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吸血鬼の真祖と魔王候補の転生者

作者:黒い子供
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第6話 シルヴィア先生の魔法講座

 
前書き
前回のあらすじ

エヴァの不老の解除 

 
皆さんごきげんよう、皆の義姉様・シルヴィアよ。

我が義妹・エヴァの不老を解除し、行方をくらませるために走り去り数日。

そろそろ良いかと適当な森を見つけ、その中心地で野営をしたのが昨夜。

起きて顔洗ってご飯を食べて・・・出発の準備をするエヴァに声をかける。

「エヴァ、今日は旅に出ないからそのままでいいわよ」

そう言うと、エヴァは可愛らしく首をコテンと傾げる。

うむうむ、今日も我等の最終決戦兵器は絶好調のようね。可愛いわ。

そんな事を思っていると、今度は「う~ん」と悩みだした。

まぁデジャブを感じるのも無理はない・・・

「コピペ?」

・・・・・・今日も我等の最終決戦兵器は絶好調のようね。

義妹よ、電波受信のスキルを得たの?それは飴を舐めながら頭に太陽の塔みたいな人形乗せてないとダメよ?










そんな義姉妹のじゃれ合いを終えると、敷物の上で、正座で向き合う。

最初は戸惑ったエヴァも最近は慣れてきた。

二人の間には魔導書を置く。

「さてエヴァ。突然だけど、今日から修業を始めるわ」

「修行?」

「えぇ。私達が旅をする上で、どうあっても危険からは逃れられない。それは突発的な賊だったり、私達の力を恐れ、人ならざる者として害そうとする魔法世界の関係者だったり。」

「・・・」

「積極的に戦うにしろ、逃げるにしろ、身を守るための力は必要だわ。そのための修行よ」

「・・・うん」

「と言っても、しばらくエヴァは修行するだけ。実際に戦うのは私よ」

「え?」

「よく聞いて、エヴァ」

そこで言葉を区切ると、エヴァの肩に手を乗せ正面から見つめる。

「力には選択の責任が伴い、それを受け止める覚悟が必要よ」

「責任と・・・覚悟」

「そう。なぜ力を使うのか?それを使うことを選んだとき、力を使った結果に対する責任。そして、その結果を受け入れる覚悟がね。」

「・・・」

「私は、私自身と私の大切な者のために生きる。そのために力を使う。そういう覚悟を持っている。その為に必要ならいくらでも力を使う。邪魔する人間を殺す事も躊躇しない。」
「たとえば、エヴァ1人と無関係な人達1000人、どちらかしか助ける事ができないなら、私は迷わずエヴァを救う。その結果1000人の人間が生きようが死のうが構わない。そして、見捨てた1000人や、その身内から恨み辛みその他の責めを向けられたとしても、私はそれを認め、負う責任と覚悟がある」

「・・・」

「勘違いしないで欲しいのは、それら全てはエヴァのためだけど、エヴァのためだけじゃない。私自身のためでもあるの」

「義姉様の?助けられるのは私なのに?」

「そうよ。私の幸せはエヴァと共に在ること。だから、私は私のために力を使っていることになる。それに私は、人殺しの理由を義妹に押し付けるつもりはない。あくまで私の幸せのため。そして、私にとって無関係な人間なんて路傍の石以下の存在。そんな存在のために命を懸けて謝罪するような、『責任を取る』なんてことはしない。私の言う責任とは、あくまで自分が行った行動の結果を認め、受け入れ、背負う事。『責任を負う』と言う事よ。・・・そうして責任を負いながら、私自身と私の大切な者のために力を使う。それを貫くのが覚悟よ」

「・・・」

「力を身に付けるのと同時に、私の言った事も、考えてみて頂戴」

「うん・・・」

エヴァを見つめれば、私が一気に語った事を必死に考え、心に刻み込んでいる。

・・・いつかは、彼女も決断するのだろう。

しかし・・・たとえそれが無理だとしても・・・もうしばらくはその時が来ないで欲しい。

義姉の立場としての勝手な思いを抱きながら・・・義妹を見つめていた・・・










少し時間をおいてから、今日の本題に入った。

「最初に、修行の方針を伝えておくわ」

「方針?」

「えぇ。これから私達は、魔法に加えて体術・剣術、それとそれぞれ別々の技術を1つ習得することを目指すわ。それも同時進行で。」

「一杯だね・・・それよりも別々の技術って?それに同時進行?普通は1つを極めてからじゃないの?」

「最初の3つは基本戦闘に外せないとして、それぞれ違う事が出来た方が戦術・戦略としての手札も増えるでしょ?同時進行は、魔法を極めている途中に魔法が効かない相手が出てきて困った、なんて事がないように。まぁ、当面は私が戦うのだし、私の場合、剣術は多少かじっているから、魔法から極めてもいいのだけど・・・時間は有効に使わないとね。私は魔法具作成に興味があるのよね~」

「なるほど。別々の技術か~・・・あ、これ」

そう言いながら魔導書、もといグー○ル辞書のページをめくっていたエヴァの手が止まる。

そこに記されていたのは『人形使い』のページ。

「これ、おもしろそう」

エヴァの視点から言えば魔法で人形を動かすファンタジックな物だろうけど。

私としては世界の、物語の力を思わないでもない。

「まぁ、決めるのはすぐじゃなくても良いから、気に入ったのを探すといいわ。今日は魔法を基礎から学ぶわよ」

「うん!」

そう返事をする義妹と共に、魔導書をめくっていく。

それによるとこうある。

魔法とは、世界に満ちるマナを体内で魔力に変換。それを精霊に渡すことで魔法として具現、行使する。

変換するのは丹田で間違いない。世界に満ちる、の意味は、生きとし生けるものが持っていると言う事。命とも取れる。だからこそ人が食事や睡眠を取る事で、魔力の回復を図る事が出来る。

こうして見ると、生命力による『気』が人の内部的の力とするなら、外部の物を食する事でも得ることが出来る『マナ=魔力』は外部的な力と見る事が出来る。

また、気や魔力は人の根源的・感覚的な部分にも繋がるので、気配などとして察知されることにも繋がる。

エヴァが吸血鬼の真祖(ハイ・デイライトウォーカー)に覚醒した時、城近くの町に居たローブの下衆が察知したこともこれで説明がつく。

もっとも、近くとは言え離れていた町に居た下衆に察知されたのは、覚醒直後で魔力が溢れていたのも理由だろう。

でなければ、私達2人の魔力量を考えれば常に察知され襲われることになる。

如何に膨大な魔力であっても、よほど近づかない限り何らかの流れ、たとえば魔法を行使するなど消費・変動が起きなければ察知はされにくいらしい。

もちろんその感度も術者の技量によるようだ。

次に書かれているのは魔力障壁について。

魔法使いの基本的防御手段。文字通り魔力を込めることで盾として形成。便利なのは、一度作れば自ら破壊するか他者に壊されるまで勝手に展開されている点。作る時だけ魔力を消費するのだから、自動防御が可能と言うことだ。防御力は本人の技量と込めた魔力量に左右されるようだ。

「これは重点的に行うべきね」

「防御の方法なのに?義姉様にしては意外かも」

・・・義妹にどう思われているかの一端が見えたようだ。

それは置いておくとして・・・

「障壁を磨けば、それだけ魔力制御を磨くことにもつながるわ」

「魔力の制御?」

「えぇ。たとえば制御力が低いころは、10の固さの盾を作るのに20の魔力を使ってしまう。でも制御力が上がれば、10の盾に対して8の魔力で済むようになる・・・どっちがお得かわかるわね?」

「そっか・・・だから制御力は重要なんだね」

「それにね、エヴァ。・・・力を制御できない者は、力に飲まれるものよ」

「力に・・・飲まれる?」

「えぇ。自ら振るう力に滅ぼされるの。だから力を振るう時には、それ以上の制御する力と制御する心、理性を持たなければならない。」

「制御と、理性・・・」

「えぇ、覚えておいて」

「うん・・・」

義妹に語りながらも、内心は自分自身への戒めでは無いか、と苦笑する。

私自身の経験では無いが、過去歴史上から学んだのも事実。

自らの幸せのために振るう力で滅ぼされれば世話はない。

そんなことにはならない・・・させない。

そう心に刻みながらページをめくる。










次に書かれていたのは、魔法の具体的な体系についてだ。

威力の低い方から、詠唱魔法・術式魔法・術式詠唱魔法、となるらしい。また、この体系とは独立して無詠唱魔法と言うのも存在する。

詠唱魔法はもっとも基本的な魔法で、原作にもあるように始動キーから始まり、呪文を詠唱することで発動する。

術式魔法は、魔力によって魔法陣を形成し、その中で特定の鍵となる行動=陣の中に入る・陣の中で魔法を使う、などから発動する。罠に近い魔法だ。

術式詠唱魔法は、文字通り2つの体系を合わせたもの。魔力で魔法陣を形成し、詠唱によって魔法を発動となる。

無詠唱魔法は、これらの体系の中で詠唱を破棄して魔法を発動する事を言う。基本的に詠唱破棄の効果で本来の魔法より威力は落ちる。

しかし、これら4体系すべてに言えることは、込める魔力にもよるが魔法使い本人の技量=制御力によって威力は左右されると言う事。

技量1の魔法使いが放つ術式詠唱魔法と、技量10の魔法使いが放つ詠唱魔法なら、後者が勝つ。

技量10の魔法使いが放つのが無詠唱魔法でも同じ結果になる。

こうして見ると、やはり魔力制御の重要性が伺える。

間違ってもくしゃみ一つで服を吹き飛ばすような奴を魔法使いとは言わない。

誰の事とは言わないわよ?

そんな事を考えながら、エヴァには更に噛み砕いて説明。制御力の重要性を強調する。

元々聡明なエヴァもどんどん吸収していく。

そうしていよいよ具体的な魔法が記載してあるページに辿りつく。

「・・・?」

「どうしたの、義姉様?」

「いや・・・ちょっとね」

魔法の記述は、最初に生活にも使うような基本魔法が載り、その後属性ごとに並べられ、何ページにも渡って書かれている。

この世界の属性は8つ。火・氷・風・土・雷・水の6属性(左から右に強い関係を持つ、水は戻って火に強い)と、反発しあう闇と光の2属性を合わせたものだ。

ちなみに、エヴァが原作で作り上げた『闇の魔法』と『闇属性魔法』は別物のようね。

とりあえず基本魔法は覚えるとして飛ばし、記述は火属性、基本の『魔法の射手』から始まっていた。

それはいいの。問題は別よ。

『火属性下級魔法・ファイア』

・・・・・・・・・・はい?

何故ここにFF魔法が?ネギまの世界に?

混乱しかけた私は、しかしある事を思い出す。

それは神様の言葉。

「『うむ、いくつかの要因が混ざり合った結果、原作にある事が無かったり、逆に無い事があったりするようじゃな。』」

これか!今まで原作通りだったから油断していたわ。

でもまぁ、FFは好きだし、いいかとあっさり切り替える。

それにFFの魔法が使えると言うのはなかなか心に響くものがある。

とりあえずおいといて、それぞれが得意な属性を見極めることにする。

これには『魔法の射手』を使う。

単純に1の矢を撃てるかどうかで適性がわかるらしい。

結果は・・・

私:全属性(特に雷・闇)FF魔法
エヴァ:氷・闇

・・・・・・全属性って・・・そりゃチートだけども。

エヴァは原作通りだった。ちなみにFF魔法は下級を一通り試してみたが駄目だった。

FF魔法は私だけと言う可能性もある。なにせ世界の外からやってきた存在なのだから。

「とにかくこれで決まりね。魔法は基本魔法と魔法の射手(サギタ・マギカ)に集中。私は雷と闇、エヴァは氷と闇ね」

「制御力を上げるため?」

「そうよ」

早い話、制御力を上げて魔法の射手で弾幕を張れば、力押しで大抵の魔法使いは行けると思う。

ただでさえ私のチート魔力に加え、エヴァは吸血鬼の真祖(ハイ・デイライトウォーカー)としての膨大な魔力。

弾幕そのもので倒せなかったとしても、その隙に接近して斬り殺せばそれで済む話。

当面はこれでいいわね。

「それじゃぁ、さっそくはじめましょうか」

「うん!」

そうして私達は、魔導書片手に魔法の修行を始めた。 
 

 
後書き
お読みいただきありがとうございます。

さてさて、修行を始めた我らがシルヴィア様。

つまりはさらなる蹂躙への伏線・・・になれるといいなぁ(別に隠れてないけど)

この更新で、今年は最後となります。

それでは皆様、よいお年をm(_ _)m

・・・ご意見・ご感想、お待ちしてますよ?(チラッ) 
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