお懲役刑を受けて服役しているレジアス・ゲイズ元中将の後輩が総司令に就いているため、ミッド地上本部上層部の本局嫌いは直ってはいないが以前よりはマシなレベルになっている。とは言っても嫌いなことには変わりないから、俺たちが本部周辺で活躍することにはあまり良い思いはしないだろう。

「あ、ロッサから通信だ。みんな、シーね」

立てた右人差し指を唇に当ててそう言ったシャルに頷き返すと、シャル「はい。こちらシャーリーン」と通信を繋げた。ヴェロッサは俺たちを見回した後、『ヴァイゼン地上本部から協力要請を断られてしまった』と、耳を疑うような話をした。目を丸くしている俺たちに続けてこう言った。

『特務零課は、本局の護りに専念されたし。当地上本部は魔力保有物は少ないため、多量の物品を保管している本局にこそ貴隊の活躍の場があると思われる、だそうだよ』

「「「「本局・・・」」」」

「やっぱり狙われてしまいますよね・・・」

「本局はアイツらにとって宝の山だろうしね」

『ちなみに、ミッド地上本部にも要請してみたんだが同じような断られてしまった。ヴァイゼンに関しては受け入れるよう脅威対策室から通達を受けたため、ヴァイゼンへの協力は見送る。だけどミッドについては要請を送り続けるそうだよ』

ヴェロッサはそう言ったが、俺たちが本局に到着する頃になってもミッドからは良い返事はなかった。

†††Sideルシリオン⇒アリサ†††

“T.C.”とかいう管理局にケンカを売ってきた犯罪組織。そいつらが今度狙ってるのは、あたしの背後にそびえるミッドの地上本部、その中に在るロストロギアを始めとしたいろいろな貴重品が納められた保管庫。連中は魔力を優先的に狙って奪ってくようで、ミッド以外の管理世界の地上本部はすべてやられたみたいね。

「アリサ」

あたしに声を掛けてきたのは「シグナム」とアギトの2人だった。互いに「お疲れ様」って労いの言葉を掛けた後、目の前に広がるエントランス前の中庭に視線を戻して、防護服を着用した隊員たちが巡回してるのを見る。全地上本部の本部でもあるミッド地上本部全体がピリピリしてるのよね。あたしやシグナム達が所属してる首都防衛隊が今、“T.C.”の襲撃に備えて最大警戒中っていうから仕方がないけど。

「あんま気にしたくないんだけど、ルシル達でも1年以上かかっても潰せないT.C.を相手に、あたしら魔導師は勝てんのかな・・・?」

アギトが不安そうに漏らした。シャルたち特騎隊が“T.C.”の本格的な逮捕に踏み出したのは、すでに解散したはやて率いる特務六課とフッケバイン一家の戦いが始まる前だった。初めの頃はシャル達がささっと事件を解決させて、特務六課と協同でフッケバイン一家の逮捕に動くと思ってたのよね。それがまさか、こうも“T.C.”壊滅が長引くなんて誰も思いもしなかったわよ。

「とりあえずあたしやシグナム、あと応援の教会騎士団には、シャルやルシル、それにセレスの神秘魔力が内包されたカートリッジが回されたし、召喚者のアーサーの転生者だっけ? そいつのことだけを集中すればなんとかなるんじゃない?」

“T.C.”の幹部はどうやら魔術が当たり前だった時代、シャルの前世やルシルのオリジナルが生きてた頃の魔術師、その生まれ変わりばかりらしい。そんな幹部はシャル達が真っ向から戦っても決着が付かない強さらしいけど、召喚者に関しては神秘カートリッジを使うあたし達でも勝てるって、シャルからメールが来たわ。

「魔力を吸収する猫たちは他の隊員たちに任せ、神秘カートリッジを扱う我々が召喚者を討てば勝利だ。だからそう不安になるなアギト」

「うーん、まぁそうなんだろうけどさ。なーんか嫌な予感つうかさ、良くないことが起きそうっつうかさ・・・」

「アギト。そういうのはフラグが立つっていうのよ。あまりそういう後ろ向きな発言は控えた方がいいわよ」

よく漫画やゲームなんかで見るフラグ。この戦いが終わったら結婚するとか、後で必ず合流するからとか、敵を倒した後のやったか?とかね。まぁ現実にはそんなフラグっぽいことを言っても何も起きなかったり、言わなくてもアウトなことが起きたりするんだし、そこまで気にすることじゃないけど。

「何やら楽しそうなお話をしていますね。少しご一緒させてもらってもいいでしょうか?」

「お疲れ様です、騎士シグナム、アリサさん」

「トリシュ」

「アンジェリエ」

声を掛けてきたのは今や教会騎士団最強の精鋭部隊、銀薔薇騎士隊ズィルバーン・ローゼのパラディンとなった弓騎士のトリシュタンと、打撃騎士のアンジェリエの2人だった。騎士団からトリシュとアンジェを始めとした騎士が20名ほど応援に来てくれたわ。
トリシュとアンジェとも「お疲れ様」って労い合って、あたしはアギトが嫌な予感がするって言いだして、そういうことを言ってると本当になっちゃうわよ?っていう話をしてたことを話す。

「あー、なるほど。確かにそういうのは戦闘前で言うのはまずいですね」

「でしょ? シャル達が苦戦してるからそう考えちゃうのよきっと」

「アギトさん。こう考えればいいのですよ。イリス達でも手古摺っている相手を・・・」

アンジェは最後まで言い切らずに「来ました!」って、旗型デバイス・“ジークファーネ・ヘルト”を起動させて、魔力幕も展開。トリシュも弓型デバイス・“イゾルデ・ツヴァイト”を起動して、右手の指の間に4本の魔力矢を生成。

「アギト、構えろ!」

「お、おう!」

「レヴァンティン!」

シグナムは“レヴァンティンを”起動して、ユニゾンはしないのかアギトと一緒に構えを取った。あたしも「フレイムアイズ!」を銃剣形態バヨネットフォームで起動。銃口を向けるのは、こちらに向かって来てる猫の大群。ううん、猫だけじゃないわね。ゴリラ、キリン、サイ、カラス、鷲、アナコンダ、カブトムシ、クワガタなどなどが巨大化しての登場よ。

「バニングス隊! 第1小隊は召喚獣を1匹たりとも通さないように! 第2小隊は非戦闘員の避難の護衛を!」

「八神隊はバニングス隊の援護!」

周囲を巡回してるあたしの部下たちに通信で指示を出して、シグナムは自分の部下にそう指示した。敵の襲撃は必ず来る。でもいつかは判らない。そんな曖昧さで地上本部への出入りを長期間封鎖できるわけもなく、非戦闘局員はもちろん、本部に用事のある民間人も普通に居た。そんな人たちを巻き込まないように気を付けながら魔術関連の召喚獣の打破。今日は忙しくなりそうだわ。
 
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