| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのケーキ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八幕その二

 それは皆も同じです、ですが女王だけはご自身のパーティーということで準備には参加させてもらいません、そのことについてです。
 どうしてもというお顔で言うのでした。
「私も何か動かないと」
「そう言われましても」 
 ナターシャが女王に応えます、今は彼女達五人が女王と一緒にいます。そうして歌ったり踊ったりして遊んでいるのです。
「女王様が主賓ですから」
「だからですね」
「主役が動きますと」
 お誕生日のパーティーのです。
「違いますよ」
「そのことはわかっていますが」
「それでもですか」
「フェアリーの国は皆で汗を流す」
「そうした考えですか」
「それも楽しく」
 そうしてというのです。
「過ごすものですから」
「女王様でもですね」
 恵梨香が女王に言いました。
「それでもですね」
「そうです、私達は皆家族ですから」
 だからだというのです。
「ですから」
「家族ならですか」 
 ジョージは女王、自分達のお顔の高さで羽根を使って浮かんでいる彼女と見てそのうえで言うのでした。
「一緒に汗を流す」
「それがフェアリーの考えですから、それに」
 女王はにこりと笑ってこうも言いました。
「身体を動かして働くことも楽しいですね」
「そうですよね、皆で作業をしてると」
 神宝は女王のその言葉に頷きました。
「中々楽しいですね」
「ですから」
 女王は神宝にも答えました。
「私もそれが好きですが」
「ですがここはです」
 カルロスは残念そうな女王を宥めました。
「待っていましょう」
「そうですね」
 女王も皆に言われてです、そうしてでした。
 どうしても作業に参加したいという気持ちを抑えてそうして言いました。
「待っていますね」
「そうしていましょう、働くことはまた出来ますね」
「はい」
 女王はナターシャに答えました。
「そのことは」
「ならです」
「働くことは次の機会にということで」
「だからですね」
「今は待っていましょう」
 是非にというのです。
「そうしていきましょう」
「では今から」
 ここで、です。女王は。
 自分達の傍にあったピアノを見て言いました。
「このピアノを弾いて」
「演奏ですか」
「はい、演奏をして」
 そしてというのです。
「歌も歌って」
「そうもしてですね」
「楽しみましょう」
「どの曲を弾かれるんですか?」
「そうですね、ジャズでしょうか」
 こちらの曲をとです、女王は言いました。
「今から」
「何かですね」
 ナターシャは女王のそのお話を聞いて言いました。
「フェアリーの人って色々な曲を聴かれていて」
「それで、ですか」
「演奏もされていて」
 それでというのです。
「意外に思っています」
「そういえばそうよね」
「フェアリーの人達がジャズがお好きと聞いていたけれど」
「ジャズとかラップとかポップスとかもお好きで」
「そうしたことは考えてなかったから」
 恵梨香達四人も言います。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧