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オズのケーキ

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第八幕その九

「それじゃあね」
「ケーキさんも努力家なのね」
「そういえばあの人はそうした人だよ」
「穏やかだけれどいつもお菓子を作っているからね」
「それでお料理、特にお菓子の本もよく読まれていて」
 それでと言ったナターシャでした。
「いつも努力しているから」
「お菓子作りに努力していて」
「腕を磨いているから」
「和菓子にしても」
「もう身に着けているのかしら」
 五人でお話します、そしてです。
 六人のフェアリーの大臣達もお話しました。
「上手になりたければ練習」
「そして本を読んで勉強する」
「そうしていけば上手になる」
「歌も踊りもそうだけれど」
「お料理もっていうし」
「ケーキさんもということね」
 こう六人でお話するのでした。
「ケーキさんは努力の人ね」
「本当にそうなのね」
「それを努力と思わないかも知れないけれど」
「ご本人はね」
「そうした人でも」
「努力していることは事実ね」
 まさにとお話するのでした、ですが。
 下ごしらえを終えたケーキは皆のところに戻ると照れ臭そうに笑ってそのうえで皆にお話するのでした。
「皆私を凄い風に言うけれど」
「違うんですか」
「そのことは」
「そう言われますか」
「ケーキさんは」
「ええ、別にね」
 これといってというのです。
「凄くないわよ」
「そうですか?」
「充分凄いと思いますけれど」
「そこは違いますか」
「そうですか」
「ただお料理、お菓子作りが好きで」
 それでというのです。
「いつも作って本を読んでいるだけだから」
「あの」
 ここでナターシャがケーキにお話しました。
「オズの国にモーツァルトさん来ておられますよね」
「あの音楽家さんね」
「あの人も来られてるんですよね」
「そうよ、それで今もね」
 オズの国に来てからもというのです。
「音楽を作っておられるわ」
「あの人はいつも作曲されてますね」
「もう作曲していないとね」
 そうしていないと、というのです。
「苦しいって言っておられるわ」
「それだけ作曲して」
 そしてというのです。
「音楽に触れているから」
「天才かしら」
「あの人は元々凄い才能がありますけれど」
 音楽、それのというのです。
「それに加えて」
「いつも作曲しているから」
「本当に凄いと思います」
「ただ才能があるだけじゃなくて」
「いつも音楽に触れていて」
「それで作曲をしているから」
 だからだというのです。
「凄いんですよ」
「本当の意味の天才なのね」
「そうなんですよ」
「そういえば」
 今度はフェアリーの六人の大臣達が声をあげました。
「エジソンさんも」
「そうよね」
「あの人もね」
「いつも発明しているけれど」
「研究して考えて」
「発明に触れているわね」
 この人もオズの国に来ていてそうしてというのです。 
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