| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と牛女

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二幕その五

「今も生まれているしね」
「ああ、トイレの花子さんとかね」
「この学園にも出るっていうしね」
「口裂け女もね」
「そして人面犬もだし」
「テケテケもそうね」
「日本は妖怪の国でもあるね」 
 先生は考えつつ言いました。
「そして牛女もね」
「そうなのね」
「日本の妖怪の一つで」
「しっかりと存在しているんだ」
「それで六甲にいるんだ」
「そうなるね、本当に機会があれば」
 その時はというのです。
「牛女にもお会いしたいね」
「そうだよね」
「どんな妖怪さんかね」
「お会いして確かめたいね」
「そうだね」
「そう思っているよ、それとね」
 先生はさらに言いました。
「日本では牛は今は食べているけれど」
「そうそう、昔はね」
「昔は牛は殆ど食べなかったんだよね」
「農業に使う家畜でね」
「お乳も飲まなかったね」
「牛乳を飲むとかバターをお料理に使ったりチーズやバターを食べることは」
 そうしたことはというのです。
「日本では明治になるまで殆どなかったよ」
「そうだったね」
「日本では殆どなかったね」
「牛肉を食べることも乳製品を口にすることも」
「牛乳を飲むことも」
「殆どなくて」
 それでというのです。
「馴染みがなかったんだ」
「昔の日本人はそうだね」
「それで件も乳牛や肉牛じゃないね」
「農業に使う牛さんから生まれたね」
「そうだったね」
「体毛の色は黒や茶色だった筈だよ」
 先生は体毛のこともお話しました。
「かつてはね」
「そうだったんだね」
「今の日本の牛さんはホルスタインが多いけれど」
「あの牛さんって乳牛や肉牛でね」
「農業には本来使わないし」
「日本には昔はいなかったね」
「そうだよ、牛乳を飲むなんて」 
 そして乳製品を口にすることもというのです。
「日本では凄く限られていたよ」
「本当に明治まではそうで」
「江戸時代とかはね」
「牛肉はお薬ってことで食べてはいたけれど」 
 これはあったというのです。
「それでも牛乳になるとね」
「本当に少なかったんだね」
「日本では」
「食文化になかったんだ」
「上流階級の人達が食べていたよ」
 これはあったというのです。
「蘇とか酪とか醍醐とかをね」
「それでもだね」
「殆どの人は食べていなかった」
「そうなんだね」
「ずっと」
「うん、けれど今ではね」
 現代ではどうかといいますと。
「皆普通に食べているね」
「そうだね」
「言われてみると」
「皆牛乳飲むし」
「牛乳だって普通に食べるね」
「だから件や牛女が生まれるとなると」
 それならというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧